3月29日から、ロンドンに4泊、帰りにパリにという旅をN嬢と計画していたが、
大地震、津波、原発の放射能問題。。
N嬢が3日前になって、「こんな時に、行く気持ちになれない」とキャンセル。
私は、職場に休むと言ってあるので、行く先を変更して一人旅。パリとJu..のいる
サンセールに行くことにした。
注:サンセールは、フランスで有名な白ワインの産地。ロワール河流域。
パリは各地方への列車の出発駅が異なる。サンセールはブルゴーニュ方面
なので、Bercy駅から乗る。Bercyは最近開発された郊外の町なので、列車の
駅もホーム2つの小さな新しい駅だった。
前の晩、インターネットで、列車の時刻を調べたら、一日3本だけ。2時発、
4時20分着に乗ることにした。フランスは切符を買うのに時間がかかることが
多いので、1時間前にBercy駅に行った。
切符を買ってから、安心して、コーラを買って、Eveが作ってくれた食パンの
サンドイッチを食べた。
列車は定刻に出発。1時間以上ノンストップで走り続けたあと、10分間隔
くらいで駅に停まって行く。私の乗った車輌には、乗客が5~6人いたのだが、
ひとつ前の駅で、全員おりてしまった。次の降りる駅で、半手動のドアを開けら
れなかったら大変、と、心配になり、ドアのそばに人がいる車輌まで移動した。
サンセール駅に降りたのは、私ひとりだけ。見回しても誰もいない。ホームと
いっても15センチ位盛り土しただけのもの。静かでのどかな景色。
迎えに来てくれるはずのJu..に電話をすると、「今、向かってるから、もう少し
待ってて」。ほどなくして、Ju..とBが車で登場。
サンセールは人口が5000人の小さな町。郊外にワイン畑が広がっている。
パリから車で一直線に来れる便利さがあって、ワインと観光の町。
3ヶ月前に来たばかりのJu..も町を歩くと、ボンジュール!の連続。小さな町
だから、みんな知り合いなんですって。
町には、古いけれど、かわいい建物が多い。
これは塔のある古い建物だが、改造して中は明るくモダンで、「ワイン博物館」
になっている。Sancerreと名前入りのグラスでワインの試飲をさせてくれた。
町をぐるっと一巡りした後、Ju..の家に行き、庭で「これ、とってもおいしい」
というおすすめのロゼワインで、アペリティフ。
庭からも、ぶどう畑や連なる丘が見渡せて飽きない景色。夜7時半でもこんなに
明るい。
フランスのレストランのディナーは8時に始まるのが通例。
「サンセールにも、ミシュランのひとつ星レストランがあるから、予約しておきました」
シェフが日本料理好きだそうで、影響受けてる!というお料理がいくつもあった。
左:アミューズの一皿目。3人分。生の白アスパラと生春巻き、いくらのせ。
この白アスパラは、生で、飾りなので、食べられない。
右:灰色のボールは、カプチーノ仕立ての海の幸。赤いのはウニ。
グラスのシャンパンで乾杯。
前菜を二皿選び、メインを肉か魚からひとつ選ぶ構成。
私が選んだ前菜は、子牛のタルタル。飾りの野菜の置き方がきれい。
ラングスティーヌ(手長海老)、ブロッコリー、青菜、コリアンダー風味。タイ料理っぽい。
ワインは、もちろんサンセール。白は、Jean-Max ROGER.
