アメリカの3大美術館は、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ボストン美術館、シカゴ美術館
と、書いてあるのを所々で眼にしていた。メトロポリタン美術館、ボストン美術館は2回行ったけれど、シカゴ美術館は行ったことがなかった。
昨年、シカゴに行った友人が「美術館がとってもよかったです。印象派が充実していました」と、カイユボットの「雨の日」の絵葉書をくれたので、行きたい気持ちに拍車がかかった。 「雨の日」は、パリのオペラ座付近が背景。大げさなほどの遠近法。雨に濡れた歩道のつややかさ。
友達を誘ったら、「ビジネスの街には興味ない」と断られ、ひとりで行くことにした。
美術館の建物の周囲は、広い公園で、気持ちがいい。
この美術館の代表作品は、スーラの「グランドジャット島の日曜の午後」。
大きな絵。作品の寄贈者の遺言で、「額は白、壁は卵の殻色。門外不出」と指定されて
いるので、ここでしか見ることができない。
各部分の点描がそれぞれ違ったタッチで、とてもていねいに描かれていて、完成に2年かかった
というのがうなずける。スーラは31歳で亡くなった。
この美術館の所蔵品は、4人のコレクターの寄贈から成り立っているので、
それぞれのコレクションごとの展示。だから、たとえば、コローが、こちらにあったり、
あちらにあったりする。
今回は、改装中ということもあって、有名な作品は、どれも貸し出し中。
「We don't have it. It's on tour now」 とか、「Sorry,It is gone」って。
でも、そのぶん、ふだん見れないガイドブックに出ていない作品が見れた。モネも「積みわら」でなく、「小屋」 清々しいきれいなパステル調の色づかい。
これは、青がきれいな 「The beach at Sainte-Adresse」
ロートレック,22才の作品「Portrait of Jeanne Wenz」
意志の強い女性であると感じさせる。
マネ「水を飲む少年」 大胆な構図。実に生き生きとしている。
ゴッホ。まだ渦巻いていない頃。いろいろな種類の緑が混ざり合ってきれい。
同じくゴッホ 「Mrs.Roulin」 肖像画になっている郵便配達夫の奥さん。
手にもった綱で、ロッキングチェアーを揺らしている。
これと背景の花が微妙に違うバージョンのものが、ボストン美術館にある。
シャガール 「白い十字架」
フランスに移住したものの、ロシアへの望郷の念が絶ちがたく、哀愁を帯びた作品。
当然のことながら、アメリカの画家の作品もたくさんある。 メアリ・カサットの「入浴」(左)と、「バルコニーにて」(右)
中庭のテラス。レストランのテラス席があるが、ひとりなので、カフェテリアにした。
頼んだのは、「スモークドハム」
つけあわせの野菜は、「Sweetpoteto」と書いてあったけど、味は(まずい)かぼちゃ。
それに冷凍人参とズッキーニと何かの炒めたもの。
ハムがナイフでなかなか切れないほど筋がある肉。塩味も薄く無味なので、マスタードの
いろいろな種類をつけてみたけど、、半分も食べられなかった。
飲み物つきで10$。アメリカの食事は、味がビミョーというのがある。
この記事へのコメント
wino
美術館は独りでの方が、私はすきです。
pace
何回かシカゴに行ってますがブルースを聴くばかりの日々でした
美術館にも行ってみなくちゃね!!
