オルセー美術館その2(2023年春)

前記事にものせたゴーギャンだが、展示のの入口には彫刻「オヴィリ」
が置かれてる。奥に見えるのは、「自画像」1893年
 ☆オヴィリについての説明は、コメント欄のcocoさんへの返事にあります。
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1,ロートレック
卓越したデッサン力で、一瞬の動きをとらえ、観察力で人物の内面性を
さらりと映し出す。写真のような生き生きした構図も特徴。
「手袋をはめた女性」1890年   カートン紙の上に油彩

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左がJustin Dieuhl 1891年 右がHenri Samary
左の女性がいる場所は、ロートレックの父の庭。服はロートレックがよく
使うブルーに紫のライン入りだが、スカーフが赤と補色効果。


2,ルノワール「大きな裸婦」1907年
後期の代表作。輝きを帯びた色彩。

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3,ルドン「Domecy男爵の城の内装、壁の装飾画」1901年
「ダイニングルームの壁を夢のような想像の花で埋め尽くしたい」と制作途中で
語ってたそうだ。。

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2つのパネルは対で、黄色い太陽が輝く右、銀色の月の左。

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4,点描画の5人。
4-1、スーラ「高潮のベッシン港」1888年
Port-en-Bessinは、ノルマンディにある小さな漁村。
夏にスーラはいつも風景画を描くために海岸に行っていた。
強い光が崖や崖へ続く道、水平線にあたり輝いているが、港には誰もいず、
見捨てられた海岸のようでメランコリック。

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4-2,シニャック「ジュヌヴィリエへの道」1883年
スーラに学んだシニャック。似ている色使い、画風。
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4-3シニャック「ラ・ロシェルの港への入港」1921年
点描画を開発したスーラは31歳で亡くなったため、シニャックが跡を継ぐ。
シニャックはスーラより明るいはっきりした色を使い、点も大きめ。
左側の建物がLa Tour de la Chaîne、右側がTour Saint-Nicolas de La Rochelle。41Signac_Port de L'Loche.jpg


 4-4,アンリ=エドモン・クロス「夕方の風」1893年
夕焼け色に染まった海辺。木立で休む女性たちが描かれている。
女性たちのポーズが、シャヴァンヌの『海辺の若い娘たち』に似ていると言われている。
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4-5,ジョルジュ・モレン「ハーモニー」(公園)1891年

ジョルジュ・モレンはベルギーの画家で、エミール・クラウスに絵を学ぶ。
1891年から93年までは、点描作品を制作した。

42Georges Morran_Al'harmonie.jpg


5,メアリ・カサット「庭の少女」1880年
少女は、かぎ針でレース編みをしている。当時、裕福な家庭の娘は、
自分で作ったレース編みの品、花瓶敷、テーブルクロスなどを持って
嫁いだ。自分自身も裕福だったカサットは、ブルジョワの日常生活を描いて
人気があったが、モデルだった姉を亡くしてからは、母と子を描くようになった。
Cassatt20188020Jeune20fille20au20jardin.jpg


6,ベルト・モリゾ「ブーローニュの森のベンチにて」
この緑色はモリゾがよく使う色合い。優雅でのどか。

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「穀物畑(ジェヌヴィリエの麦畑で)」 1875年
モリゾは23歳のとき、風景画でサロンに入選した。
その10年後の作品である。2019年にオルセーで開催された「ベルト・モリゾ展」
では、この絵が看板に使われた。ジェヌヴィリエは、パリ郊外で、この絵にある
ようにこの時代に都市化がすすみ、畑の向こうには家や工場が見えている。
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7,モネ
7-1,「ジベルニーでの舟遊び」1887年
深い緑色と服の白との対比が、水面に映ったとき、さらに美しい。
モデルは、オシュデ家の3姉妹。後ろの2人、シュザンヌとブランシュ
だけを描いたのが、西洋美術館の「舟遊び」である。
モネは晩年、戸外の人物像を描かなくなるので、これは最後の試みだろう。
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7-2「積みわら:夏の終わり、朝の光」1891年。
太陽の光を受けて刻々と変化する「積みわら」色彩を眺めながら、
モネは何枚もの絵を描いた。結果、約30点の「積みわら」を制作した。
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7-3,「ルーアン大聖堂」左は陽光、右は正面。
並べて展示してあった。これも何枚もあるはず。

