友達を前記事の「デ・キリコ展」に誘ったら、「暑いのに上野から歩く都美術館
は嫌。それより改装してから行ってないブリヂストンに行きたいわ。」
(注:ブリヂストン美術館は改装後アーティゾン美術館と改名)
ブランクーシ展のあとは、何をやってるのだろう?と調べたら「空間と作品」展。
古今東西、様々な分野の所蔵品で空間を作って展示。見せられかたが違うと、
違ってみえるという意図。今まで見たことがない所蔵品を見れる良い機会。
は嫌。それより改装してから行ってないブリヂストンに行きたいわ。」
(注:ブリヂストン美術館は改装後アーティゾン美術館と改名)
ブランクーシ展のあとは、何をやってるのだろう?と調べたら「空間と作品」展。
古今東西、様々な分野の所蔵品で空間を作って展示。見せられかたが違うと、
違ってみえるという意図。今まで見たことがない所蔵品を見れる良い機会。

数回前の記事「ピカソ美術館のピカソ以外の作品」で話題にしたセヴェリーニの
「金管奏者」がメインビジュアルに使われていた。!(^^)!
「金管奏者」がメインビジュアルに使われていた。!(^^)!
最初の部屋には「円空」の木彫りの仏像。広い空間に2体だけの展示。
2体のうち、背の低いほうが愛嬌のある顔で好き。彫りも木の肌も美しいままの姿。
江戸時代 高さ66㎝
仏像だから作られた当初はお寺に収められた?と来歴を考えてしまう。

次の部屋は、ピサロの雪景色の「冬」131㎝から始まり、春、夏、秋と四方の壁に
一枚づつの展示。ピサロの四季部屋。元々は、ある銀行家が自宅のリビングの壁面
の絵をピサロに注文。年月を経て今は日本のここに。
次のコーナーにピカソ「腕を組んですわるサルタンバンク」1923年があり、
「ご自由にお座りください」と鑑賞用のソファーがある。この絵は、いろいろな
人の所有を経て、ピアニストのホロヴィッツが入手。ニューヨークの自宅の居間
に飾っていた。ソファーに座って眺めていたのだろう。
奥は畳敷きの日本間で、応挙の2間の襖。「竹に狗子波に鴨図」
靴を脱いで畳にあがり、近くで見れる。

竹の根元でじゃれて遊ぶ犬たち9匹がかわいい。上部に金泊の波がうねる。
鴨は左端に描かれているが見えにくい。
2体のうち、背の低いほうが愛嬌のある顔で好き。彫りも木の肌も美しいままの姿。
江戸時代 高さ66㎝
仏像だから作られた当初はお寺に収められた?と来歴を考えてしまう。

次の部屋は、ピサロの雪景色の「冬」131㎝から始まり、春、夏、秋と四方の壁に
一枚づつの展示。ピサロの四季部屋。元々は、ある銀行家が自宅のリビングの壁面
の絵をピサロに注文。年月を経て今は日本のここに。
次のコーナーにピカソ「腕を組んですわるサルタンバンク」1923年があり、
「ご自由にお座りください」と鑑賞用のソファーがある。この絵は、いろいろな
人の所有を経て、ピアニストのホロヴィッツが入手。ニューヨークの自宅の居間
に飾っていた。ソファーに座って眺めていたのだろう。
奥は畳敷きの日本間で、応挙の2間の襖。「竹に狗子波に鴨図」
靴を脱いで畳にあがり、近くで見れる。

竹の根元でじゃれて遊ぶ犬たち9匹がかわいい。上部に金泊の波がうねる。
鴨は左端に描かれているが見えにくい。
その次のコーナーの壁にはセザンヌの小さな静物画「鉢と牛乳入れ」が掛かり、
棚に中国・唐時代の小さい「三彩万年壺」が置かれ、ザオ・ウーキーのリトグラフ
「無題」が隣の壁面に。上には小さなイランの陶板「多彩人物草花紋タイル」。
脈略がない多国籍のコーナー。
こんなふうにいくつかコーナーが設置され、誰かの部屋のように設えてある。
撮影禁止が多いが、下の写真の場所は手前の机の所の椅子にすわって眺めるように
なっていて、そこから撮影可。近くによって見れないので何の絵かわからない。
カタログによると正面は三岸節子の絵で、右は山口長男の絵。
サイドボードはエットレ・ソットサス作品で、左棚の上の小さい鳥の彫刻は、
フランソワ・ポンポンの「しゃこ」
棚に中国・唐時代の小さい「三彩万年壺」が置かれ、ザオ・ウーキーのリトグラフ
「無題」が隣の壁面に。上には小さなイランの陶板「多彩人物草花紋タイル」。
脈略がない多国籍のコーナー。
こんなふうにいくつかコーナーが設置され、誰かの部屋のように設えてある。
撮影禁止が多いが、下の写真の場所は手前の机の所の椅子にすわって眺めるように
なっていて、そこから撮影可。近くによって見れないので何の絵かわからない。
カタログによると正面は三岸節子の絵で、右は山口長男の絵。
サイドボードはエットレ・ソットサス作品で、左棚の上の小さい鳥の彫刻は、
フランソワ・ポンポンの「しゃこ」