TaekoLovesParis
ちょっとこわいときが。。男の人は大丈夫。
TaekoLovesParis
本場ですものね。ライブハウスは、ひとりでも大丈夫と観光案内に書いてありましたが、ちょっと勇気がありませんでした。
とらion
この舗道はレンガか石畳ですね。
もうひとつスーラの「グランドジャット島の日曜の午後」は絵もそうですが観覧している人々も日曜日の午後?の穏やかな時間の過ぎてゆくのが感じさせる情景ですね。
今回はボストンかな?と思っていましたらシカゴでしたか?すばらしいですね。
coco030705
スーラの「グランドジャット島の日曜の午後」、この有名な絵が
シカゴにあったとは知りませんでした。なんでもルーブルにあるような
気がします。
素敵な美術館ですね。また海外の美術館めぐりの旅に出たいなと
思いました。
カフェテリアのお食事はちょっと……、という感じでしたね。でもきっと
ほかで、おいしいものを召し上がっていらっしゃると思いますので、
その記事も楽しみにしております。
ルビー
カイユボットとかもオルセーにありそうなのに、ここ良いですね~
しかしやっぱり、お食事は残念でしたか・・・・アメリカですね。
bonheur
どれも素敵な絵!久しぶりに脳みそが喜んでいます。マネの「水を飲む少年」は、本物の人みたいでじっくり見入ってしまいそうです。
私も仕事で今NYにいるんですが、欧州を経由しての弾丸出張で、いつものことながら観光などできずに明日の便で帰国します。たまにはゆっくり美術館めぐりをしてみたいです。
Taddy
「アメリカの食事は、味がビミョー」←納得。
ちなみにTaekoさん、いつ行かれたんですか?
TARO
詳しくない私でも、好きな絵が集まってますね。
お食事は、残念でしたね^^;
Inatimy
,,,になってた部分がカワイくて、気になって調べました♪
アメリカの食事は、確かに微妙かも。
並んだ調味料の袋は努力の証拠ですね。
この半分だけじゃ、すぐに、お腹がすいたのでは?
りゅう
アメリカって持ち出し禁止がホント多いですよね。
器が小さいと言うか、そこまでして儲けたいのかよっ、
と言いたくなるときが多々あります。(^_^;)
普段は観る事の出来ない作品を鑑賞できる貴重な機会、
とても楽しまれたようですね♪ヾ( ̄ー ̄)ゞ
miku
シカゴでジョーダン像が見た〜い
duke
newyork
TaekoLovesParis
▲とらionさん、<観覧している人々も日曜日の午後?の穏やかな時間の過ぎてゆくのが感じさせる情景ですね>
→すごいです。そこまで読み取っていただいて。日曜じゃないけど、
土曜の午後。それも3連休だったので、シカゴはアメリカからの観光客が大勢で、ダウンタウンはにぎやかでした。人がいなくなったら写真を撮ろうと思っていたのですが、しばらく待ってもムリだったので、撮りました。日本に比べたら少ないですけどね。
▲Cocoさん、アメリカのお金持ちは桁違いに資産があったので、自宅を飾るために、パリに出かけて絵画を買っていたんですよ。シカゴはアメリカの中心部で昔は鉄道が集まっていたので、穀物取引所、証券取引所もあり、アメリカ第2の都市だったんです。だから、お金持ちも多い。今はロスに第2を譲って3位ですが。美術館の建物がヨーロッパ風なことからもヨーロッパに対する憧れがわかります。
TaekoLovesParis
▲ルビーさん、<しかしやっぱり、お食事は残念でしたか・・・・アメリカですね。>→この言葉が、「あ~、わかってくれた?」という感じで、とってもうれしかったです。
▲TAROさん、雑貨屋さんには、いろいろ楽しいものがありました。
でも、写真を撮れる雰囲気じゃなかったので、何もお伝えできないのですが。今になると、撮ればよかった、と思います。
▲Inatimyさん、さっそく調べてくださってありがとう!
私も写真から絵の横の小さなタイトルを読み取ろうと拡大したのですが、字が割れてSしかわからなくて、目が疲れただけでした。
知ってる名前だったけど、、、どこだったけ?と、かなり考えたんです。Sainte-Adresse!