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8、カイユボット「プチジュヌヴィリエの庭のひまわり」1885年
カイユボットは、1881年にセーヌ川のほとり、アルジャントゥイユの近く、
プチジュヌヴィリエに土地を購入し、移り住んだ。
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「屋根眺め(雪の効果)」1878年
カイユボットのアパルトマンはパリの中心地、高い所の部屋を持っていた
ので、そこから外を見下ろす図の絵をいくつか描いている。
54Caillebotte_tView de toits de neige.jpg



9,ジャン・ベロー「聖トリニテ教会のミサの後で」1890年
1890年のパリのようすがよくわかる絵。大人も子供も教会のミサには、
きちんとした服を着て行くので、服装を見るのも楽しい。華やかな時代のパリ。
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絵を見たい気持ちが先走り、写真は、記録程度でいいわと思ったら、この記事を書くのに、
絵のタイトルや制昨年の字がはっきり見えず、探すのに時間がかかりました。
次回は、ちゃんとタイトルを別に撮ってこないと。


この記事へのコメント

  • coco030705

    こんばんは。
    彫刻「オヴィリ」、かなり奇妙な感じがするのですが、何なのでしょう?

    ロートレックの絵、とてもいいですね。1枚目の絵が特に好きです。
    ルノワールは肌の色がすごくきれい。ルドン、好きです。大きな花束の絵は、三菱一号館美術館に展示でしたか?あれをまた観に行きたいと思います。
    風景画もとても美しいです。
    最後のベルト・モリゾの絵も好きです。どちらかがモリゾのお嬢さんなのでしょうね。彼女は評価が分かれる画家と聞きましたが、そうなのでしょうか。
    2023年03月17日 00:26
  • ナツパパ

    絵画初心者のわたしも知っている画がありますねえ。
    そういう絵の実物を見て歩くのはあこがれです。
    きっと発見もいろいろあるのだろうなあ。
    2023年03月17日 08:52
  • TaekoLovesParis

    cocoさん、「オヴィリ」はタヒチ語で「野蛮人」の意味。タヒチに渡ったゴーギャンは、タヒチの人や文化に心を寄せ、絵だけでなく木彫も制作しています。オヴィリは異様な目を見開き、オオカミ(犬)を足で踏みつけている。オオカミは人間の欲望であり、それを神オヴィリが踏みつけている。のちに、ゴーギャンは、『われわれはどこから来たのか、われわれは何者なのか、われわれはどこへ行くのか』を完成させる、その出発点が「オヴィリ」なのです。「オヴィリ」を自分の墓碑にしてほしいとの遺言だったので、部屋の入口に展示してあるのでしょう。

    三菱一号館のルドンの大きなスクリーンのような絵、独創的でいいですよね。
    あのイメージ、そのもののパネルでした。
    モリゾのお嬢さんジュリー・マネは絵で見る限り明るい茶色の長い髪でしたから、きっと手前でしょう。モリゾの評価は、私の周りは、モリゾ好きばかりなので、わかりません。
    2023年03月17日 11:16
  • TaekoLovesParis

    ナツパパさん、ルーヴル美術館は広すぎるので、私にはオルセーが丁度いい大きさです。カフェテリアで休憩をはさんで、ゆっくり見るのは大好きな時間です。
    時々、展示替えがあるので、見たことがない絵にも会え、楽しいです。
    2023年03月17日 11:26
  • coco030705

