前記事「泉屋博古館」のあと、京都国立近代美術館に行った。
京セラ美術館に行きたかったが、展示替え休館中だったので、ここにした。
写真を撮り忘れたので、美術館のサイトからお借りしました。
京セラ美術館に行きたかったが、展示替え休館中だったので、ここにした。
写真を撮り忘れたので、美術館のサイトからお借りしました。

右側に見えるのが、平安神宮の赤い大きな鳥居。手前は琵琶湖疏水。
もともと明治時代に内国勧業博覧会の会場として整備された場所で今は岡崎公園と
なっている。公園の中にこの近代美術館と京セラ美術館、動物園、モダンなシアターも
あり、開放的な芝生部分では人々がゆっくりと足を延ばしていた。
もともと明治時代に内国勧業博覧会の会場として整備された場所で今は岡崎公園と
なっている。公園の中にこの近代美術館と京セラ美術館、動物園、モダンなシアターも
あり、開放的な芝生部分では人々がゆっくりと足を延ばしていた。
建物は、鳥居より高くしてはいけないという制約のもと、建築家・槙文彦による設計で、
外壁はポルトガル産の花崗岩のグリッドでグレーだが、中は、白い大理石の空間。
階段の上はガラス張りで、光が入り、ロビーは明るい。
階段の手すりが、鉄とガラスの組み合わせという近代建築の素材で、階段室の柱が
朱色やグレーなのは、モンドリアンを意識し、近代美術館にふさわしいものにという
設計者のコンセプトとのことだ。
常設展示室から見た。
掛け軸が並んでいるのが、京都らしい。
写真撮影可の掛け軸は、左から
●竹内栖鳳「遅日」大正7年(1918年)籠の上にとまっているカラスの姿がくっきりと
描かれ、色違いの2つの籠が軽快な感じ。表装との釣り合いが美しい。
動物画が得意な栖鳳。「斑猫」が代表作で重要文化財になっている。
●浅井忠「雪中馬」明治39年(1906年)雪の中、尻尾ももも強い風にあおられ、立ち往生
しているかのような馬。墨の筆遣いだけで表された馬の毛並み、脚、目、鼻。地味な作品
だが、見入ってしまう。
●福田平八郎「兎」大正5年(1916年)
初期、写実の時代の作品。兎の配置がリズミカル。中央の兎の他は、眠ったような目で
描かれ、脇役に徹してるかのようだ。

