根津美術館で開催中の「根津青山の至宝」展に行った。
根津美術館は、東武鉄道の社長であり実業家であった初代根津嘉一郎氏の
邸宅跡に作られた氏のコレクションを展示するための美術館。
今回の展覧会は、お茶道具が中心。
根津氏は号を「青山」といい、財界人たちと茶会を楽しんだ。当時の財界人たちは、
茶会で仕事のこと、趣味のことなどを語らった。そんな当時の茶会の様子を
8ミリ映写機で映していた。
根津氏のコレクションは、「書」から始まったので、第一室に、書。別部屋には、
奈良時代の古いお経の「写経」がずらりと並び、いずれも国宝や重文。
「書」は、読めないので、きれいなきちんとした字だなぁというだけで。。
いつになったら読めるのか。
国宝「那智の滝図」鎌倉時代、13~14世紀。
縦長の画面を使って、崖から流れ落ちる滝の全景を描いている。
滝の水の白さが神々しい。
国宝「鶉図」 伝 李安忠 南宋時代 12~13世紀
うちわのような形の茶色の画面(絹本)。赤い実のなったクコの脇に1羽の鶉がたたずむ。
羽根が明瞭に描かれ、胸の毛の白さが目立つ。かなり太っている鶉。宋代花鳥画の名品
として、足利将軍家の所蔵であった。
室町時代15世紀の「花白河蒔絵硯箱」
満開の桜の下に公達を描き、幹に花・白・河の隠し文字が描かれている。
これも足利将軍家の所蔵であった。
重文:雨漏茶碗、朝鮮時代 16世紀
使っているうちに釉に滲みが現れたので、雨漏りにたとえて名付けられたそうだ。
いびつな危うさ、しかし美しい、それゆえ珍重されたのだろうか。
重文:「青井戸茶碗 銘 柴田」 朝鮮時代 16世紀
青井戸とは、釉が青色がかったものをさすのだが、実際は青くないものも多い。
織田信長から柴田勝家が拝領したことから、「柴田」の銘がある。
中央に見える「かすがい」は、ひび割れを修理した金継ぎ。
根津美術館は、お茶室が点在するお庭が日本情緒豊かなので、外人に喜ばれる。
この日も大勢の観光客がいた。
まだ紅葉が始まっていなかったが、もう2週間もすれば、緑の葉も色づき、日本庭園
の趣もさらなり、だろう。
この記事へのコメント
Inatimy
心惹かれたのは、最後の写真の茶入と仕覆。
仕覆に用いられた布の模様も様々で、持ち主の好みが伺えますね。
しかし、どうやって結んでるんだろう・・・^^;。
TaekoLovesParis
Inatimyさん、さすが、紐の結び方に注目ですね。花結びかしら?結び方、いろいろ、あるんですよね。私は習ってもすぐ忘れてたし、ぴしっと綺麗に結べなくて(泣)。組紐も今では少なくなりましたね。
coco030705
「花白河蒔絵硯箱」はとてもきれいで隠し文字が楽しいですね。
根津美術館はぜひ一度行きたい所です。とにかく東京へ行きたいです。
先日高台寺へ行って来ました。紅葉はほんのはしり程度でした。それに
色々おもしろい建造物があるのですが、全て出入り禁止になっていて外から
のぞくだけでがっかりでした。
お食事は河原町高瀬川沿いの「菊乃井露庵」で。ミシュランに載った店です。
一番品数の少ないコースで4000円でしたが、すばらしく手が込んでいて
量もたっぷり。お勧めでございます。
菊乃井 http://kikunoi.jp/store/roan
TaekoLovesParis
高台寺の紅葉は一昨年見に行きましたが、ちょっと早かったです。一番いい時に行くのは難しいですね。その時でなく、もう一回前に行った時、「菊乃井」本店に行きました。ランチでも品数多く、お庭の景色もよくて、とてもよかったのを思い出しました。京都の中にも支店があるんですね。やはり、高級店はランチが狙い目ですね。