かわいいポップなミロの絵は、よく知られているけれど、彫刻はあまり知られていない。
ジョアン・ミロ(1893~1983)は、20世紀スペインを代表する芸術家。
50歳を過ぎてから、まず、陶器に取り組み、次にブロンズの彫刻、その後、野外に置く
モニュメントを制作した。50歳を過ぎてからといえど、80歳まで後世に残る作品を作り
続けた。
彫刻作品には、Femme(女性)というタイトルのものが、多かった。
丸い形で、故郷カタロニアの女神の母性を表現。ブロンズで制作後、
素朴さと古さを出すために、緑青をかけてある。
「女性の頭」1967年 「Personage」(人物)1968年
こちらは男性。何でわかるかって、それは(笑)
図録の表紙
次にミロは、赤、青、黄色の原色を使う表現を始めた。
『詩が単語の集合であるように、ミロにとって彫刻は、ものの集合の実験。
作品のタイトルは、「Girl Escaping」(1968)(左)、
「Man and woman at night」(1969)(右)、とhaikusを読むようだ』
と、展覧会のカタログに書いてあった。(haikuは英語なんですね。)
カルダーが始めた動く彫刻が「モビール」。
ミロもモビールっぽい造形のものを作った。
女性(1970) 私にはペンギンのように見えるけど、動きがあって楽しい。
そして、私が好きだったのは、どっしりとした「犬」(1974)
ミロは、同じスペイン、カタロニア出身のダリ、ピカソとほぼ同年代。若い頃、
フランスに留学し、多くの画家たちと親交を持ったが、カタロニアに戻った。
2つの大戦を体験し、フランコ独裁政権の下で虐げられたカタロニア、と、辛い
生涯だったが、作品に多く登場する太陽、月は突き抜けて明るい。
描かれる動物たちは自然で、童心のような汚れなさ、はっきりした配色は、
リズム感があって、気持ちいい。
ミロは、大きな野外作品、モニュメントも作った。
南フランスのサン・ポール・ヴァンスにある「マーグ財団美術館」の庭に作品が、
たくさんあるので、そのようすをビデオで見せていた。
ガーゴイル(1964)
1970年代に、この庭をデューク・エリントンが訪れ、作品を見た後、ミロと歓談。
即興で、「ミロへのブルース」を演奏し、彼に捧げた。その時の様子もビデオで
流れていた。
この展覧会の会場は、パリ7区、官庁街にあるマイヨール美術館。
彫刻家マイヨールのモデルであったディナが、古い館を買い取り、美術館とした。
普段は、マイヨールの作品とコレクションが展示されているが、こういう企画展の
時は、マイヨールものは、ひっそりと、ほんの数点だけの展示。
マイヨールは最初、画家だった。パリの美術学校に学び、ナビ派に心酔するが、
目を悪くし、彫刻に転向した。
(詳しくは、yk2さんの「アリスティード・マイヨール」記事を参考になさってください)
代表作「地中海」のある部屋には、彼の描いた絵、コレクションした絵が、
ひっそりと置かれていた。
マイヨール美術館の隣は、東京にもお店があるケーキ屋さんの「Dalloyau」ダロワイヨー。
ケーキを買ったけど、あらら、こんなに。。。
この記事へのコメント
末尾ルコ(アルベール)
RUKO
katsura
aranjues
甘いものから渋い飲み物まで守備範囲が広いのですね(笑)。
左上の黄色の丸いもの、これもケーキ?、チーズに見えちゃいますが。
ぶんじん
花より団子。ミロよりケーキに目が行ってしまいます!
