ボストン美術館(2008年)

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 これは、ボストン美術館の円形の天井画。アメリカを代表する画家、サージェントの作品。
ブルーが美しいウェッジウッドのレリーフのような絵。ギリシア・ローマの神話を
題材としていて、端正で優雅。

 ボストンは、英国からの移民を基礎として、早くから発展した町なので、クラシックな
英国趣味で落ち着いた雰囲気。昔から金融業の中心地であり、先端医療の病院が
数多くあることでも有名だ。ハーヴァード大学のある付近、ケンブリッジは静かで緑が
多いので、私は街中よりも、その辺りのホテルが気に入っている。

 アメリカの3大美術館は、ニューヨーク、シカゴ、ボストンと言われている。
たしかに、どの美術館も見応えがあり、一日では見きれない。

[右斜め下] 英国18世紀の人気肖像画家、ゲインズバラの作品。
エレガントで美徳を持ち合わせた女性の肖像画。
花を手に持つポーズは、17世紀のファンダイクの手法だが、レースのある
衣装は18世紀のファッション。

Geinsbaragh.JPG

 世界中、どこの美術館でもお目にかかるコローの作品。
ヴィル・ダブレーの森とは、ちょっと違うような気もするけれど、コローが得意とする
大きな木々と女の人たちが描かれている。
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 左は、マティスの「Carmelina」 1903年
女性の体の形は丸く、背後にある鏡、絵の額などは、どれも四角。
女性の体に光が当たり、太ももの辺りでは光とのコントラストが強調されている。
優雅さに欠けた裸のモデルの作品は、フォービズムのはしり、と言われている。

右は、ドイツ表現主義の画家マックス・ベックマンの「2つのポートレイト」1946年。
輪郭線の太い強烈な絵で、インパクトが強い。
(*マックス・ベックマンの絵画に関しては、オランダで展覧会をご覧になったInatimyさんの記事がとてもわかりやすいです。)

Matisse2.JPG  MaxBeckman.JPG

 陶器類も廊下に展示されていた。
英国のものが中心で、今も使われているようなものが多い。

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 2008年当時、ボストン・レッドソックスには日本からの松坂と岡島が在籍していた。
しかも前年、2人の活躍もあって、レッドソックスは、ワールドシリーズ制覇。
背番号37岡島のユニフォーム(腕にWorld Series 2007の文字入り)、松坂の
スパイク(ナイキですね)、日本での開幕戦のおみやげのうちわ(RICOH Opening
SeriesJapan 2008 B - A'sと書いてあった) 
美術館に日本の野球選手関係の品物が展示されていることに驚いたが、松坂、岡島
のふたりは、熱烈レッドソックスファンで日本びいきの町ボストンに歓迎されていたの
だろう。(二人ともまだボストンにいますが、戦力外なのは残念です)

ボストン松坂.JPG


 ボストンにも中華街があるので、「ここは、雰囲気もいいし、おいしい」という飲茶の店
に友達が連れて行ってくれた。
いろいろな点心の皿をのせたワゴンが数台、店の中を動き回っている。
ボストンは魚介がおいしいので、揚げワンタン、蟹爪フライ、海老の蒸し餃子を頼んだ。
各テーブルには、しょうゆ、豆板醤、酢が置かれていた。

ボストン飲茶.JPG 

Fried Rice(炒飯)も頼みましょと、友達が言った。
うわっ、これ、日本の炒飯と盛り付け方が違う。細長い外米だし。
でも、味はよかった。

ボストン飲茶2.JPG

Sweetsは、おなかいっぱいで、食べられなくなったので、パックに入れて
もらって持ち帰った。

ボストン飲茶3.JPG

 

この記事へのコメント

  • バニラ

    ゲインズバラのエレガントな女性の肖像画、わたしの中のTaekoさんのイメージ…♪
    ボストンの炒飯、盛り付けが違うと食欲のそそられ方も違ってくる、のいい例?
    味がよかったから救われたけどね。
    2011年08月06日 05:55
  • baby_pink

    エレガントで美徳を持ち備えた女性。。。
    心の底からうっとりしてしまいます^^
    ヨーロッパの天井画には、色合いから細かい所まで
    計算された繊細な部分と、歴史と芸術性には
    いつ見ても自然と涙が出てきてしまいます。。