メトロポリタンで見た「Garden at Saint-Adresse」、その場所だったんですね。(本文からリンクで行けるメト記事に写真載せてあります)
TaekoLovesParis
私のお返事が遅いからそろそろおかえりなさい、の頃ですね。
マネの描写力は卓越していますね。息もつかずに飲んでいる感じがよくでていて。bonheurさんだったらフェルメール展の「ちょっと~、すみませんけど、、」みたいな気の利いた一言メッセージをつけてくださると思ったのですが。(*^^*)
メト美で見たマネ、ギターを持って歌っている「The Spanish Singer」は、表情が強烈に印象に残っています。
coco030705
アメリカの美術収集のこと、詳しく教えていただいて勉強になりました。なるほど、アメリカの大金持ちって、桁違いとはよく聞く話ですが、
昔からそういうふうに、外国に出かけて収集していたんですね。
面白い話を聞かせていただいて、有難うございました。
TaekoLovesParis
Cocoさんがいらしていたのは、イギリスですよね。アメリカはヨーロッパとは違って、移民の国であることを感じます。歴史は浅いけれど、自由の国、America the bestという誇りを皆が持っている感じがします。
pistacci
アメリカ本土は行った事ないけれど、美術館を見に行くの、いいなぁ。
海外は気乗りしなかったけれど、いつかチャレンジしてみようかな。
yk2
そうそう、今回はせっかくの思い出の写真が青くなくって安心しました(爆)。
TaekoLovesParis
▲Taddyさん、私が行ったのは先週。LabourDay の3連休初日です。
だから、ダウンタウンはアメリカ人観光客でにぎわっていました。
美術館で、一番人だかりがしていたのは、よくパロディに使われているという農夫とその娘を描いたウッド作の「American Gothic」。
「あ~、あの絵!」っていう感じで皆が近寄り、気楽にいろいろ語っていたので、人気の高さがわかりました。
スーラの絵の前の人々と、全く違う雰囲気でした。
▲りゅうさん、トラックバックありがとうございます。
今、記事を読んで、スーラはこの絵を描いているとき、「グランカンの干潮」で、点描の手法に気づいたことがわかりました。だから2年もかかったんですね。
点描はドットで表現するディジタル画像のさきがけなんですね。すごい!
アメリカは世界のボス気分ですから、儲けたいんじゃなくて、挨拶が
ない!感覚でしょう。貸し出すほうが高いお金がもらえますから。
だから、今回、有名作品が、ツァーに出てるって、つまり、「出稼ぎね」
って思ってしまいました。
Inatimy
私は発音さっぱり分からず、これが、
あの「サンタダレスの庭園」と同じ地だったなんて、
気づきませんでした・・・。
太陽が出ている時とまた違った感じですが、
どちらも海の色が素敵ですね♪
TaekoLovesParis
サンタドレスという表記でした。
Sainte-Adresse は、有名な「日の出、印象」の描かれた場所で、
ノルマンディです。私も絵のタイトルを見たとき、きいたことある場所、と
思ったけれど、メトロポリタンのと同じ海とは。。絵は、赤がはいると、
ずいぶん印象が変わりますね。
TaekoLovesParis
▲mikuさん、マイケル・ジョーダンがいた頃のブルズは強かったですものね~。像もあるんですか。知らなかったです。さすがmikuさん!
