西洋美術館で、これを見てから、だいぶ日がたったが、12月13日まで開催中。
「ローマとポンペイ」の展覧会を何で今?と思ったが、友達に誘われたので行った。
何で今?なのかは、パンフに説明はなかったが、会場に書いてあった。
東京大学の遺跡調査隊は、「皇帝アウグストゥスの別荘」の発掘調査を2002年に行い、
出土品が多かったので、数年後に「ローマ展」をという構想ができた。しかし、その後の
調査でこの遺跡は、ポンペイの大噴火で廃墟となった後、400年後の噴火により埋没
したことが明らかになり、豊かな出土品が期待できなくなった。
このため、展覧会に出品するものが少ないので、ナポリの考古学博物館から借りたもの
をあわせて展示し、ローマ帝国の偉大さを振り返る展覧会となった。
この展覧会の最大の見ものは、高さ2mの「アウグストゥス座像」
上の写真にあるぶん。座像なのに2m以上の巨大彫刻。
ローマ帝国を治めた皇帝の権力の大きさを示している。
2000年前に建設されたローマ帝国。礎を築いたのはシーザー。次のアウグストゥスが
初代皇帝となった。ここでは、市民が豊かな生活をしていた。
銀の食器のフルセット、指輪、首飾りなどの装飾品、金貨、壁画などが展示され、
邸宅の庭園のようすを CGを使って再現している。
これは、居間の壁に描かれた絵。庭園のようすを描いている。
この中央下の部分の図案をファイルにしたものを買った。
この時代から、バラの花がある。
「青銅のミネルヴァ」、近づいてみると、ばらばらになったものを寄せ集めて留めてある
のがわかる。さわったら崩れ落ちそう。これは、古代ローマ人が憧れていたギリシア彫刻。
紀元前3世紀のもの。ローマ帝国の知恵の神として崇められていた。
会場を出たところ、第二会場で、開催されているのが、HASHIさんの写真展。
HASHIさんはニューヨークで活躍中の写真家。
3年前に展覧会を見て、その才能に驚いてファンになった。
これは、モノクロの写真を焼き付ける過程で、さまざまな技法を施した写真と絵画の融合で、
HASHIGRAPHY(ハシグラフィー)と命名されている。
今(2009年)の写真を1000年後に発見したら、、というコンセプトなので、「未来の原風景」
50枚のローマのいきいきとした日常を1000年後に見たら、、、。
上左は、トレヴィの泉のネプチューン、中央は、フォロロマーノの神殿、右はバスを待つ
老紳士。 映画「ローマの休日」でおなじみの「真実の口」もあった。
2000年前のローマを再現する展覧会+1000年後に今のローマを見る、という構想
はおもしろい。
この記事へのコメント
エリザベート
aranjues
思いますが、結構重厚で時代考証なんかもちゃんとして、
リアルになるべく近く作ったと思えるドラマを、毎回自分で録画して
全部見ました。なかなか、庶民には厳しい生活で、オクタビアヌスとカエサル、
アントニウスらとの関係も始めてよくわかったような気がします。
20話くらい有るので、暇なときに観てみたらとはとても言えませんが、
ローマ帝国の絶頂期を知るには手っ取り早いドラマでした。
いっぷく
読み取ることができました。
豊な生活が背景にあってこその芸術作品ですね。
栄光の都にふさわしい発掘品を見れるとはいい機会ですね。
匁
昨年でしたか?bunnkamuraでポンペイの遺跡展が有りました。
その時は金のブレスレットなどの装飾品が主な展示品でしたが今回は邸宅庭園が主な展示なんですね。
それにしても日本では縄文弥生時代に、すでに現代と変わらない生活文化様式とは!
日本を含む東アジアのことを the Far East 東のはずれ=極東
の言葉は嫌いですが
そう言われてもいたしかたないような文化の差が有ったんですね。
ララアント
上野ですね!
どんなものでも こうしてブログ上だけでも
刺激を受けられる事に満足しています。
いつも ありがとうございます。
TaekoLovesParis
▲エリザベートさん、写真は写真のおもしろさがあって、見るのは好きなんですが、
撮るのには全く興味なしでした。でもブログの写真、もう少し何とか、、って、言われ、
もう少しマジメに撮らないとって、思ってます。
▲aranjuesさん、そんなのがあったんですね。映像で見ると手っ取り早くていいですよね。私は塩野七生の「ローマ人の物語」を大体全部読んだつもりなのですが、
よく覚えてないんですよね。読みながら今の政治や社会にそのまま当てはまることが多くおもしろかったです。構造改革とか金融危機、インフラ整備、安全保障、食料の確保、災害への対処。予知能力にもなるほど、と思いました。
カエサルは逸話も多く、傑出した人。クレオパトラの登場でいっそうおもしろくなり
ますね。アントニウス&クレオパトラ軍を破ったカエサルの養子オクタビアヌスが、
この展覧会の主人公「初代皇帝アウグストゥス」なんですよね。
でも、この展覧会には、こういった歴史の解説はほとんどなく、単に、アウグストゥス
の時代、ごく限られた時代の再現だけなんです。
広い会場に、ぽつん、ぽつんと彫刻があるのは、見通しがよくて、気持ちよかった
です。予想したものと違って肩すかしの感がありましたが。
TaekoLovesParis
▲いっぷくさん、ポンペイは私も行きました。実際に歩くと、間取りもわかって、
おもしろいですね。古代ローマの遺跡、「フォロロマーノ」も感激しますよね。
神殿の跡が残ってたり、日本では考えられない石の文化の遺跡ですね。
▲匁さん、Bunkamuraの「ポンペイ展」は、もう2年以上前になりますが、
匁さんに「明日までだけど」と教えていただいて、最終日に駆け込みました。
小粒ながらもいい展覧会でしたね。今回は、彫刻があるので、大掛かりです。
西洋美術館ですから、広いので、空間が多い展示で、よかったです。
庭園の再現は、コンピュータグラフィックスで立体映像で見せているんです。
記事に書くの忘れてましたが、「さお秤」があったんですよ。それも錘がブロンズ
で顔を模ってるんです。小さいけど、とても精巧で美しく見とれてしまいました。
ローマと日本、都会と田舎のような違いですね。
▲ララアントさん、はい、高尚でした。だからすいてました。
招待券があるからと友達に誘われ、忘れているローマの歴史を思い出すのに
ちょうどいいかな、と思ったのですが、ちょっと違ってました。初代皇帝の時代の
再現、という趣向でした。彫刻はどれもみごとでした。衣服のドレープ表現が
すばらしかったです。
TaekoLovesParis
aranjues
本日も、へろへろに酔いました。
Inatimy
TVで、噴火の時の再現ドラマ風仕立ての歴史解説番組をちらっと見て、
こんなことが起こり得るんだと仰天。
1000年後、今のこの世の中のもの、何が残ってるんでしょうね♪
あやっぴぃ
遠くていけないのが残念!