yk2
せっかく、彫刻でなくてマイヨールの絵が写真に撮られていると云うのに、小さくてまるで見えない・・・(T.T)。
僕がミロの絵を観る“楽しみ”ってのは、まず絵を見て、次にタイトルを見て、「わかんな~い」ってお約束通りに口にするコトだったりしますが(苦笑)、さすがに彫刻では、あの難解な2次元ワールドはミロ本人も再現不可能だったのかな?(笑)。今回掲載されているのはプリミティヴな雰囲気で、(絵よりはまだ)解りやすくっていいですね。
TaekoLovesParis
▲ルコさん、彫刻は、どれも愛嬌があって、かわいいです。
でも、その中にもミロのメッセージがこもってるんでしょうね。
▲katsuraさん、この彫刻は、見る人の心も自由にしてくれそうです。
▲aranjuesさん、渋い飲み物、なんでしょ?(笑)
苦いのみものはビールだと思うけど。
左上は、シトロン=レモン風味のケーキ。軽そうなので、ダイエット中の
友達のご主人用。残りは私と友達2個ずつ。
下の金色が台紙ですが、ずれちゃって。。日本だと囲いの紙(仕切り)を
入れてくれるので、ここまで、ひどくならないんだけど。
▲ぶんじんさん、50過ぎの30年間は、ひたすら彫刻だったようです。
長生きだと、いろいろなことができますね。
展覧会場を出て、すぐ隣でケーキを買う私もかなり団子派です。
TaekoLovesParis
そうなっちゃいました。彫刻の写真を載せてる人って、少ないんですよ。
ここに載せなかったのですが、ミロの陶器もかなりの数、展示されてました。ミロワールドの絵が、奔放に描かれてるんですよ。でも、ブロンズでは、やはり、形が主。そう、おっしゃる通り、とってもプリミティブ、生命力あふれる楽しさでした。
彫刻の後ろの絵、写真を大きくしてみても、ぼけぼけでした。これじゃ、マイヨール
の絵かコレクションしたナビ派の絵かわかりませんね。某パリ特派員に頼んで
ください。
pistacci
安心して好き、って言えます。
「犬」も「personage」も部屋に置いて頭なでたり、「おはよう~」って話しかけたいなぁ。
親しみがある、のかな。
ルビー
29日に名古屋のヤマザキマザック美術館の常設ミロを見たところですが・・・
サンポール・ド・バンス行ったのに縁がなかったです残念。
Inatimy
ミロの作品は、勝手に解釈できる自由さがいいかも。
いつかマイヨール美術館に行ったら、隣で忘れずケーキも買って、
慎重に持って帰ることにしますね~。
匁
ミロの彫刻覚えていないです。
カルダーが動く彫刻「モビール」を作ったんですか?!。なるほど。
匁はここのところ、モビール作っていません。また、作りたいです。
ペンギン?が好きで~す。何かが起こりそうな!!そんな感じがします。
今日はごっつあんでした。3連続ホームラン。明日も楽しみです。GIANTSは小笠原の2,000本安打待ちですかな??!。
TaekoLovesParis
3連続の前に金本もホームランだし。調子あがってきましたね。
小笠原はおいておいて、あと2試合、勝ちに行きますからね。
匁さん、前に錘を意識したモビールを作ってらっしゃいましたよね。
この夏、何か涼をよぶような作品ができるといいですね。
ララアント
コメントに窮しています^^;
でも TaekoLovesParisさんの優しさから
おち(ケーキ・あらら、こんなに)があって ほっとしました。
匁さんと同じ 阪神ファンです(大阪出身です)。
日ハムの小笠原は好きでしたので
「どうしたのか!?」と ちょっと気になります。。
TaekoLovesParis
▲pisaさん、絵よりも彫刻でしたかぁ。私はマンションに住んだとき、ああいう犬の彫刻を玄関に置くのが、夢でした。犬が飼えないマンションだったから、帰って来たとき、「ただいま~」って言うための犬が欲しかったの。pistaさんの「おはよう~」と
似た発想ね。
▲ルビーさん、<サンポール・ド・バンス行ったのに>→ うらやましいです。
ヤマザキマザック美術館、昨年できた美術館なんですね。サイトを見ましたが、
建物、インテリアも豪華ですねー。
▲Inatimyさん、ミロはスペインにお住まいになってらしたInatimyさんには、
きっと身近でしょうね。ほんとね、どう解釈してもOKの自由さがありますね。
あと元気さ、ね。
マイヨール美術館、常設になってから、いらしたら、写真を撮ってあげてくださいね。
ケーキを慎重に、には笑っちゃいました。
TaekoLovesParis
