小沢征爾の指揮が見たいという友達につきあう。
(写真は、文化会館の前に飾られている人形)
小沢征爾は、現在、ウィーン国立歌劇場の音楽監督を務めているが、
彼がウィーン国立歌劇場にデビューしたのが、この「エフゲニー・オネーギン」だった。
ウィーンなのでドイツ語で歌われていたものを、プーシキンの原作であるからと、ロシア語で上演。
主役のタチアーナがミッレーラ・フレーニ、オネーギンがヴォルフガング・ブレンデル、
フレーニのご主人のニコライ・ギャウロフがグレーミン公というすばらしいキャストだった。
この大成功で、今の彼の地位があるといわれてもいる。
小沢は、日本でも年に数回、コンサートやオペラを指揮している。
私は、このオペラの曲もストーリーも、何も知らずに行ったのだが、感動的だった。
チャイコフスキーのロマンティックで華やか、時に寂しげな音楽。これに魅せられる。
トランペットやホルン、フルートなど、管楽器のソロの部分が多く、語りかけるかのよう。
昔の小沢征爾は、体全体で指揮をしていたが、白髪の今は、手首から先での表現力がすばらしい。
繊細さが出ているオーケストラ演奏だった。
ロシアが舞台なので、幕があくと後方で雪が降りしきっている。
家の中といえど、家具はいすに見立てた箱だけの単純な演出。
みんな、お芝居がとても上手。「土地を守る」、というセリフが出たときには、
「桜の園」や「かもめ」など、ロシア文学の演劇舞台を思い出すほど演技が上手。
登場人物の個性がはっきりと伝わってきた。
ブレンチゥのレンスキー、イェニスのオネーギン、マタエワのタチアーナ、カッシアンのオリガ
どの人の歌もすばらしかった。
チケットはA席で32000円と安くはないが、それだけの価値があった
これより数日前、原宿・表参道「KAWAI楽器」のホールでのピアノコンサートへ行った。
ここのコンサートは、たいていいつも休憩時間にコーヒーとケーキが出るのでうれしい。
コンサートが終わった後の食事は、夜9時頃なので、場所が限られる。
青山の新しい紀伊国屋の前のビル地下にある「ル・カフェ・ベルトレ」に4人で行く。
レストラン・ランス・ヤナギダテの経営のカフェで、ラストオーダーが10時半。
まずは、キールで乾杯。
このサーモンは、みんなで取り分けたのだが、ドレッシングがおいしかった。
サラダ(写真なし)も取り分けて食べた。
私がとった仔羊のソテー。
デザートのフルーツポンチもワインがよくしみていておいしかった。
値段をはっきり覚えていないけれど、思ったより、ずっと安かったのでお得だと思った。
インテリアも赤と黒で、壁にワインセラーがあり、なかなかおしゃれな空間。
本店のヤナギダテは、1万円以上するレストランで味はいいのだけれど、隣とテーブルが
くっつきすぎ。私が行ったとき、隣の席が、声も態度も大きい男の人2人だったので、
よい思い出がない。(完全にその2人に圧倒されてしまった)
この記事へのコメント
Taddy
キールで乾杯なんて素敵ですね。でも自分は白飲めないんでどんな味なのか今だに知りません。それにしても料理がホント美味しそうです。
TaekoLovesParis
Taddyさんのワイン開眼は(今のところ)、赤だけなんですね。キールってシャンパン+カシスで赤くなります。赤ワインっぽく飲めるかもしれませんよ。
aranjues
チャイコフスキーは好きな作曲家ベスト3に入りますが、
オペラは未体験。すばらしかったでしょうね。
個人的には、オペラとは別にピアニストとして参加してる
ユンディ・リのピアノを聴いてみたいです。
Inatimy
レンスキーって可哀想だな・・・っと思った覚えが。
確か、オネーギンに自分の婚約者にちょっかい出されて、決闘して負けちゃったんでしたっけ・・・(と、大雑把な記憶)。
aia
観劇のあとにおいしい食事を食べるのは憧れです。お店があまりなかったり、電車の時間が気になったりするから、私は早めに夜ご飯→観劇→うちにとんぼ返り というパターンです(涙)。
coco030705
「ル・カフェ・ベルトレ」ってよさそうですね。私もキールが大好きです。
