
リージョン・オブ・オーナー美術館は、サンフランシスコの高台、ゴールデン・ゲイトブリッジの近くにある。
海が見渡せる風光明媚な場所に、1924年、フランスの宮殿、Palais de la Legion d'Honour
(レジオンドヌール)を真似て造られた。
入ってすぐ中央の広場に、ロダンの「考える人」がある。
所蔵品は、ヨーロッパのバロックから印象派まで、作品数は多くないが、各時代の代表的な作品
を揃えているので、美術の歴史のように眺めることができる。
海が見渡せる風光明媚な場所に、1924年、フランスの宮殿、Palais de la Legion d'Honour
(レジオンドヌール)を真似て造られた。
入ってすぐ中央の広場に、ロダンの「考える人」がある。
所蔵品は、ヨーロッパのバロックから印象派まで、作品数は多くないが、各時代の代表的な作品
を揃えているので、美術の歴史のように眺めることができる。
(Ⅰ)17世紀
バロックの代表格ルーベンスの「ルーベンスの初期作品」展をやっていた。
左は、「ソドムを去るロトとその家族」1618年頃 中央「ライオンの穴の中のダニエル」1615年

左の絵を見て驚いた。西洋美術館の常設に同じものがあり、長らくルーベンスまたは工房作とされてたが、
西洋美術館が1993年に綿密な調査を行ったところ、衣服の色彩の特徴などから、同時代のヤーコブ・
ヨルダーンスがルーベンスの構図をもとに描いた作品と推定されたのである。
だから、これが、本物のルーベンスね、と思って眺めた。
中央の「ライオンの穴の中のダニエル」、有名な絵だが、ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵。
左は、「ソドムを去るロトとその家族」1618年頃 中央「ライオンの穴の中のダニエル」1615年

左の絵を見て驚いた。西洋美術館の常設に同じものがあり、長らくルーベンスまたは工房作とされてたが、
西洋美術館が1993年に綿密な調査を行ったところ、衣服の色彩の特徴などから、同時代のヤーコブ・
ヨルダーンスがルーベンスの構図をもとに描いた作品と推定されたのである。
だから、これが、本物のルーベンスね、と思って眺めた。
中央の「ライオンの穴の中のダニエル」、有名な絵だが、ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵。
ヤーコブ・ヨルダーンスの「聖家族」1614年(左)もあった。
バロックの時代、アントワープのルーベンスと並んで有名だったのは、オランダのレンブラント。
"Portrait of Joris de Caullery"(右)Joris de Caulleryは、ハーグの市警団のメンバーだったそう。

バロックの時代、アントワープのルーベンスと並んで有名だったのは、オランダのレンブラント。
"Portrait of Joris de Caullery"(右)Joris de Caulleryは、ハーグの市警団のメンバーだったそう。

ルーベンスと同時代、アントワープで活躍した後、英国に渡り、貴族の肖像画をたくさん描いたのは、
ファンダイク。「ある夫人の肖像」1620年
ファンダイク。「ある夫人の肖像」1620年

オランダのPieter Clasezの「静物画」1647年


ジョルジュ・ラトゥールの Old Woman 1618年
ラトゥール初期の作品。スカートの絹の光沢は、光と影の画家ラトゥールならでは。
背景が中央から2色に分かれているのも面白い。

ラトゥール初期の作品。スカートの絹の光沢は、光と影の画家ラトゥールならでは。
背景が中央から2色に分かれているのも面白い。

フランス人だが、ローマで大半を過ごし、ローマの景色に理想郷を見出したクロード・ロラン。
「夕暮れのティボリの眺め」1642年 古い廃墟、滝があるティボリ、ロランが好きな夕焼け。
「夕暮れのティボリの眺め」1642年 古い廃墟、滝があるティボリ、ロランが好きな夕焼け。

(Ⅱ)18世紀
パリがヨーロッパの美術の中心地になった。バロックは衰え、風俗画、静物画が人気となった。
ワトー「4人組」1713年
背中を向けてる白い服の男はピエロ、逆端はメズタン(イタリア喜劇の定番)女性2人の計4人組。
さて、これから何が始まるのか。音楽と芸術の楽園アルカディアを思い起こさせる。