これは、私には、とびっきりおいしかった。
赤は、FRANCOIS CROCHET。
メインは、子羊ステーキ。
デザートは、パイナップルのラビオリ。デザートにラビオリを使うとは斬新。
最後は焼き菓子。マカロンとキャラメル。黒いお皿が和のテイストっぽい。
とってもおいしかった。伝統的なフランス料理ではないから、軽く食べられる。
エレガントなサンセールのワインによく似合うお料理だった。
翌日、町の中にあるカーブのドメーヌ・ヴァシュロンを見学させてもらった。
ここは、化学物質を使わないビオデナミ製法。
右の写真の石は火打ち石(シレックス)。実際にこすり合わせると、焦げ臭いにおい。
この石を含む土壌が、ミネラル分たっぷり、華やかな花の香りのワインの元。
ワインの木樽とステンレス樽。ワインによって使い分けている。
瓶詰め作業をする機械
ラベルを貼る機械
製品になったワイン。この6本を試飲させてもらった。
御当主、ヴァシュロン氏。
この記事へのコメント
trestelle
フランスに行かれていたのですね。
私もサンセールの白ワイン、大好きです。一度だけ
ロワールのお城を見た帰りだったかに、サンセールの街を車で
通りがかったことがありました。次の機会にはぜひカーヴの見学を
してきたいと思います。
TaekoLovesParis
お通りになったんですね。
カーヴに入るなり、ワインの香りがする、それが好きなんです。
ドメーヌ・ヴァシュロンは老舗なので、見学の人も多いようでした。
coco030705
素敵なご旅行をなさいましたね。お友達があちこちにいらっしゃるから、
どこにいっても楽しい時間がすごせますね。
レストランのお料理がすばらしいです。こうして拝見すると、やはり本場の
フランス料理のグレードの高さがわかりますね。
私ものんびりと旅行したいものです。
TaekoLovesParis
飛行機の中で映画をいくつか見ました。って、cocoさん相手だと、
つい映画話題。
ほんと、訪れる先に友達がいるかどうかで、充実度が全然違いますね。
今回は、行く先変更だから、直前に電話やメールで連絡。
すぐに、大歓迎って言ってくれて、うれしかったです。
フランスは、地方でもグレードの高いお料理が食べられて、食の豊かさを
毎回、感じます。
旅行は、気分転換だけでなく、いろんなことを試される(重い荷物、こんな
にもてるとか)、いい機会ですね。
Wino
いいなぁ~サンセール!
大好きな産地です。
甘党大王
私も飛行機に。。。
TaekoLovesParis
デギュスタシオーンって、全部飲まないで、捨てちゃうんですよね。
わかってるけど、なんか、もったいなかった。。
棚に高く積まれてるワインの瓶を見ると、「地震がないから、落ちないのよね」
って、時節柄、思ったりでした。
TaekoLovesParis
一瞬、思ったのですが、結果、サンセールに行けて、今までにない経験
で、楽しかったです。
pistacci
ひさびさにおいしいものの写真とお話。
なんだか元気がでます。
yk2
風光明媚で閑静な土地にて炸裂しただろうふたりのマシンガン・トークを想像するだけで・・・(笑)。
TaekoLovesParis
この景色を見ながら、「ロワールの歴史」を、にわか勉強で読んでました。
でも、ローマ時代から続いてる歴史だから、だんだん、ごちゃごちゃに
なって。。。
TaekoLovesParis
マシンガン・トークは、他1名がyk2さんだからであって、今回は他1名が
違いますからねー。私たちは終止、声をトーンダウンして、エレガントに
話し、振舞っておりました。きゃはっ、なんて笑ったりせずに。
よしあき・ギャラリー
ですね。 ^^v
ウラヤマシイ ^^;
baby_pink
待ってましたぁ✿
サンセールのどかで可愛らしくって・・
心穏やかに暮らせそうですね~。。
日本料理好きなシェフも多いのですね。
生の白アスパラ・・・白アスパラ好きなので
食べれないのは残念ですが、とってもおしゃれで
美味しそうですね^^
白ワインもとっても美味しそうですし、私もいつか行ってみたいな~✿
少しゆっくりされてくださいね。
匁
楽しい記事待っていました。
ワインも飲んで TaekoLovesParis らしくパリ行かれて。
マスコミは 地震津波原発問題 以来 自粛自粛自粛 と流しながら
ここに来て気がついたのか
これでは 自滅 になると
いつも通り普通に消費してもらいたいと。
気楽な物ですね。
楽しく、いつも通りやりましょう。
aranjues
ワインはブルゴーニュの方が好みですから(といっても
その差はよくわからないのですが)、一度時間が有ったら
このあたりのワインを飲みに行きたいものですが、、さて、実現出来るかどうか。
いつもながらのエレガントな旅ですね。
Inatimy
半手動で開けるドアへの心配、思わず頷きました。 私もメトロでたまに焦りますから・・・。
パッチワークのような大地が目の前に広がる様子がとても素敵で、いい写真♪
ラベルがロールになってて、ワインボトルへ貼られていくのも、なんだか見てて飽きなさそう。
この後もどんな展開になっていくのか楽しみです。
angie17
ゆっくり出来ましたか?
