千葉県立美術館

10連休中に、千葉の方へドライブに行った。
やはり、かなり渋滞だったので、遠くに行くのはあきらめて、千葉駅からさほど遠くない
県立美術館に行った。

広い敷地に平屋の建物。緑が多く気持ちがいい。
入口には、千葉県出身の浅井忠の銅像があった。画家なので、パレットと絵筆を持つ像。

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庭に彫刻が配置されているのが、建物の中から見える。
遠くて、形がはっきりしないのだけど、緑の中で白が清々しい。

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カフェもあった。美術館自体が、がら空きだったので、お茶の時間でもカフェは私たちだけ。
全面ガラスで庭が見渡せる。手前に大きな桜の木。今は向こうにツツジが満開だった。


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展示室は5つか6つ、もっとかしら、、。

第一室は、企画展「富取風堂」展だった。
富取風堂は、昭和期の日本画家。日本橋に生まれるが、後に千葉県に移り住んだ。
今村紫紅、速水御舟らと「赤曜会」を結成し新しい芸術をめざした。
自然を主題として描いたものが多い。
「葛西風景」1937年 江戸川区の葛西。中川が真ん中を通る。木の大胆な感じが
今村紫紅を思わせる。
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「漁港の朝」1950年 「鯛の浦」港で釣れた鯛と桟橋や漁船。
それぞれが異なった視点から描かれていて面白い。
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「親子猿」1964年。キュート!
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第二室は、浅井忠の所蔵品展
会期ごとにテーマを決めて、展示している。
今期のテーマは「油彩画、水彩画」
最初は、コローの「フォンテンブローの風景」、次がファンタネージ作品2つ。

それから浅井の「藁屋根」1887年     「漁婦」1897年

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ほぼ年代順の展示でわかりやすい。
「フォンテンブローの森」 1901年

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あまり大きい絵はなく、小品で揃えられていた。


第三室も企画展で屏風絵特集だった。

庭にいくつも彫刻が展示されているが、彫刻専用の展示室もあった。
ブールデルの「聖母子」1921年。
ブールデルの彫刻は等身大より一回り大きく威圧感があるが、単純化された線の
優しい流れが、聖母子の神々しさ、優美さを表現していた。

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柳原義達のカラス、佐藤忠良の作品もあったが、千葉県出身の彫刻家の作品が多いのが
特徴だろう。


これらの展覧会は、7月7日まで開催されている。
緑の中でゆっくりくつろげる美術館だった。


この記事へのコメント

  • 初夏(はつか)

    空が広くて緑がいっぱい。
    心が解放されそうなロケーションですね^^
    「漁港の朝」、なんかいいなぁ。
    この感じ、好きです♡
    2019年05月11日 09:55
  • yk2

    千葉県立美術館。ずっと前に行ったよなぁ~と思って自分の過去記事調べてみたら、2011年1月に千葉市美術館でやったギッターコレクション展のついでに足を延ばしてみた事がありました。常設に『浅井忠・フォンタネージとバルビゾン派』って展示があると知って、地元(佐倉)出身である浅井忠関連で、それまで僕が画集などでも未だ見た事の無い様な絵が在れば・・・と思い出向いたのですが、この銅像以外ほとんど空振りだったとの記述が・・・(^^;。

    僕が行った日は日曜日の午後だったのに、広~~~い体育館の様な館内には来館者を両手の指で数えて足りそうな程しかいなくて、これで経営大丈夫なのかな?(^^;と、ついお節介な心配をしてしまう程でしたが、人入ってました? 。
    2019年05月11日 10:30
  • TaekoLovesParis

    nice&コメントありがとうございます。
    ▲初夏さん、千葉県って神奈川と違って、山が少ないんですよ。だから、広々とした感じなんだと思います。(って、最近気づいたんんですけど)
    「漁港の朝」は、鯛がやたらと大きいし、魚籠の中に入れておかなかったら、鯛がはねて水に戻っちゃうかも。じっくり見ると、現実ばなれしてて面白いですね。

    ▲yk2さん、過去記事で探してみました。2011年、ずいぶん前だけど、浅井忠の銅像の写真が出てきたので、「あらっ」と親しみを感じました。
    私も最終日にギッターコレクション展、行ったけど、記事にしてないんです。千葉市美と千葉県美は、車なら近いけれど、電車だとアクセス、悪いんですね。
    私もyk2さんに同じく、浅井忠の銅像があるほどなので、作品もたくさんあるのかなと期待したのですが、小品ばかりでした。建物にお金がかかって、所蔵品を揃えるお金がなくなったのかしら、と思ってしまいました。

