井上道義のミュージカル・オペラ

錦糸町の「墨田トリフォニホール」へ井上道義のミュージカル・オペラ「降福への道」The way from surrendar を見に行った。指揮者の井上道義76才は、「来年2024年12月に引退」と発表している。  音楽人生の集大成として、戦争に翻弄され数奇な人生をたどった両親の人生をオペラにしようと、15年の月日を費やし、ようやく今、完成した。ストーリーは、日系2世でアメリカ人である父が来日、…

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ボリス・ゴドゥノフ

新国立劇場へロシアオペラ「ボリス・ゴドゥノフ」を見に行った。チャイコフスキーの「オネーギン」と並ぶムソルグスキーの傑作である。雨だったので、写真がきれいに撮れてないけれど、入口の立て看板。 「ボリス・ゴドゥノフ」はロシア、プーシキンの原作で1830年に刊行されたが、帝政批判ということで、舞台初演は46年後だった。イワン雷帝亡き後の1598年から1605年までのロシアを題材にした歴史劇。ボリ…

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ダン・タイ・ソン ピアノリサイタル

8月30日(火)四谷の紀尾井ホールで「ダン・タイ・ソン ピアノリサイタル」を聴いた。ダン・タイ・ソンは、ショパンコンクールで、アジア人で初めて優勝した人。さらに昨年のショパンコンクールで、弟子の中国系カナダ人ブルース・リウが優勝。自分も優勝、弟子も優勝という偉業を成し遂げた。6位入賞のJJジュン・リ・ブイも弟子である。このコンクールでは、反田恭平さんが2位、小林愛美さんが4位と日本人もかつてない…

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ペレアスとメリザンド(新国立劇場)

なんで、こんなポスターなんだろう?と思う人が多いと思う。前記事で紹介したように、メーテルリンク原作のこの作品では、メリザンドの長い髪というのが、大事なモチーフだった。メリザンドに恋しても、兄嫁ゆえ触れることができないペレアスは、長い髪の裾に口づけする。19世紀末当時、男性を誘惑し破滅させる「ファム・ファタール(運命の女性)」という言葉が流行し、文学や絵画の主題となった。ワイルドの「サロメ」が…

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ペレアスとメリザンド(2012年パリ・オペラ座公演)

フランスの作曲家ドビュッシー(1862~1918) は、生涯でひとつしかオペラを作曲しなかったが、それはオペラ史に残る名作となった。「ペレアスとメリザンド」である。原作は、「青い鳥」で有名なメーテルリンクの戯曲。日本で上演されることが少ないオペラだが、目下、新国立劇場で公演中。見に行く予定なので、その前にパリ・オペラ座での2012年3月公演の紹介を書いておく。私は、NHKーBSの「プレミアムシア…

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