食前によくいただきます。お料理もおいしそうです。それに場所が
青山なんで、お洒落ですよね。私は東京では青山が好きなんですよ。
といってもそんなにしょっちゅういかないんですけど。
やはり歌舞伎座が中心なんで銀座方面が多くなります。
今年の夏ごろ、フェルメール展を友達と見に行くつもりです。いいレストランをお教えくださいね。
katsura
けど、チャイコフスキーが感動するくらいなら読み返す価値はありそうですね♪
miku
いつかDVDになるかなー
TaekoLovesParis
▲aranjuesさん、<東京のオペラの森も定着してきましたね>
→かなり前からチケットを手配しないと、になってきています。小沢征爾の魅力もあるでしょうね。毎年9月第1週のサイトウキネンは松本だから、簡単には行かれないし。オペラでの指揮者の魅力というものを痛烈に感じました。
ユンディ・リ、10代でショパンコンクールで優勝して話題になりましたね。私も行きたかったけれど、演奏会は1日だけでした。忙しく世界を飛び回っているのでしょう。私はダン・タイソンの演奏も好きです。
▲inatimyさん、そのとおりのお話です。レンスキー役のテノールがよく響くきれいな澄んだ声でした。でね、プーシキン自身もレンスキーと同じ運命をたどるんです。奥さんにフランス人の男爵が言い寄ったと、決闘を申し込み、打たれた傷で2日後に亡くなるんです。「プーシキンの最期」というベッドに横たわり、家族がまわりで心配そうに見つめているデッサン画が、ロビーに展示してありました。37才だったんですよ。
TaekoLovesParis
▲aiaさん、最近のオペラ歌手は太っている人が減りました。だから、演技がさまになるんだと思います。オネーギンもタチアーナも上の写真のお人形のようで、立ち姿だけでも雰囲気が出ていました。
<早めに夜ご飯→観劇→うちにとんぼ返り>
→私もこのパターンが好きですが、仕事帰りのコンサートだと、着くのがぎりぎり。ごはんも食べてなくて、、ということになってしまいます。幕間にサンドイッチ買ってさみしく食べたり、、。友達が豪華なお弁当やお寿司を買ってきてくれたりする時もあります。
▲Cocoさん、やっぱり成功している人はそれなりのオーラがありますね。
友達が2年くらい前に、ウィーンでお昼にオペラ座近くのレストランにはいったら、小沢征爾がひとりでご飯を食べていたんですって。思わず「こんにちは」って言ったら、「おっ、こんにちは」ってきさくに答えてくれた、と感激して、普段旅先から絵葉書なんかくれたことないのに、そのことだけを書いてきました。
キールは色もきれいだから、華やいでうれしいですよね。
Cocoさんの青山好きは覚えていますよ。青山通りは銀座の通りより広いので、気持ちがいいですね。この店、たぶんこれで5000円くらいだったと思います。
はい、夏のレストランですね。見繕っておきます。
TaekoLovesParis
▲katsuraさん、きっとプーシキンもたくさん読んでいらっしゃる、と予想していました。ご幼少の頃、だったんですね。同じロシア文学でも、うちの父が買ってくれたのは、「イワンの馬鹿」でした。
プーシキンは、小さい頃フランス文学に親しんで(当時の貴族はフランス趣味)育ったそうです。「ボリス・ゴドノフ」というムソルグスキーの暗いオペラを見たことがあるけれど、これもプーシキンの原作でした。
▲mikuさん、みんな役にぴったり、でした。おかあさん役の人は太っていて、貫禄があり、いかにもロシアの大地を踏みしめて立っている母という感じでした。オネーギンはアルマーニ風のスーツが似合ってたし、レンスキーは誠実でまじめ一筋でした。DVDになったら、私も見たいです。
yk2
ル・カフェ・ベルトレ
去年、11月くらいかな。お茶しようと思ってたまたま入ったらこのお店でした。ランス・ヤナギダテの経営なんだ~、今度ちゃんと食べに来てみよう!と思ったけどそれっきり(^^;。
TaekoLovesParis
写真に撮ると大きさが感じられなくていいのかも、って気づいたんですよ。
ね、こうやって写真になった方がいいって思いませんか?