試合が終わるや否やとか、試合中、タイムリーにコメントがはいっていたので、
面白く読んでました。
パは日ハムを応援してらしたんですか。しばらく出てなかった2000本安打
だから、この連休に、3連戦にと期待が大きいですよね。大舞台に強いあの
小笠原でも、緊張するんですね。明日に期待です。
angie17
あらら・・・ケーキが!(汗)
てんとうむし
トップのブロンズの男性像にETを思い出しました。
duke
moz
原始のビーナスとか日本の土偶にも通じて、人種に関係なく人間共通の記憶なのかな、なぜかとても懐かしい感じもします。
野外のモニュメントは、ガウディの雰囲気も ^^
それと、やっぱりペンギンですよね(笑)
あらら、ケーキが ^^; 急いで歩かれましたか? でも、本場のお味はやはり一味違うのでしょうね。
coco030705
ミロの彫刻、形がとてもおもしろいので、観ていて楽しくなりますね。
私はスペインのミロ美術館に行きました。だいぶ前なので記憶がちょっと
薄れていますが、楽しかったのを覚えています。
マイヨールの彫刻は滑らかで美しいですね。素敵です。彼が最初は画家だったとは
知りませんでした。
ダロワイヨーのケーキ、すごくおいしそう。やっぱりこれがあるとTaekoさんの記事って
感じがして、とっても嬉しくなります☆
チョコローズ
お休みにじっくりとお邪魔させていただきました。パリ旅行、いいですね。
ラ・デュレやダロワイヨ、ドミニック・サブロンとそういえばたくさんのお店が日本に
進出していますね。嬉しいやら、もったいないやら。
レストランだけでなく、ご友人宅でのパーティーでのお料理も見ていて楽しいです。
でも美術には疎くて…そんな私でも「ミロの彫刻」は馴染めそうです。
あのペンギンもどきとか面白いな~と素朴な感想。
続きも楽しみです。
りゅう
いっぱい買って満員電車のように詰め込めばOKでしょう♪(≧▽≦)b
TaekoLovesParis
TaekoLovesParis
▲angieさん、無邪気なポップさがいいです。それに赤、黄、青という鮮やかな色。
大胆な形。見ていると、「小さいことなんか気にしな~い」っていう気持ちになって
きます。ケーキが崩れたは、気にしなすぎたから。。(反省)
▲てんちゃん、このぎょろ目がETですね。自由な作品は、見る人の心も自由に
してくれますね。
▲dukeちゃん、バルセロナのミロ美術館、私は、「ここは、いっか~」って素通り
しちゃたんですが、中庭にこの赤い足組んだのがあったんですね。ポーズを決めた
オバカ写真は、思い出に残っていいじゃないですかぁ。やるなら大胆に(笑)。
見てると、顔が自然に和むものって、いいですよねー。
ケーキは、一日の最後に買うべきだったと反省です。
▲mozさん、たしかに一番上の彫刻は、埴輪にも似てますね。女の人がどっしりとして、男の人がひょうきん、っていうのが、現代にも通じて、面白いなと思いました。
野外作品がある公園は、私も映像を見ながら、「ガウディのグエル公園みたい」って思いましたよ。ペンギンの歩く姿って、かわいいですよね!
ケーキは、時々、持ってるのを忘れてました。だから、、なんです。
▲cocoさん、cocoさんもミロ美術館にいらしたんですね。オリンピック競技場が
あったモンジュイックの丘の手前にありました。何回もその前を通りながら、忙しい
旅でもなかったのに、寄らないで、今頃、反省してます。「ミロは結局、どれも同じようだから」なんて、友達と決め付けて、食べてばかりのバルセロナでした。
<マイヨールの彫刻は滑らかで美しいですね。>
→ ブールデルの彫刻は男性的、マイヨールの女性的って思えるのは、この理由でしょうね。
私は、ケーキが好きだから、絵ばかりだと、最後にお茶、の感覚で、ケーキ写真を
載せたくなっちゃう。でも、今晩は、明日が年に一度の健診なので、9時以降、何も
食べられない(ツライ)
▲チョコロさん、日本に進出しているパリのケーキ屋さん、どれも味が本場と同じだと思うわ。バターやクリームなど乳製品がフランスのは濃くておいしいんです。パリには、虎屋もあるのよ。いつもチョコロさん、いろんなスイーツのお店を上手に探してらしてるから、記事が充実してますね。
彫刻は、それぞれ形が面白いなって、思います。現代のは、わからないものも多くて。。
▲りゅうさん、ざーーねんでした。いっぱい買うと、隣のものどうしでくっついたりしちゃう。(経験済み)。日本はケーキとケーキの間に、仕切りの厚紙を置いてくれるけど、
パリは、そういう点、大雑把だから。