パリ国立近代美術館(ポンピドゥー・センター)で、「Bridging appearance」
20世紀のデザイナー17人の衣装作品と似てる絵を並べて見せる展示、題して、
アートとモードの対話展を見た。1月24日~4月22日
20世紀のデザイナー17人の衣装作品と似てる絵を並べて見せる展示、題して、
アートとモードの対話展を見た。1月24日~4月22日
入り口に飾られていたのは、ヴィクター&ロルフの1993年のコレクション。
肩の開いた膝丈ドレス。素材は白い帆布と木のフレーム。とても服には見えない。

肩の開いた膝丈ドレス。素材は白い帆布と木のフレーム。とても服には見えない。

1,最初の展示は、キルヒナーの絵「鏡の前の女性」。デザイナーはテベ・マググ。
テベ・マググは、南アフリカ出身で31才。26才でLVMH賞を受賞した。
エレガントなスタイルだが、南アフリカのツワナ民族の母と子が大きくプリントされ大胆。

テベ・マググは、南アフリカ出身で31才。26才でLVMH賞を受賞した。
エレガントなスタイルだが、南アフリカのツワナ民族の母と子が大きくプリントされ大胆。

2,サンローランが1969年秋冬オートクチュールコレクションで発表した衣装には、
マティスの『豪奢Ⅰ』が傍におかれた。20世紀を代表する巨匠同士の組み合わせ。
マティスの『豪奢Ⅰ』が傍におかれた。20世紀を代表する巨匠同士の組み合わせ。

3,日本のコムデギャルソンには、綺麗な色彩だが抽象のピカビアの絵だ。
コムデギャルソンの衣装は「ランドスケープ・オブ・シャドー」をテーマに発表された
モノクロを主とした2021-2022年秋冬コレクション。バルーンのような袖とパンツ、
黒いシルクハットも一緒。
ピカビアの絵は「ウドニー(若いアメリカの少女:ダンス)」
コムデギャルソンの衣装は「ランドスケープ・オブ・シャドー」をテーマに発表された
モノクロを主とした2021-2022年秋冬コレクション。バルーンのような袖とパンツ、
黒いシルクハットも一緒。
ピカビアの絵は「ウドニー(若いアメリカの少女:ダンス)」

4,ポピー・モレニはイタリア系で、黒地にマルチカラーの作品が多い。
1988-1989年秋冬コレクションからの衣装。ルオーの「道化師」とぴったり。
1988-1989年秋冬コレクションからの衣装。ルオーの「道化師」とぴったり。

5,もちろんシャネルも。衣装は1925年から1930年のオートクチュールのもので、
合わせる絵は、クリスチャン・シャド「サン・ジェノワ・ダノクール伯爵のパーティ」
1927年。こういうドレスが着られていた時代の一場面。

合わせる絵は、クリスチャン・シャド「サン・ジェノワ・ダノクール伯爵のパーティ」
1927年。こういうドレスが着られていた時代の一場面。

6,イッセイ・ミヤケの1989年秋冬コレクション「ミュータント・プリーツ」。
一緒に展示されているのは、アンス・アルトゥング「T 1956-14」
アンス・アルトゥングは、抽象表現の先駆者で作品名が年代を表している。
暗い色彩は、戦争を思わせる。

一緒に展示されているのは、アンス・アルトゥング「T 1956-14」
アンス・アルトゥングは、抽象表現の先駆者で作品名が年代を表している。
暗い色彩は、戦争を思わせる。

7,日本人同士の顔合わせもあった。ヨウジ・ヤマモトの1986年秋冬コレクションは、
黒のフロックコートに赤いバッスル。前衛芸術家「白髪一雄」の「地然星混世魔王」
と向かい合うように置かれていた。赤、黒の色合わせ。白髪一雄の作品は、アーティゾン
美術館の常設で展示されている。
黒のフロックコートに赤いバッスル。前衛芸術家「白髪一雄」の「地然星混世魔王」
と向かい合うように置かれていた。赤、黒の色合わせ。白髪一雄の作品は、アーティゾン
美術館の常設で展示されている。