    いきたーい。
    2011年08月06日 08:39
  • aranjues

    世界中に友達が散らばってるんですね。
    海外行くと、あちらの料理だけでは、2日が限界。
    和食→中華と探して、どうしてもなければ、かろうじてどうにか、
    パスタ、ピザで息継ぎます(苦笑)。
    2011年08月06日 08:51
  • kao

    わぁ~いいですね~素敵ですね~。
    一度でいいから行ってみたい。。。
    絵の事はぜんぜんわからなくて(すみません。。。いつもTaekoさんの記事でお勉強させていただいております)でも陶器は、なんとなく英国のだってわかりました。
    こんな素敵な器で、お料理をいただいてみたいです。

    炒飯の盛り付け、びっくりしました!!
    私の炒飯のイメージは。。。
    これをひっくり返して盛り付け。。。られて。。ますよね!?(笑)
    2011年08月06日 11:41
  • チョコローズ

    私も最初の円形の天井画の写真にうっとりです。
    そして中盤の陶器類の写真にも食いついてしまいました。
    良いですね~
    最後のお写真、右のスイーツはエッグタルトでしょうか?おいしそう。
    2011年08月06日 19:30
  • ララアント

    ボストンといえば お隣さん(作曲家・渡辺俊幸)が青学時代に学生バンドで
    ドラムをやっていて その後 さだまさしさんのマネージャー兼編曲・・・
    そしてボストンへ留学 そこでそれまで馬鹿にしていたクラシックに出逢い
    ボストン交響楽団に魅了され 街の人たちも普段からコンサートに出かける姿にも
    驚いたと聞いたことがあります。
    そんなことを知ったころ 学生である娘が友達の在住していたボストンへ
    一人旅・・・冬に出かけたので辺り一面雪景色・・・川も橋も雪に埋もれて
    地図が役に立たず おまわりさんがずっと案内してくれたようです。
    ・・・きっと中学生否小学生に見間違えられていたのでは!?
    海外でいい思いしかしていない 今の娘の生活の原点になったのが
    ボストンかと。。
    伊豆の友人はやはり床に入っていて イマイチ感じていませんでした^^
    岩盤が固いところのようです。
    セルリアンタワーへ行けたらいいと思っています(涼しくなったらね!って)

    記事のコメントになっていませんね!
    要は芸術にたけた街かと。。。
    ごめんなさい。
    2011年08月06日 22:27
  • Inatimy

    ゲインズバラの女性の肖像画、衣装の布が本物みたい。
    すごい質感が出てますね~。
    マックス・ベックマンというと、松本人志を思い出します。
    オランダのゴッホミュージアムで展覧会観たことがありますが、
    他の美術館で一度もまだお目にかかったことがなくって。
    太い線で木版画に色付けしたような独特の色使いですよね。 劇画タッチで。
    2011年08月07日 06:57
  • そろそろボストンにも行かなくては?!あれからもう3年になりますか?
    前に行かれた時はスタバの方がデニーズより安全と言われていましたが!

    松坂選手は金属疲労ですか?大リーグで活躍を続けるのって大変なんですね。
    井川選手はずっと2軍暮らしですが。
    頑張ってもらいたいです。

    《世界中、どこの美術館でもお目にかかるコローの作品》
    このフレーズを誰かに使いたいです。
    2011年08月07日 08:08
  • TaekoLovesParis

    nice&コメントありがとうございます
    ▲バニラさん、ゲイインズバラの描く女性は、上品できりっとして、理想の英国女性。
    elegant and virtuous と書いてありました。上品できりっと、は、バニラさんの
    イメージよ。私はなれなくて理想に終わってます。
    炒飯は、見たとたん、「えっ、これ?」でしたよー。

    ▲baby_pinkさん、欧米の美術館で、よく見かけるのが、ゲインズバラの肖像画です。どれも気品をたたえて美しいので、時代を超えて惹かれます。
    天井画で構成された広く大きい空間の下にいると、別の宇宙にいるような気分になります。pinkさんもこういう空間がお好きなのね!