    連休中だというのに、ガラ空きで、係の人の方が多いほどでした。県立だから維持できているのでしょう。企画展で、千葉県出身の人の作品展をするのはいいことですね。
    2019年05月13日 00:13
  • coco030705

    新緑とツツジが美しいですね。千葉は、空気がよさそうです。
    1枚目の絵が好きです。構図が珍しいと思いました。富取風堂は全然知らない画家ですが、いいですね。

    今日、大阪天王寺美術館の「フェルメール展」が最終日だったので、行って来ました。ほんとに行ってよかったです。すごい混みようでしたが、本物でないと味わえない、魅力を感じることができました。他のオランダ絵画もとてもいい作品ばかりで楽しめました。肖像画を観て「チューリップ・フィーバー」を思い出しました。なんでも本物をみなくちゃいけませんね。
    2019年05月13日 00:43
  • Inatimy

    最近物覚えがますます悪く、記事に出てきた名前を検索しつつ読んでました^^;。
    速水御舟、焚き火の上に蛾が集まってる「炎舞」の絵の画家さんでしたね、以前、
    Taekoさんの記事で見た覚えが。そして、富取風堂の、白っぽいのに顔が黒の「親子猿」の猿の種類が気になり、ハヌマンラングールかなぁ・・・と調べてたら余計にコメントが遅くなって・・・。
    浅井忠も、名前は覚えがあるものの、油彩画、水彩画はピンと来なかったので、どうしてだろうと調べてたら、頭の中にあったのは「黙語図案集」。このイメージが強かったのでした。オランダの日本の版画のミュージアムで買った作品集でちらっと見たもの。
    いつも、Taekoさんの記事でいい刺激いただいてます^^。
    2019年05月13日 20:27
  • TaekoLovesParis

    nice&コメントありがとうございます。
    ▲cocoさん、1枚目の絵、1937年って昭和12年、そのころの東京はかなり田舎だったのだなーと思えるゆったりとした素朴な風景ですね。木の幹のうねり、風になびく葉がモダンな感じがして、私もいいなと思いました。

    フェルメール展は、東京と同じく、大阪も大盛況で、50万人越えの入場者だったそうですね。絵の具の塗りの厚さ、薄さの加減は、本物でないとわからないですね。絵の大きさも、意外と小さかったりと本物でないと、ピンときませんね。「チューリップ・フィーバー」は、時代背景をちゃんと考えて作られてて、興味深い映画でした。チューリップの球根が高い値段っていうのが、ピンと7来ないけど、当時は貴重品だったから、でしょうね。
    2019年05月14日 23:17
  • moz

    GW をこういう過ごし方も良いですね。
    都内の美術館はどこも混雑だったのでしょうが、郷土の画家の作品を集めた美術館でそれら作品を楽しんで、貸し切りの? カフェでその感想をゆっくりとお話して… ♪
    素敵なお休みの過ごし方だと思います。
    じぶんも出張の時で時間がある時は地元の美術館に行きますが、それぞれ特色があって、それぞれの独特な時間を楽し目る時間です。
    富取風堂は知りませんでしたが、クモザル? 本当にキュートな作品ですね ^^v
    2019年05月15日 06:24
  • TaekoLovesParis

    Inatimyさん、速水御舟、文字からは、私もすぐ忘れるけど、友達と、「はやみぎょしゅう の 炎の舞、蛾が火の上を飛んでるぶん」なんて実際に話すと記憶に残ります。
    ハヌマンラングール、ずいぶん難しい名前の猿だったんですね。調べてくださってありがとうございます。私も「猿の種類」で画像を見てみたら、吹き出しちゃうようなの、いますね^^・
    浅井忠の、、yk2さんの「大津絵風藤娘」という記事に覚えがあったのではないかしら。
    2019年05月15日 23:37
  • TaekoLovesParis

    mozさん、地方の美術館が郷土出身の画家の作品を持つのは、当然のことですよね。応援してあげないと。私も今回、千葉に行ったおかげで、富取風堂を覚えました。出張があると、列車に乗れるし、美術館に行けるかもしれないし、土地のものが食べられるし、いいなって記事をみています。
    2019年05月16日 00:29