    Taekoさんへ
    再びお邪魔いたします。私の質問にお答えくださってありがとうございます。
    なるほど、「オヴィリ」のことよくわかりました。ゴーギャンお気に入りの木彫だったのですね。
    やはりルドンの大きな絵は、三菱一号館ですね。そろそろ東京の美術館にも行きたいなと思っています。
    2023年03月17日 22:05
  • TaekoLovesParis

    cocoさん、ゴーギャンは、人生の後半は、人間とは、と深く考え、それを作品に表していったようです。
    私も新幹線に乗りたいです。まずは、日帰りで、静岡県立美術館へ行こうと思ってます。次に連休の頃、京都、大阪方面も行きたいです。
    2023年03月18日 08:08
  • ふにゃいの

    ルドンいいですねぇ。
    特に好きってわけでもない画家ですが
    モチーフと色が好きな絵です。
    カイユボットの絵のような雪も好きですね。
    2023年03月18日 22:41
  • Inatimy

    ルドンって、一つ目の巨人とか、クモみたいなのとか、大きな目だけのものとか、奇妙なイメージがあって苦手なんですが、植物を描いたものって繊細だなと^^。壁の装飾画、色合いがとても綺麗で可愛い感じ。
    ジョルジュ・モレン「ハーモニー」は、ブルーをまとった後ろ姿の人が気になりますね。と思ってたら、Wikipedia(英語版)に'Le Renouveau" (1892)という絵を見つけ、正面からの人物らしき人を発見。
    9の画家は、ジャン・ベロー Jean Béraud (1848 - 1935)ですね。パリの聖トリニテ教会 Église de la Sainte-Trinitéに行ったことがあるんですが、教会の前には公園があって、この絵のような大きな道に直接は面してなかったし、建物の感じもなんだか違うから気になって見ていたのでした。
    2023年03月18日 23:29
  • engrid

    ルドンの絵にとても惹かれます、初めての出会いです、ダイニングルームをなんて、明るく色に溢れた壁に囲まれて、想像しています、どんな光が満ちるのかしらと
    2023年03月19日 00:51
  • TaekoLovesParis

    ふにゃいのさん、私もルドンの花は好きなのですが、目玉は一寸、ひいちゃいます。カイユボットの絵はモダンさがあって、私は大好きです。パリ郊外のカイユボットのお屋敷も行きました。絵が沢山描けそうな庭でした。
    2023年03月19日 10:09
  • yk2

    >モリゾの評価は、私の周りは、モリゾ好きばかりなので、わかりません。

    ふっふっふ、ひとりモニターの前で声に出して笑ってしまいました(^^。りゅうさんがその筆頭でしたかね?(笑)。

    cocoさんに横レスですが、印象派と呼ばれる画家の中で全く批判や非難を浴びなかった画家はおそらく一人も居ないと思いますよ。モリゾも勿論批判に晒されました。今でこそ印象派は偉大な芸術家グループとして認識されていますが当時はアヴァンギャルドなアナーキスト(サロンの定義を無視すると云う意味で)の集合体ですから(^^;。

    モリゾがどんな画家だったのか、どんな女性だったのかを山田五郎さんがyoutubeで楽しく解説されてます。ご興味がお有りでしたら以下参考までに。
    https://www.youtube.com/watch?v=0UAIr9a716Q&t=618s
    2023年03月19日 10:20
  • TaekoLovesParis

    Inatimyさん、ジャン・ベローですね。Béraudのeのアクセントを見落として読んだので、間違えました。ここでも教えてくださってありがとうございます。グランパレの「1900年パリ」という展覧会で見た「パリジェンヌ」という絵の女性と似た雰囲気と思いながら、調べなかったのですが、今、見たら、やはりジャン・ベローでした。

    ジョルジュ・モレン「ハーモニー」の女性の服のふくらんだシルエットが不自然で私も気になってました。”Le Renouveau"を見てわかりました。赤ちゃんを抱いていたのですね。いろいろなことに気づかせてくださって楽しいです。