フランスでは、優美な女性像のロココが人気となった。
ブーシェ「Competitions of Diana」 1745年
狩りの女神ダイアナが、狩りの道具を横に置いたまま疲れて眠っていると、もう一人の
女性が、羽根でダイアナの顔をなで、いたずらをしているところ。
パリがヨーロッパの美術の中心地になった。バロックは衰え、風俗画、静物画が人気となった。
ワトー「4人組」1713年
背中を向けてる白い服の男はピエロ、逆端はメズタン(イタリア喜劇の定番)女性2人の計4人組。
さて、これから何が始まるのか。音楽と芸術の楽園アルカディアを思い起こさせる。

フランスでは、優美な女性像のロココが人気となった。
ブーシェ「Competitions of Diana」 1745年
狩りの女神ダイアナが、狩りの道具を横に置いたまま疲れて眠っていると、もう一人の
女性が、羽根でダイアナの顔をなで、いたずらをしているところ。

英国では、優美な肖像画が人気だった。
ジョシュア・レーノルズ「Anne,Townshend子爵夫人」

イタリアのティエポロ「The Empire of Flora 花の神フローラの帝国」 1743年
ロココ調。背後には、ネプチューン(ローマ神話海神)の噴水が描かれている。

ロココ調。背後には、ネプチューン(ローマ神話海神)の噴水が描かれている。

19世紀の絵は、次回に。
この記事へのコメント
バニラ
高台にそびえているのが似つかわしいすてきな美術館ですね。
coco030705
絵画、すばらしいですね。ルーベンス、本当に美しいです。レンブラントの肖像画も人物が浮き上がっていてきれい。Clasezの「静物画」好きな絵です。
プーシェのダイアナ、素敵ですね。
angie17
宮殿を真似て造られたのですね!
なるほど~。
建造物が好きな人にも、良いですね。
TaekoLovesParis
▲バニラさん、サンフランシスコは近代美術館が有名なので、そちらに行きたかったのですが、私が着いた日は休みの日でした。ちゃんと調べてた友達は、前日にシスコに入って、ゆっくりと見学。とっても良かったと、写真を見せてくれました。私もここで撮った絵の写真を見せ、夜、お互いに「ワインが好きなのは知ってたけど、絵も好きだったのね」楽しい時間でした。
▲cocoさん、この建物の元となった「レジオンドヌール宮」は、オルセー美術館に隣接していて、最近、見学可になったそうです。レジオンドヌール宮はナポレオンが持っていて、有名なレジオンドヌール勲章の由来となっています。レジオンドヌールの英語訳がLegion of Honorなのです。
ルーベンスは、企画展をやっていたので、全米から借りてきたものがいくつもありました。cocoさんがお好きな絵は、どれも私も好きな絵です。
▲angieさん、どこかで見覚えのある建物、と思ったら、オルセー美術館の目の前にあるぶん。内部が見学可になったそうなので、今度、パリに行った時に見に行きます。豪華とのことなので。
アメリカには宮殿がないので、憧れがあるようです。
moz
ルーベンス、すごいです!!
フランスの宮殿というか、寺院の様な重厚な建物もすごいなぁと思います。^^
TaekoLovesParis
Inatimy
まさかのオルセー美術館の隣・・・全然気づかなかったです^^;。
パリにいたのに勿体無いことしたなぁ・・・。
レンブラントの肖像画のタイトルは"Portrait of Joris de Caullery"です^^。
その肖像画の人はハーグの市警団のメンバーだったそう。
この中でもらえるならPieter Claeszの静物画。グラスにはビール? 魚はニシンかな、
その奥のパンみたいなの、どんな味なんだろうなぁと想像が楽しく♪
TaekoLovesParis
Pieter Claeszの静物画、これを見たとき、Inatimyさんがレーマーグラスをお好きだと書いてらしたのを思い出しました。古い時代の静物画は落ち着きますね。