次に企画展「発見された日本の風景 美しかりし明治への旅」を見た。


幕末から明治にかけて大勢の外国人画家たちが日本を訪れ、日本の美しい風景や珍しい風俗を描き、それを故郷への土産にしました。日本人画家たちはその影響を受け、その画技を学びながら、外国人に見せたい日本の風景や風俗を描いてはそれを外国人に土産として販売し、あるいは留学先で販売して資金にしました。こうして明治の日本を表現した油彩画や水彩画は永らく海外で愛好されてきました。本展覧会では、そのような作品を海外で収集し、帰国させた個人蔵の明治絵画コレクションをごらんいただきます。(美術館のサイトより)
この説明書きとチラシの絵に惹かれて、こういう展覧会は京都ならでは、と思い、
見に行った。明治時代の東京・上野不忍池、堀切菖蒲園、江の島、横浜、日光東照宮、
富士山、伊豆な、清水寺など、知ってる場所に興味を感じて見た。作家もヘレン・ハント、
五姓田義松、川村清雄、吉田博、吉田ふじを、ジョルジュ・ビゴー、チャールズ・ワーグマン
など、横浜美術館の「開港展」などで知った人たちの名もあったが、作品数が多く、
似たようなものも多いので疲れた。個人蔵のコレクションなので、同じ画家の作品が
続くと飽きる。
どんな絵があったのかは、出品リストを参照。
河合寛次郎の陶芸コレクションもあったが、点数が思ったほど多くなかった。
見終わったら、ライトアップが始まっていて綺麗だった。
美術館のガラス越しに撮った写真なので写りが悪いが、こんな感じ。
駆け足だったが、久しぶりの美術館行きで楽しかった。
この記事へのコメント
りゅう
真似っこしようかな。(^^)v
TaekoLovesParis
yk2
細見に清水三年坂、先日のお話にあった泉屋博古館だとか、今回名前の出されている河井寛次郎の記念館も在るし、京都駅の東側エリアには行きたい美術館やら若冲や等伯に縁のある建仁寺(※だいぶ前にtaekoねーさんにご紹介して頂き展覧会を観た小泉淳作の竜の天井画もここですね^^)やら、美術工芸好きなら行ってみたいところがたくさん!。今回の近代美術館もその一角ですよね。2、3泊しないと観きれない?。こう云う自分の趣味だけを満たす旅って、絶対、誰のことも気にしないで済むよう、一人旅じゃないとダメでしょうねえ(^^;。
coco030705
京都国立近代美術館は、常設展がかなり充実していると思います。Taekoさんの撮影されている掛け軸、いいものばかりですね。
最後のお写真、すごくきれいです。私もお昼間は、平安神宮の大鳥居が間近に見えてすばらしいと思っていました。でも夜は知りませんでした。
短いご旅行でしたが、いいものをご覧になれてよかったですね。
美術展、なかなか行けなかったのですが、9月に「あべのハルカス美術館」の「ポーラ美術館コレクション展」には行きました。とても充実したいい展覧会でした。以前、東京から1日バス旅行でポーラ美術館へ行きました。そのとき観た作品が、今回かなりたくさん来ていて、まだ宣言中にもかかわらず、多くの人が訪れていました。また箱根のポーラ美術館へ行きたいです。
先日、ようやく子供図書室活動が再開され、ストーリーテリングの勉強会が来月から再スタートします。なんだか気持ちが明るくなってきました。このところ、このまま何もなかったら自分はどうなるのだろうと考えこんだりしていたので、本当に救われました。ぼちぼちですが、おはなし会のため各図書館へ行く機会もありそうです。
TaekoLovesParis
大阪から近い京都なので、京都国立近代美術館をご存知でしたか。岡崎公園自体が落ち着いていて良さそうな「市民の憩いの場所」という感じでした。
掛け軸も近代のほうが、いまの感覚に近くて、親しみやすいですね。そのうえ、痛んでないから見やすくていいです。
ポーラ美術館コレクション展」は、巡回で今、渋谷の東急Bunkamura 美術館に来ています。頂いたチケットがあるので行く予定にしています。箱根のポーラは、建物も明るくてすてきですよね。
ようやく、コロナ前の日常が戻ってきましたね。打ち込めるやり甲斐のある仕事があるのはいいことです。体に気をつけて、長く続けられるようがんばってくださいね。
Inatimy
最後の写真のライトアップは鳥居による位置関係からすると、その京セラ美術館ですね。
京都国立近代美術館もかなりご無沙汰してます。過去一時帰国した時に「ルノワール+ルノワール展」をここで見たんですよ・・・って、もう13年前の話。ほんとなら2019年の春の一時帰国で、この美術館で「チェコ・デザイン100年の旅」を観るつもりだったのにコロナで帰れなくなってしまって。
企画展のサイトものぞいてきました。気になった絵は、ウォルター・ティンデルの「ユダの木と清水寺」。ユダの木といえば、ハナズオウ(花蘇芳)。あの位置にハナズオウがあったなんて・・・知らなかった^^;。今でもあるのかなぁ。
coco030705
温かいお言葉、ありがとうございます♪(=^・^=)
TaekoLovesParis
キラキラして建物の姿がはっきり見えないので、わからなかったけど、これが市美術館なんですか。目の前なんですね。「ルノワール+ルノワール展」はもう13年前になるとは、月日の経つのが速いです。
「ユダの木と清水寺」の絵は覚えてます。ユダの木って「ハナズオウ」のことなんですか。ハナズオウはyk2さんのサイトで2回くらい紹介されたので、覚えた花ですが、蕾の写真だったので、咲くとこんなに一面ピンクになるとは。きれいですね。清水の舞台の下、木が生い茂っていたようなという曖昧な記憶だけなので、yk2さんが京都旅をなさる時に「特派員」として見て頂きましょう。私はハナズオウもよくわからないので。
TaekoLovesParis
ひとり旅の気楽さだったら、Inatimyさんのために「特派員」として清水寺の舞台下のハナズオウが今もあるか見て来てください。
yk2
『ユダの木と清水寺』の絵を見てみましたが、あの絵の花の木、そもそもハナズオウには見えないです(^^;。ハナズオウは木の幹に小指の先くらいの豆みたいな花、それももっと紫がかった鮮やかなピンクの綺麗な花をつけます。花が咲いた後に葉が出るので、開花時期は木の枝全部がその色で染まります。ウォルター・ティンデルの絵の花は何だか桜のような、でも葉が着いているからソメイヨシノでもない様な・・・。加えて、ちょっと調べてみましたが、画家が清水寺を訪ねたのは6月だったと云う話もあるようですよ。ハナズオウは例えば横浜ではサトザクラ(ヤエザクラ)と同じ頃、4月半ば頃に咲く花ですから、時期的にもちょっと合わないのかも。
また、現在の同じ位置からの眺めに言及しているサイトもありましたが、当時より木々が大きく生長して繁茂しているので、今もまだハナズオウの木がそこに在るのか、判断が難しいそうです。こうなると特派員では無く、崖下の森への探検隊を組まないと調査はムリでしょう(^^ゞ。
ハナズオウが「ユダの木」と呼ばれる所以はイスカリオテのユダが悔恨の念に堪えきれず首を吊ったのに使われた・・・ってハナシなんですね。それを知ってしまうと、この絵のタイトルは「裏切り者が首を吊った木と異教の寺」みたいなニュアンスにもとれて、何だかな~~~な気もします。
Inatimy
TaekoLovesParis
丸投げ、その通りです。手も足も出ない時は、他のかたにお願いするのが賢明かと判断しました。他のかた=yk2さんなんですけどね。
ユダの木の由来を読んでびっくりです。伝統ある清水の舞台の眼下に見える1本の木は、ピンクの花の美しさも相まって、衆目を集めたことでしょうね。
けれども、お寺側からみれば、キリスト教に因縁の木。違和感ありますよね。
それを面白いと思ってウォルター・ティンデルは絵筆をとったのかしら。
私も、もう一度、絵を見てみました。たしかに、桜のようですね。Inatimyさんの調査でも、yk2さんの調査でも、書かれた時期は6月。つまり、「ユダの木」(ハナズオウ)は6月に咲く。美術館の主任研究員のかたは、「謎がのこる」と結論づけ、6月に4月に見たものを思い出して描いたのかもしれないと、推測していました。
Inatimyさん、2時間の動画、youtubeで見ました。yk2さん、これ、なかなか興味深いですよ。展覧会の全貌がわかります。昔の堀切菖蒲園も出ています。
youtubeを開いたので、きょうはショパンコンクールの発表で2位になった反田恭平のファイナルと角野隼人の3次予選を聴いて遅い時間になりました。
最後に:yk2さんの京都旅、実現してほしいですよね。写真もいっぱい撮ってほしいなぁ。