私は、夏の旅行を、行こうか迷っております。
行くのが嫌なのではないのですが、
日本を離れるのが不安と言いますか・・・
Bonheur
素敵な旅をなさってきたのですね。
ワイン畑の広がる場所、良いなあ~。
ワインも、ご旅行中に思いっきり召し上がったのでしょうね。
私も、やはり夏に旅行に行こうと思っており、計画を立て始めました。(フランスではないですが。。)
Taekoさんならではの、エレガントなご旅行の続きを楽しみにしています。
ララアント
久しぶりに お訪ねしたら 「9日までお休み!」との事
お一人でえいやっと フランスへ出かけるTaekoLovesParisさん
「素敵です!!」
ワイン工場(?) きれいに磨き上げられ きっと美味しいワインが
出来上がるのでしょうね。。。
roseadagio
夏の旅行へ、延期ということで。
匁様のいうように、自粛過多で、自滅しないようにしたいものです。
てんとうむし
Taekoさんの楽しい記事のおかげで気分が華やぎました^^
duke
so-cosmonet
りゅう
Taekoさんが日本を捨てるなんて・・・
冗談ですよ♪(* ̄m ̄) プププッ
確か昨年はポルトガル。
そういえば、この時期は毎年のように海外にお出かけされてますよね♪
お料理もワインもとってもおいしそ~(*^¬^*)
お好きな白アスパラ、今回は飾りだったんですね。
本場で楽しむサンセール白と旬の白アスパラの組み合わせ。おしいのぉ~
美味しく楽しい旅の記事、続きが楽しみです♪((o(^-^)o))ワクワク
TaekoLovesParis
▲よしあきさん、友達との再会は楽しいです。しかもそこにはすばらしい景色と
おいしいワインに食べ物があるのですから、完璧でした。
▲baby_pinkさん、<少しゆっくりされてくださいね。>という温かい言葉が
うれしくて、ほんとうにゆっくりしてしまいました。だから、コメントのお返事も
今になりました(苦笑)。サンセールの景色はのどかで、人々は温かい。
土地も人も豊かな所でした。
白ワインは、香りがすばらしくて、baby_pinkさん、とりこになってしまいますよ。
▲匁さん、ようやくプロ野球も始まりましたね。これで普通の生活に戻れそう
ですか?パリは昔から街も駅も、今の節電モード並みの暗さです。アメリカの
私が行ったことのある場所よりも地震前の日本のほうがもっと明るかったですね。
自販機がかなり電力を使うんですってね。競争があるためか同じような自販機が
2つ並んで置いてある所がいくつもありますね。何が人間にとって快適なのか、
何が本当に必要なのかを見直していかないと。萎縮するのではなく、これを機会
に、新しい体制作り、危機管理、ですね。いつも匁さんが提唱なさってらっしゃる
ように、「優れた製品を作る日本」になりたいですね。
TaekoLovesParis
▲aranjuesさん、今年は「ワイン講座」にいらっしゃるんでしたかしら?