    ▲aranjuesさん、世界中じゃなくて、フランス2名、アメリカ2名だけです。
    その土地に友達がいると、安心できるし、いろいろ教えてもらえるし、食事が便利です。アメリカ、フランスに中華の店はいくつもあるけれど、和食は少ないですね。
    昆布で出汁をとって、というのは、難しいんでしょうね。

    ▲kaoさん、陶器はこれの4倍、ずらっと展示されていて、どれも装飾がみごとで、
    見ていてあきません。私もこんなティーセットで優雅なお茶の時間を、って思ったり
    しました。
    炒飯、そう、ひっくり返して、ですよね。上下逆。二人で分けたのですが、この大盛りだから、分けるのにも、こぼれやすいし、、、でした。

    ▲チョコロさん、この間の記事が、「洋食器好き」だから、「もてなす悦び」展のレポ
    でしたものね。英国では、王室のために上等な食器づくりが発展したんでしょうね。
    ボストンもニューヨークもアメリカ東部は、英国趣味が支持されています。
    2011年08月07日 10:19
  • TaekoLovesParis

    nice&コメントありがとうございます
    ▲ララアントさん、お嬢さんの最初の海外経験がボストンだったんですね。私も一度
    だけ、冬に行ったことがありますが、雪が降りしきり、夏と景色が全く違って見えたのに驚きました。ボストン交響楽団は、小澤征爾が音楽監督をしていましたね。
    日本からハーヴァードやMITに留学する人も多いので、日本人にはなじみのある都市ですね。
    伊豆のお友達、ララアントさんの心配をよそに、、、だったんですね(笑)

    ▲Inatimyさん、ゲインズバラの描くドレスのシルクの質感、光沢、レースの繊細さ、
    見とれてしまいます。
    マックス・ベックマン、すごいインパクトだったので、写真を撮りました。ここで見る前に、私、Inatimyの記事で読んでいたんですね。ベックマンの資料は少ないから、
    リンクをつけさせてくださいね。

    ▲匁さん、そうなんですよ、写真の整理をしていたら、2008年の夏ボストンを
    記事にしてない、ってわかったんです。もう3年ですものね。松坂、岡島が全盛
    だった頃と考えると、やはり、時の流れを感じます。金属疲労ね(笑)。松坂は
    肘の手術をするんでしたっけ?6年契約だから安心して休めますね。岡島は2軍
    だったと思います。言葉の壁のストレスに、自己主張という国柄の違いもあるし、で、大変でしょうね。
    2011年08月07日 10:52
  • TaekoLovesParis

    チョコロさんへ
    右のスイーツ、エッグタルトでした。これ、持ち帰りで、部屋で、コーヒー入れて
    食べたけど、おいしかったです。アメリカのホテルは、部屋にコーヒーメイカーが
    ついてる所が多いので便利です。
    2011年08月07日 12:56
  • Inatimy

    リンクしてくださってありがとうございます♪
    (ふふ、あの頃、スゴク短い記事だったんですね~。)
    2011年08月07日 17:06
  • kazu-m

    ウェッジウッドの、ジャスパーのベースは僕のお気に入りです。
    築地場内の、お気に入りの鮨文で待ち焦がれた新子をつまみ、新国立に行ってきました。
    Taekoさんがおっしゃっていたように、とても見ごたえがありましたが、ロートレックのカルメン・ゴーダンと、スーラのオンフルールの灯台が印象的でした。
    海外で食べる中華料理って、かなり甘いと思いますがいかがでしたか。
    2011年08月07日 21:30
  • TaekoLovesParis

    Inatimyさん、そ、短い記事でしたね(笑)。ベックマンだったから、かも。
    私がInatimyさんの所で、気に入ってる記事は、クローラーミューラー美術館の
    記事と、エルミタージュ美術館展の記事で、時々、絵をもう一度見たりしてます。
    2011年08月07日 23:35
  • TaekoLovesParis

    kazu-mさん、ブルー地にギリシア神話のような絵のレリーフ、ジャスパーシリーズ
    は、ウェッジウッドの伝統的な技法ですね。気品があるから花瓶には、ぴったりですね。
    築地の場内にお気に入りのおすし屋さんがあるとは、さすが!です。新子は今が
    季節でしたっけ。3枚くらいのってるお寿司を食べたことがあります。
    ワシントン展、ご満足いただいてよかったです。ロートレックのカルメンは、暗い色
    の背景に赤毛と鼻が印象に残りますね。一方スーラは、空、海、砂浜、草と続くもやっとした色のトーンと細かな点描に見入ってしまいますね。

