ピカソ美術館でのピカソ以外の作品

今回、美術館に入ってすぐ、地下の部屋での展示はこれだった。
「えっ、これ、ピカソ?」「ちょっと違う気がするけど、」
説明書きがあったので、イタリアのジーノ・セヴェリーニ作品とわかった。
セヴェリーニは、ポンピドゥーセンターで「フューチャリズム(未来派)」
という展覧会を見て好きになった画家。イタリアなので楽しいし、色が明るい。
壁に椅子・テーブルをさくっと描いたのは、誰のアイディアなのだろう?


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これはピカソが、妻ジャクリーヌの寝室のためにセヴェリーニに依頼したもの。
タイトルは「音楽のレッスン」1928~29年
ギリシア古代建築の下でギターを弾く白い服のピエロとアルルカンの語らいは、
無意味な光景に見える。ギリシア建築にロココ調のワトー風ピエロを持ってきた
のはジャンルのフュージョンで、壁に描かれたモダンな白い椅子・テーブルとも
フュージョンしている。ぱっと見はクラシズムだがポストモダンへの前兆を
表している。
右の絵では、ピエロ3人がトランプに興じている。これも無意味?
SEverrini_MusiqueLecon.jpg Severrini2_droit.jpg
上の右のトランプピエロは、この壁面 ↓ を大きくしたもの。

Severrini2.jpg


別の壁面は、ピカソの家の客間を飾っていたデ・キリコによる「グラディエーター」
11枚の連作(1928年~1929年)。虐殺よりも武器を使わず戦う身振り、身体の動き
を重視して描いている。へなへなで弱々しい裸体は、アカデミックな手法で描かれて
いた時代の裸体と大違い。

Chirico.jpg

上部の絵は、馬の動き4か所を見ていくと、右端の馬は倒れ、同じ馬の時間の流れなのか
とも思える。こちらは、人体がすっきりと描かれ、まさにポーズをとっているかのよう。
デ・キリコは歴史上の戦争の絵を、緊張感のない人物のポーズで描き皮肉っている。Chirico_1.jpg


Chirico_2.jpg




ピカソは同時代の仲間の作品を持っていた。

審美眼に優れているので良いものばかりだ。

セザンヌ「5人の水浴」1877~1878年
Cezanne_5Beniyoirs.jpg



セザンヌ「シャトーノワール」1905年


Cezanne_ChateauNoir.jpg





  

マティス「マルグリット」1906~1907年


Mattise_Marguerita2.jpg






ピカソ美術館の中にのカフェは簡単なカフェだったので、外に出て、ゆっくりお茶が
できる店を探しながら帰り道を歩いた。5分くらいで、パリでは何軒かあるチェーン
「カフェ・リシャール」Cafe Richardがあったので、入った。
ミルフォイユもパリパリ、さくさく、間のクリームと合っておいしかった。
瓶に入ってるのはキャラメルソース。友達が頼んだチーズケーキにはベリーの
ソースだった。「ここはケーキが美味しいから、ピカソ美術館に来たときは、
ここにしましょ」
Comptoirs Richard,   45 Rue de Bretagne 75003
Picasso_CafeRichard.jpg



この記事へのコメント

  • Inatimy

    ジーノ・セヴェリーニ、ギターを弾く白い服のピエロの姿を見た瞬間に、
    あの絵の画家だと思い出しました。
    私が観たのは、Kröller-Müller Museum クレラー・ミュラー・ミュージアムの
    "Pierrot" 「ピエロ」1923。行く度に気になって撮ってしまう絵です。
    ミルフォイユ、私には絶対にカフェでオーダーする勇気がないお菓子です。
    食べるのが難しそうだし^^;。
    2024年08月26日 21:47
  • yk2

    あはは(^^。確かにミルフィーユは綺麗に食べるのが難しいからと、デートの時は食べない方が無難って、若かりし日には最大級に警戒してたのを、↑のいなちゃんのコメント読んで思い出しました(遠~~~い目)。

    ピカソが他の画家の作品を所有してるのって、生前から大いに評価されて絵も売れて裕福だったからですよねぇ。モディリアーニが主人公の映画『モディリアーニ 真実の愛』でも、他の洗濯船のメンバーたちが赤貧の暮らしを強いられる中、ただ一人ピカソだけが余裕が有って別格(ちょっと小憎らしいくらいに)に描かれてましたもんね。
    2024年08月27日 00:49
  • おと

    ミルフィーユ美味しそう~♪ 大好きです。緑色だからピスタチオクリームかなぁと想像を膨らましています^^場所が、2022年に泊まった小さなホテルのすぐ近くで、このあたりを歩いたなぁと懐かしいです。
    2024年08月27日 03:47
  • TaekoLovesParis

    Inatimyさん、クレラー・ミュラーのピエロ、見ました。これは一度見たら忘れなれないですよね!1923年だから、こちらのほうが先に描かれてますね。セヴェリーニは未来派に没頭したあと、20年代からはデ・キリコに倣いローマの古典を取り入れた新古典主義絵画を描き、この壁画ふうは28年の作品(本文にタイトル書き忘れ、加えました)、ローマの遺跡にピエロ、まさに、ですね。その後、時代がファシズム、第二次大戦となり、セヴェリーニは戦後、再び、未来派の作品に戻り、モザイク作家としても活動しました。原型のピエロの存在を教えて頂いてうれしかったです。

    ミルフィーユ、私は食べるのが優先なので、スタイルを気にしたことがなかったです。散ったパイかすもお皿の上で集めて食べてました(笑)
    2024年08月27日 08:34
  • TaekoLovesParis

    yk2さん、えっ、男のyk2さんも食べかたを気になさってた(驚)私の周りには、おしゃれな人が少なかったのね。そんな素敵な人とデートしたことがなかったわ。だから私も気にせず、食べたいものをバリバリでした。

    モディリアーニ、ジャンヌとの愛の映画、私も見ました。知ってる名前の画家たちが次々出てきて面白かったです。裕福で余裕のピカソでしたね。画商ヴォラールが早くから目をつけて、自分の画廊で20歳のピカソの初個展を開いてます。専属契約でお金を渡してたので、「ピカソは生涯、お金に不自由したことがないと今回買った本に書いてありました。ヴォラールの顧客はアメリカのバーンズコレクションのバーンズが抜きんでて筆頭でした。
    2024年08月27日 09:15
  • TaekoLovesParis

    おとさん、ピスタチオクリームです。たしかに写真を見ると、パリパリ過ぎる感じのミルフイーユですが、横にある瓶のキャラメルソースをかけて食べるので、ナイフで切っても飛び散りません。ソースはたっぷりありました。
    お泊りになったホテル、3区で近くでしたね。私はボージュ広場が好きなので、この辺りは古いパリの雰囲気があって好きです。
    2024年08月27日 10:52
  • TaekoLovesParis

    Inatimyさん、フランス語ではミルフォイユですものね。きちんと書いてくださってたのにに、私はつい日本ふうにミルフイーユと書いてしまいました。
    2024年08月27日 10:54