ワインは、種類があたくさんあって、覚えられないけど、飲みくらべが
楽しいし、お料理との相性もおもしろいです。私にとってビールとの違いは、
何よりも香り。飲む前、グラスに鼻を近づけたときに、ふわっと香ってくる。
特に、サンセールは、花の香り、果実の香り、はちみつの香り、その香りに
ずっと包まれていたい、と思ってしまうのです。
ワイン産地への旅、おすすめです。
▲Inatimyさん、「プシュッ」と音がするあのドアのこと、わかってくださって、
うれしいです。私はパリでは、バスを使って移動することが多くて、メトロに
あまり乗らないんです。だから、あのドアには初心者で。。
ひとつひとつの畑の色あいが違うから、ほんと、おっしゃるとおり、パッチワーク
ですね。季節が違うと、当然、色あいが違うんですって。
瓶につめて、コルクキャップを閉めて、ラベルを貼るという一連の機械作業、
製造過程が見えて、私も好きです。
▲angieさん、何もこんな時に行かなくたって、、という気持ちにもなりますよね。
でも、思い切って出かけたほうが、リフレッシュするだけでなく、客観的に状況を
見ること、この先、どうしていったらいいのかを自分なりに考えるヒントになるかな、
と思います。
▲Bonheurさん、Bonheurさんのユングフラウ記事に刺激を受け、友達を
誘ったら、もう行ったから、と行く先が湖水地方になり、さらに寒いからと、
ロンドンになり、、、で、結局サンセール。全く違う場所になったけど、景色の
いい所というのは、共通してたかな。パリにずっといるより楽しかったです。
ワイン、華やかな香りで、おいしかったです。
TaekoLovesParis
▲ララアントさん、ワイン工場はやはり清潔なほうがいいですものね。
お金持ちの生産者は、新しい機械をどんどん買って、見学を受け入れてるようです。
ララアントさんもオーストラリアで、きっと、いろいろな経験をなさったことでしょう。
▲roseadgioさん、旅行のこと、コメントできいてました。楽しみになさってたのにね。でも、夏ならば、準備期間が長いから、いい計画がたてられそうですね。
▲てんちゃん、「ひょうたんからコマ」のように急に行くことになって、楽しかったです。
サンセールのいいワインは、香りがすてきです。そして飲みやすい。きっと、
てんちゃんも好きなタイプのワインだと思います。
▲dukeちゃん、予定変更がかえってよかったです。本場フランスのワイナリーに
行ったり、ぶどう畑を見たりしたかったんです。日本のワイナリーとは景色の
スケールが違いますね。願いがかなってうれしいです。
▲so-cosmonetさん、音楽が聞こえるような素晴らしい景色だったんですよ。
ワインも食べものもおいしくて、豊かで、友達といっしょで、楽しい休日でした。
▲りゅうさん、アメリカ在の友達が(昨夏来たY子)、本気で、「すぐ『脱出』して来て
ください。受け入れ準備は整ってます。一年以上いてくれても大丈夫」って、メール
をくれたの。「東京は大丈夫よ。仕事があるから、そんなに簡単に行かれない」
って、返事したら、電話がかかってきた。「仕事より命」って。少し話したら、じゃ、
こっちでの報道を送るからって、動画サイトのURL知らせてきた。それを見たら、
たしかにY子が心配になるのも無理ない、って報道なのよ。悲惨な場面だけ写して放射能が大変、っていう形。報道の影響力をまざまざと感じましたよ。
私は3月が休みがとりやすいし、飛行機のチケットがそんなに高くないから、
海外は3月に決めてるんです。
旬の白アスパラ、あちらで食べる機会がなかったので(見ただけ・苦笑)、帰って
きてから食べに行きました。サンセールのワインがあまりにもいい香りだったので、
帰って来てから、飲むワインが、なんか物足りなくて。。特に白は薄い気がして。
りんこう
フランスの方の震災に対する反応はいかがでした?
ワイン天国ですね。なんだか「サイドウェイ」という映画を思い出しました。
僕もまたビェールを飲みに旅に出たいですな…。
TaekoLovesParis
空港からのタクシーで、いきなり、「日本人?」ときかれ「そう」と答えると、「大変
だったねー」と言われました。パーティのときも、「今回は大変だったわね、、「tsunami et ensuite nucleaire,,,des effets radioactifs,,」
これらの単語を何回きいたことか。。
「Pray for Japan」(英語)という大きなポスターがメトロの駅に貼ってありました。
TVのニュースでは、毎日、Fukushimaというテロップと共に、原発のことをやっていました。フランスは電力の80%以上が原子力という原発先進国なので、先進国として、福島の原子炉を図解したりしていました。
サイドウェイねー、男2人じゃないから、ちょっとイメージが違うかな。
あの映画は、とってもアメリカっぽいし。やっぱりフランスのワインはワイン文化が
あるくらいなので、洗練されている気がします。
りんこうさんの旅のお供は、ビェールですものね。でもたまに、ワインも飲んで
いらっしゃるじゃないですか。この旅への出発点、Bercyは、映画博物館がある
ところです。