8,最後の作品、出口の所にはディオール。1947年春夏オートクチュールのもの。
パリのモンテーニュ通りでメゾンを立ち上げた時の記念すべきコレクションである。
黒と白のパネルのような作品は、エルズワース・ケリーの「黒を超えた白Ⅲ」である。

一緒に行った友達は、元ファッション雑誌の編集者だったので、「シャネル、ディオール、
サンローランなんていう大御所の作品は、今、見てもいいわね。ランバンはあった?
ゴルティエあたりから、私は受け入れられなくなるの。今のデザイナーはもっとわからない」
と、絵のことを全く見てない。
私は画家を知っててもデザイナーを知らないので、両方を知ってるときは嬉しかった。
シャガール、ソニア・ドローネー、キリコ、マルセル・デュシャンの作品があったが、
知らないデザイナーとの組み合わせだった。
サンローランなんていう大御所の作品は、今、見てもいいわね。ランバンはあった?
ゴルティエあたりから、私は受け入れられなくなるの。今のデザイナーはもっとわからない」
と、絵のことを全く見てない。
私は画家を知っててもデザイナーを知らないので、両方を知ってるときは嬉しかった。
シャガール、ソニア・ドローネー、キリコ、マルセル・デュシャンの作品があったが、
知らないデザイナーとの組み合わせだった。
17人の中に日本人デザイナーが3名、画家1名がいたのが嬉しかった。
この記事へのコメント
よしあき・ギャラリー
angie17
絵に詳しくなくても、著名なデザイナーの服と一緒だと、
親近感を持って見られますね。
シャネル、ディオールはやはり美しいですね。
ヨウジヤマモトも素敵!
TaekoLovesParis
TaekoLovesParis
おと
サンローランとマティスの組み合わせも秀逸だし、シャネルも素敵。
ヨウジヤマモトもカッコいいですね!シャガールも気になります^^
Inatimy
記事の写真の中で印象に残ったのは、4のポピー・モレニとルオーの「道化師」の組み合わせ。ほんと、ピッタリ。服は黒に対するそれぞれの色の配分が絶妙だし。
でも、ちょっと着てみたいかも、と思ったのは、3のコムデギャルソンの衣装^^。マシュマロマンっぽい。
TaekoLovesParis
展覧会では、ヨウジヤマモトの服に合わせて選白髪一雄の絵に、「こんなに色合いが同じのをよく、見つけて来たわね。この人、日本で人気なの?」と感心していました。
TaekoLovesParis
一案最初の展示だったので、「これが洋服?」と驚いたら、友達は、「いつも人が驚くようなことをする人たちなのよ」と平然と答えたので、てっきりフランス人だと思ってました。だから気になって調べました。「ヨハン・フリーゾ王子の結婚式でお妃が着ていた大きなリボンのドレスのデザインをした」と書いてあったので、調べたら、王子が雪崩で亡くなったのにびっくりしました。
Inatimyさんが、着てみたいのが、白いマシュマロマン(ナイス、ネーミング)とは意外です。当然、最後のディオールを選ぶと思ったので。
次の記事でご紹介するのは、オランダのデザイナー、イリス ヴァン ヘルペンです。
engrid
TaekoLovesParis
coco030705
なんと面白い企画でしょう。さすが、フランスですね。
私は、コムデギャルソンの面白いドレスと、ピカビアの絵の組み合わせが好きです。若いころ、コムデギャルソンの服を買いました。細かい千鳥格子の細身のウールのワンピースに、レース(模様のない)のピエロえりのような大きな襟が付いていて、取り外しができるものでした。
このワンピースを着ていると、振り返ってみる人がいるので、恥ずかしくなって、取り外して着たりしてました。
ディオールのドレスは、品があって、白いジャケットと黒のスカートのたけがぴったり合って、バランスがよく、上品ですばらしいですね。絵もドレスも計算されつくしたバランスが美しいと思いました。
TaekoLovesParis
私もこの中で、ディオールのが一番好きです。
ふにゃいの
テーマで組み合わせているのか、色で組み合わせているのか
時代で組み合わせているのか…
そんなことを考えながら見るのが楽しそうなのと
組み合わせる人のセンスも試されそう。
TaekoLovesParis