roseadagio
紀元前3世紀の彫刻なんて、きっと見たら圧倒されるでしょうね。何で彫ったのしょう・・・。
pistacci
私はこれをみてやっとカエサルとアウグストゥスの関係がわかりました。(そのうち忘れるけど・・)。
HASHIさんの写真は、行った後の記事でのTaekoさんのコメントで知りました。
おもしろいテーマだったのですね。・・古い写真?・・と思って通り過ぎちゃいました。
惜しかった。
で・・記事に関係なくaranjuesさんとのビンゴ話に受けちゃってます・・(笑)
yk2
対してHASHIさんのローマの写真はかっこよさ気ですね。僕はこっちの方が興味有るかも。
TaekoLovesParis
▲Inatimyさん、ヴェスヴィオス火山の噴火ですよね。小学生のとき伯父が買って
くれたのが、少年少女世界文学全集の「ポンペイ最後の日」。日本だって火山があるから、ありえない話ではないと言われたので、鮮烈な思い出です。
1000年後にも残ってるのはピラミッドと、ちょっと前にTV番組で見ました。ビルは
100年くらいで倒れてしまい風化するけれど、ピラミッドは、、たしかにそうですね。
▲あやっぴいさん、「ローマを見てから死ね」なんて言葉、ありましたっけ?
ローマを見ると、2000年前がすぐそこに感じられるから、すごいです。
フォロロマーノ、コロッセオ、カラカラ帝の大浴場、水道橋などなど。いつかぜひ
お出かけになってください。おすすめ!
▲roseadagioさん、紀元前3世紀の「ミネルヴァ」は、青銅。意外と薄いんですよ。
だから、たくさん裏で留めあわせて、形を保っています。欠損して空洞になってる
部分があるので、そこから裏が覗けるんです。修復に8年もかかったそうです。
きりっとしてるけれど優雅な顔立ちで、さすが「知恵の神」です。
アウグストゥスは大理石です。
hatsu
『フォロロマーノの神殿』の写真に、惹かれます。
2000年前のローマと、1000年後の人たちが見るローマ、
とっても興味深いですね^^
りんこう
僕も写真展が気になります。1000年後のローマとは面白い発想ですね。
世界遺産だから大事にされていくはずだけれど、実際はどうなっていくのでしょうか。
てんとうむし
下水道や浴場などが整備された都会で、モザイクの装飾も美しい街だったんですよね。
壁画のバラに心惹かれます。
chicory
塩野さんの「ローマ人の物語」を読んで以来、魅了されています。
HASHIさんの写真展も面白そうですね。
TaekoLovesParis
▲pistaさん、そ、ビンゴをはずすと、ツキがなくなるかも、と、遅い帰宅だったにも
かかわらず、大慌てで次の記事を書きました。だから、こっちのコメントのお返事、
今頃、書いています。
私も知らずに通りすぎちゃったものが、いいものだったり、っていうことが、よく、
あります。
▲yk2さん、HASHIさんのシャンパンのこぼれる瞬間の写真は、すごい!って、
思ってるんです。
たしかに~、この部分は、パフォスの緑と同じ濃い森の緑ですね。ここに写真は
ないけど、アンリ・ルソーの森を思い出す壁画もありました。
▲hatsuさん、HASHIさんのトークショーみたいのもあるので、行きたかったの
ですが、都合がつかず残念に思ってます。2000年前と1000年後が現在を介して
つながるんですよね。ローマの時の流れは悠久ですね。
▲りんこうさん、この写真展は、りんこうさんがいらしたら、知ってるところだらけで、
きっとおもしろいと思いますよ。2000年前と今、あまり変わらない部分が多いのは
、技術は進歩しても、人間の感情は基本的に変わらないからなんでしょうね。
▲てんちゃん、3D映像も見所らしいです。私は人工的であんまり好きじゃない
んですけど。バラは昔から、みんなに愛されていたんですね。
▲chicoryさん、「ローマ人の物語」、次が出るまでに時間がかかるので、前のを
忘れちゃうんですよね。「ローマ人の物語」は、さらに、ネロ、トライアヌス帝、
ハドリアヌス帝ってつながっていくけど、これはアウグストゥスだけなんですよ。
カエサルのこともほとんどなし、でした。
バニラ
美術館に行くと、手ごろだしいいファイルあるかな~って探しているわたしです。
TaekoLovesParis
ような気がして。。日本画のものは、パリの友達へのおみやげに喜ばれてます。