▲dukeさん、スーラのこの絵は有名ですものね。でも、こんなに大きいとは思っていませんでした。この絵の寄贈者は、インテリアデザイナーだったそうです。だから飾り方へのこだわりも人一倍。
私は(友達にばかにされていますが)バーガーが好きなんで、この後は、マックでバーガーを買いました。
▲newyorkさん、<何だか、ごめんなさいって誤りたくなってしまいました。 >→newyorkさんのやさしさが伝わってくる一言です。
ニューヨークはおいしいって聞いているし、newyorkさんのブログでも
行きたくなるようなお店がたくさん紹介されていますね。いつか食べに行きたいと思っています。
▲pistaさん、<名古屋ボストンに「Mrs.Roulin」のグッズがありましたっけ>→なるほど~。シカゴでは、ゴッホの「自画像」が有名なんだけど、
貸し出し中なので、「Mrs.Roulin」が出ていたようです。
アメリカの美術館は、どこもすいていて、ゆったり見れるのがうれしいです。
▲yk2さん、<カイユボットの描く雨のパリ、裕福で育ちの好かった彼だから>→そうだったんですかぁ。床を削る大工さんの絵の印象が強くて、裕福な印象がなかったです。
この絵は、全員が傘も服も黒でシックにまとめられているところもまた、
すてきですね。
写真、私としては、上出来の部類です。
TaekoLovesParis
ルノアールの「サーカスの少女曲芸師たち」がここの有名作品なのですが、貸し出し中でした。
TaekoLovesParis
バニラさんは、高くてハズレのランチだったから、ちょっとお怒りだったけど、これは、10ドルだったから。
いっぷく
絵を見ると、みんな個性的でやっぱりその画家とわかる個性が出てますね。
シカゴでは何を食べるか迷いますが、なぜかギリシャ料理とか地中海料理とか言われる店に入っちゃいます。
duke
1985年に来日したシカゴ美術館展の目録を見てみました!「グランド・ジャット島」はやっぱり来ていなかったですが、写真と解説が入っていました。1924年にバートレット夫妻はこれを購入してから天才コレクターとしての運命が展開したとのこと。インテリアデザイナーとして美術館で最も大きな展示場を選び出し、壁を卵の殻と同じ色に塗りシンプルな額縁に入れ、その驚異的なまでにモダンな空間はアメリカ中のどの近代美術展示室よりも重要なものとなった、とありました。なるほど、展示される空間自体にこだわりがあれば、門外不出になるわけですね!!素晴らしいですね!!^^
TaekoLovesParis
→ 西武美術館でしたか? 私も行ったはずなのですが。。
つい最近まで目録を買う習慣がなかったので、何も覚えていないのです。でも、買えば、後で楽しめるとわかったので、最近は、なるべく買うようにしています。
<その驚異的なまでにモダンな空間はアメリカ中のどの近代美術展示室よりも重要なものとなった>
→ なるほど~、そうなんですね。とってもうなづけます。
<これを購入してから天才コレクターとしての運命が展開した>
→運命的な出会いだったわけね。これ、運気アップかも。ウフ。
教えていただいてありがとう。やっぱり目録は活用できますね!
TaekoLovesParis
→ はい、その通りでした。
私は、レストランにはいらなかったけど、建築物を見るために街の中を歩いていたとき、目に付いたのは、イタリアンでした。結構何軒もあったので。
かよりん
私もいつか行ってみたいです。
それにしてもTaekoさんの<ゴッホ。まだ渦巻いていない頃。>が妙にツボでした。
てんとうむし
わぁ、スーラの「グランドジャット島の日曜の午後」はここにあるんですね!!
絵も大きいけれど、観ている人たちもみんな大きくて、アメリカだなぁ・・・と妙に納得してしまいました。
スーラの前にいる人達は皆グリーン系の服を着て「ほら、この部分がね」って指をしているし、カサットの前には背筋を伸ばした白いジャケットの婦人がいらして・・・・・
Taekoさんと一緒に美術館をめぐっているような気分になりました♪
katsura
TaekoLovesParis
▲かよりんも、ゴッホは若い頃の作品がお好きなんですね!
私は、モネも晩年の睡蓮にさほど魅力を感じなくて。。。
かよりん、正統派がお好きなんですよね。昨晩の久光さまは、
堂々として、りりしく、出番も多かったので、かよりんはお喜びかと
思っておりましたよ(笑)
▲てんちゃん、ほんと、スーラの前は、グリーン系の服、多いですね。
この方たちがお動きにならないので、私もしびれを切らして、「人がいてもいいわ」と撮ったのでした。でも、皆が知ってる絵だから、それで、よかったんですね。
▲katsuraさん、寒いロシアを思わせる白ですね。
左上で赤旗を振っている人たち、その下は、「ノアの箱舟」のように
脱出する人たち、とっても細かく描かれていて、katsuraさんならオリジナルストーリーを考えてくださりそう。