普段、展示しにくい小さい作品を見せる良い機会なのだろう。
以上が6階の「空間と作品」会場。
以上が6階の「空間と作品」会場。
5階:作品の持ち主 4階:額に注目
まず、青木繁が何点もあり、古賀春江が2点並ぶ。
左が「遊園地」1926年、右が「素朴な月夜」1929年
まず、青木繁が何点もあり、古賀春江が2点並ぶ。
左が「遊園地」1926年、右が「素朴な月夜」1929年

右「素朴な月夜」は、川端康成の旧蔵品で、床の間に飾って鑑賞していたのだそう。
古賀春江は今回、他の2か所にもあった。
カンディンスキー「2本の線」「3本の菩提樹」、ポロック「ナンバー2」、
カサット「娘に読みきかせるオーガスタ」、「岡田三郎助「臥裸婦」「婦人像」、
ビゴー「日本の女」、安井曾太郎「F夫人像」「玉虫先生像」、クレー「島」、
ブランクーシ「接吻」、ピカソ「道化師」他6点、ルノワール「ジョルジェット嬢」
「少女」、ヴラマンク「色彩のシンフォニー2」などなど。
印象派の作品は以前の別記事で見てください。
初めて見たのはジョージア・オキーフ「オータム・リーフⅡ」1927年
ほんとうはもっとビロードのような色で感触。写真は平面的になってしまう。
残念。

最近の収蔵品と大きく書いてあったが2009年の新所蔵。15年前。
ロートレック「サーカスの舞台裏」1887年
モノトーンで表した舞台裏。ピエロが馬に何か指図をする舞台前の緊張感。
右上から白い光が差し込む。そこが舞台なのだろう。

カンディンスキー「2本の線」「3本の菩提樹」、ポロック「ナンバー2」、
カサット「娘に読みきかせるオーガスタ」、「岡田三郎助「臥裸婦」「婦人像」、
ビゴー「日本の女」、安井曾太郎「F夫人像」「玉虫先生像」、クレー「島」、
ブランクーシ「接吻」、ピカソ「道化師」他6点、ルノワール「ジョルジェット嬢」
「少女」、ヴラマンク「色彩のシンフォニー2」などなど。
印象派の作品は以前の別記事で見てください。
初めて見たのはジョージア・オキーフ「オータム・リーフⅡ」1927年
ほんとうはもっとビロードのような色で感触。写真は平面的になってしまう。
残念。

最近の収蔵品と大きく書いてあったが2009年の新所蔵。15年前。
ロートレック「サーカスの舞台裏」1887年
モノトーンで表した舞台裏。ピエロが馬に何か指図をする舞台前の緊張感。
右上から白い光が差し込む。そこが舞台なのだろう。

ロートレックは、4階にも一点「騎手Ⅰ」1899年リトグラフ
この絵をひきたたせる額を今回の展示用に選んだと書いてあった。
目立つ馬の尻と同じ色のシンプルなのが合うということだろう。

この絵をひきたたせる額を今回の展示用に選んだと書いてあった。
目立つ馬の尻と同じ色のシンプルなのが合うということだろう。

マティスは9点もあった。今まで見たことがなかたのは、赤い作品2つ。
左「オダリスク」1926年 右「石膏のある静物」1927年
人物画が多かったマティスだが、南仏ニースに移ってからの1920年代は静物画を多く描いた。
そのためにセザンヌの静物画を購入し研究していたとのこと。
左「オダリスク」1926年 右「石膏のある静物」1927年
人物画が多かったマティスだが、南仏ニースに移ってからの1920年代は静物画を多く描いた。
そのためにセザンヌの静物画を購入し研究していたとのこと。