    ルドン、私も目玉とかクモは苦手ですが、花はいいですね。特にこのオレンジ系の花は、部屋が明るくなるから、ダイニングルームにはぴったりですね。
    2023年03月19日 10:21
  • TaekoLovesParis

    engridさん、ルドンは神秘的だったり、夢追いの幻想的だったり、時にグロテスクだったりもします。だから、私は、好きとは言い切れないのだけど、ここの花のパネルは明るくていいですよね。ダイニングをこういう壁画で飾るというアイディアもいいですね。東京駅すぐの三菱一号館には、ルドンの「グランブーケ」という大きなスクリーンのような作品があって、綺麗です。
    2023年03月19日 10:28
  • yk2

    連投失礼致します(^^ゞ。
    taekoねーさん、カイユボットの別荘まで行かれたんでしたね~。羨ましい。

    >絵が沢山描けそうな庭でした

    お、じゃあtaeko画伯もゴッホの『ドービニーの庭』向こうを張って、『カイユボットの庭』ってタイトルで1枚描かれますか?。ゴッホはその絵の中にクロネコを1匹描き込んでいますが、taekoねーさんは替わりにライオンがガゼル辺りにガブッとやってるトコなどさらり入れると、ついでにルソーの『ライオンの食事』へのオマージュも同時に込められて更に素敵かも~(笑)。
    2023年03月19日 10:45
  • おと

    あぁ、見たなぁ、と覚えている絵画がいくつもあって、とても楽しいです^^
    ありがとうございます♪
    2023年03月19日 19:30
  • moz

    オルセーは行ったことがないんです。^^;
    死ぬまでに一度は行ってみたい場所、美術館の一つです !!
    前記事のゴッホは、やはりその場所で見たいし、他の名画たちも自分の家にいる姿を見てみたい。 ^^v
    「ラ・ロシェルの港への入港」気に入りました。不思議な感じのする絵ですね。
    それと、カイユボットの2枚も。カイユボットって写真家の目ですよね ^^
    2023年03月26日 14:56
  • coco030705

    Taekoさんへ
    こんばんは。再びお邪魔いたします。
    yk2様が、私の疑問に応えてくださっているコメントがあったこと、今日気が付きました。大変失礼いたしました。
    早速、山田五郎さんの「ベルト・モリゾ」解説をみせていただきましたが、久しぶりに大いに笑わせていただいた次第です。山田さんって、TVの美術番組でも拝見していますが、本当に知識が豊富で、面白い方ですね。
    ベルト・モリゾご本人も、お嬢さんのジュリーちゃんも、名だたるアーティストに愛され可愛がられたのですね。すばらしい!しかし、当時は印象派は、アヴァンギャルドな画家たちの集まりだったのですね。勉強になりました。
    これからも、山田五郎さんのyoutubeを時々見てみます。
    楽しいレスをありがとうございました。
    2023年04月05日 00:12
  • TaekoLovesParis

    cocoさん、お返事が遅くてすみません。
    yk2さんがおすすめの「山田五郎の大人の教養講座」は、私も時々見て、知識を得てます。語りかけるような平易な解説なので記憶に残りやすいです。
    2023年04月08日 13:24
  • TaekoLovesParis

    yk2さん、山田五郎のサイトの紹介、ありがとうございました。
    オルセー美術館の書籍売り場に、日本語訳は絶版という「ジュリー・マネの日記」平積みで売っていました。A4判でかなり厚い本でした。次回の展覧会が「マネ、ドガ」だからでしょうね。
    カイユボットの庭師が手入れする整った美しい花畑中心の庭にライオンは似合わないですよ。幻想の世界だとしても、ね。
    2023年04月08日 13:33
  • TaekoLovesParis

    mozさん、オルセーには、ぜひぜひいらしてほしいです。
    シニャック「ラ・ロシェル、、」波が渦巻いてるんですよね。そして呼応するかのように雲も渦巻いて。シニャックは大きな点描と明るい色づかいが、小さな点描と落ち着いた色彩の先輩スーラ違うところです。木々のピンクが桜の花盛りのようで美しいですね。
    カイユボット、たしかに写真家の目ですね。オルセーに初めて行った高校生に何の絵が印象に残った?ときいたら、「床にかんなをかけるを人」という答えでした。
    2023年04月08日 13:44