    海外の中華、ハズレの店もありましたが、ここのは、とてもおいしかったです。
    2011年08月07日 23:49
  • kazu-m

    ジャスパーのベースに、ラベンダーのドライフラワーを溢れるほど飾ろうと、ラベンダーも育てているのですが、未だ望みかなわずです(笑)
    新子は今が一番だと板長が教えてくれました。
    Taekoさんの食べられた、3匹で握るのが一番だそうです。
    きりっと角がたち、僅かに緑色を帯びた新子の寿司は、東京の粋を感じるもののひとつと思います。
    元々ブランドル派の、光の陰影と透明感が好きなので、カルメンはすっと吸い寄せられるものがありました。
    スーラの明るい温かみの有る光は、オンフルールの空を思い出しました。
    Taekoさんの、色々なものに対する造詣の深さと繊細な感性には、いつも敬服しています。
    2011年08月08日 22:37
  • moz

    実はアメリカ本土には上陸したことないです。 ^^;
    絵がみたい、じゃ、ヨーロッパ!! みたいな感じでした。でも、アメリカに実はよい絵がたくさんあるんですね。まあ、資本主義だから当たり前か。
    長いお米のチャーハン、@@;
    これ、すごいですね(笑)
    2011年08月09日 05:21
  • pistacci

    世界中の美術館のどこにでもコローが・・のくだりに 
    そういえば、名古屋の小さな個人美術館にもあったっけ、って
    ちょっとずれてるけど、思い出しました。
    でも、好きなんです(笑)
    2011年08月09日 11:03
  • TaekoLovesParis

    kazu-mさん、ジャスパーにラベンダーのドライフラワー構想、すてきですね!
    しかも、ご自分で育てたお花とは。
    新子の季節は、今なんですね。ナイスタイミングでのご上京でよかったですね。
    珍しい美味しい物は食べると長生きしそうですよね(笑)
    オンフルール、いらっしゃいましたか。私も行ったのですが、こういう灯台があった
    か覚えてないです。絵は100年以上前ですものね。
    kazuさんのほうこそ、たくさんの経験をなさって、いろいろご存知。感心しています。
    2011年08月10日 00:36
  • TaekoLovesParis

    mozさん、そう、まさに資本主義だから、お金のあるところに名画あり、なんです。
    裕福なアメリカ人で、フランスで絵を学んだメアリー・カサットは、印象派の友人
    たちの絵をアメリカに紹介、売る役割もしたんです。裕福な家の出身なので、親戚、
    知人も裕福で絵を買ってくれたのです。
    デトロイトの美術館が充実しているのが意外だったのですが、自動車産業で裕福
    だったからなんです。
    見た所、まずそうな炒飯でしょ(笑)。でもお米一粒一粒にしっかり味がついていて
    おいしかったんです。
    2011年08月10日 00:45
  • TaekoLovesParis

    pistaさん、コローがお好きなのね。私も。だから、見かけるたびに、
    「ここにも」って、うれしくなっちゃう。pistaさん、名古屋の個人美術館で、
    コローをご覧になった話、記事にありましたね。古川美術館、私もいつか
    名古屋に行ったときに、って思ってます。
    2011年08月10日 00:51
  • Sakae

    ボストン、いってみたいです。なるほど英国系なのですね。アメリカはNYと西海岸しか知らないので、色々な都市にはそれぞれ特徴があるらしいと気づきました。だから合衆国なのだな、といきなり納得してしまいました!趣旨と違って恐縮です(^_^;)
    2011年08月13日 11:54
  • TaekoLovesParis

    sakaeちゃん、ボストンはNYとも西海岸とも違う落ち着いて、しっとりした都会
    です。アメリカは州ごとに特徴がありますね。
    2011年08月14日 22:41

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