日本画がいろいろあったのは予想外だった。
前田の「風神雷神」1949年。
さらに青邨が所有していた伝 俵屋宗達《伊勢物語図色紙 彦星》(17世紀)を併置。
前田の「風神雷神」1949年。
さらに青邨が所有していた伝 俵屋宗達《伊勢物語図色紙 彦星》(17世紀)を併置。
竹内栖鳳「鰹図」1927年頃
見ただけで鰹とわかる太り具合。戻り鰹だろう。
見ただけで鰹とわかる太り具合。戻り鰹だろう。

酒井抱一 / 鈴木其一 「夏図(十二ヶ月図の内)」3幅対 江戸時代(19世紀)
酒井抱一が中の絵を描き、弟子の其一が表装部分の花を大胆に描いた師匠と弟子の
コラボ作品。中の絵は遊び心に満ち楽しい。
酒井抱一が中の絵を描き、弟子の其一が表装部分の花を大胆に描いた師匠と弟子の
コラボ作品。中の絵は遊び心に満ち楽しい。
豊臣秀吉の書翰、鳥獣戯画の断筒を新たに表装したものもあった。
藤田嗣治「猫のいる静物」1886年

牛島憲之 「タンクの道」1955年
画面いっぱいに静けさが漂う。額との一体感で強く遠近法を感じる。
府中市美術館に「牛島憲之記念室」があるので、美術館のそばに住んだことがある
私には馴染みの作家。
画面いっぱいに静けさが漂う。額との一体感で強く遠近法を感じる。
府中市美術館に「牛島憲之記念室」があるので、美術館のそばに住んだことがある
私には馴染みの作家。

今までとは違った視点での展示法なので、この美術館に行ったことがある人でも
新鮮な感じで楽しめると思う。
新鮮な感じで楽しめると思う。
10月14日まで。
この記事へのコメント
yk2
建物が新しくなり、名称もアーティゾンに変わって素晴らしい美術館になりましたね。そんなに極端に常設展示されている作品が増えたわけでもないのに、とても充実した感が有ります。写真を自由に撮れる作品が増えたせいかな?。
牛島憲之は僕も府中で見たなぁ。今回taekoねーさんがこちらに載せていらっしゃる絵とは全然画風の違う『貝焼場』(https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/museum/collection_introduction/ushijima.html)って作品が強く印象に残ってます。タッチは違うんだけど、色遣いがボナールとかヴュイヤールに近い感覚がして、僕には面白く思えました。他の美術館や展覧会であまり作品に触れる機会は多くないけど、ちょっと気になる画家ですよね。
ナツパパ
美術館っぽくない展示に見え、こういうスタイルは好きです。
Inatimy
植物を描いたのは見たことがないかも。
竹内栖鳳の描く魚って、美味しそうなんですよね。鯖、鯛、甘鯛などなど。
魚を見ながら描いて、そのあと、食べたのかなぁ・・・なんて想像したり。
TaekoLovesParis
▲yk2さん、藤田嗣治「猫のいる静物」は、yk2さんがトップスキンに使ってらしたことがありましたね。フジタは自画像でもネコを一緒に描いたり、ネコを描き入れることが多いけど、たいていはツンとした表情。でも、この絵のネコは一生懸命でとっても可愛い。狙いは手長エビね(笑)
展示の方法で印象がだいぶ変わりますね。初めて見るものが多かったので楽しかったけど、あとから考えると、いつもあったものがなかったり、増えたのではなく、入れ替えなんだと思います。
牛島憲之、リンク先の絵が明るく派手な色で活動的、そう、ボナール、ヴュイヤールだわ。府中で見ていた穏やかな風景画とずいぶん違うので、さらに興味を持ちました。
TaekoLovesParis
TaekoLovesParis
ボストン美術館の至宝展、穏やかな白い花です。
https://taekoparis.blog.ss-blog.jp/2017-09-23
MOMA展で見たゴシックっぽい家の絵
https://taekoparis.blog.ss-blog.jp/2018-01-18
竹内栖鳳、犬、猫、ライオンなど動物しか見てこなかったので、魚の絵ははじめてでした。Inatimyさんの「おいしそう」というコメントで、魚の絵を見たら、、その通り。Wikiによると、家が京都の「川魚問屋」だったんですって。魚はお手の物ですよね。
おと
藤田嗣治「猫のいる静物」狙ってる様子が、かわいい^^
ほんとに、いろんな絵画が、一堂に会してるって感じで、楽しいですね~。
TaekoLovesParis
うりくま
増えているように思いますが、「持ち主が誰で、どんな部屋で鑑賞し
ていたか」を再現するというのは新しい試みですね。行こうかどうか
迷っていましたが、解説付きで綺麗な画像を拝見して、すっかり自分
も美術展に行った気になりました。ありがとうございます。(^^)
TaekoLovesParis