(人間より大きい人形って、どうも気味悪いけど。。)
「ベルトレ」、ご存知だったなんて、さすがおしゃれなyk2さんです。
ティータイムもあるんですね。
とらion
先日plotさんの現代写実画展を観に行った時も東京文化会館の前の人形の前で記念写真を撮っている人がいました。またその前の国立西洋美術館の前のウルビーノのヴィーナスの前で記念写真を撮っている人も沢山いました。しかしこちらは撮りかたにによっては他人に見せれない写真に出来上がるので想像して笑ってしまいました。
TaekoLovesParis
「気持ち悪ーい」って言ったのをyk2さんが覚えていて、↑のような突っ込み
コメントをいただいてしまいました。
オペラ見物の記念撮影スポットであったとは。。
たしかにヴィーナス見物の記念撮影は、撮り方によっては、、ですよね~。(笑)
かよりん
小沢さん、1回だけウィーンで「ドン・ジョバンニ」振っていらっしゃるの拝見しました。こんなに頭や体振って大丈夫かな~(笑)と思うくらい、体全体で指揮していらっしゃるのがとっても印象的でした。
私も「エフゲニー・オネーギン」観たいです。(なんの知識もありませんが。)
それにしてもご夫婦で同じ舞台にたつなんて素敵♪
TaekoLovesParis
→ほんと、そのとおり。
でも、ちゃんと、「レベッカ」も行きました。だから今は「レベッカ~♪」シルビア・グラフの声が聞こえてます。
かよりん、小沢征爾の指揮を本場ウィーンでごらんになったなんて思い出に残りますね!小沢は一昨年、体をこわして入院。春のオペラの森も欠場でした。だから、今回は跳ねずに、手先をみごとに使っていました。
「エフゲニー・オネーギン」は、わかりやすいから、予習なしで大丈夫です。
フレーニとギャウロフは、すてきなカップルでした。ギャウロフは数年前に亡くなったんです。
trestelle
生のオペラからは遠ざかっているので、しばらくはDVDで我慢します。
夏にオランジュの野外オペラで「カルメン」のチケットを取りました。楽しみです。
シェリー
オペラの指揮をされてるなんて知りませんでした。
見所満載ですねー
でもその後のお食事も美味しそう!9時からでもこんなオシャレにお食事できるんですねーさすがTaekoさんです~!
pistacci
お若い頃の小沢さん、パワフル!な指揮をされていたのをかすかに
覚えています。いまは、息子さんが大河でがんばっていますね。
Taekoさんの感想、機会があったら、どうぞ、聞かせてくださいなー♪
TaekoLovesParis
▲trestelleさん、trestelleさんもオペラがお好きなんですね!
<夏にオランジュの野外オペラで「カルメン」>
→いいですね~。すてき。私はまだパリでオペラを見たことがないんです。
見たのはオペラ・ガルニエでのバレエだけです。
▲シェリーさん、指揮者はそれぞれ得意なものがあるんだけど、小沢征爾は、当時、帝王といわれたカラヤンに師事したので、ドイツ物が得意。カラヤンから「オペラと交響曲はクラシック音楽の両輪」と教わったので、オペラをはじめるようになったそうです。
実は、9時から食事すると、帰りの時間が気になります。
▲pistaさん、私も翌日、仕事に早く行かないと、だと、後ろ髪ひかれながらも早々に引き上げます。
西郷どんですね。お顔はお父上に似ていませんね。誠実そうな感じ。
「観劇感想」、明日でも、水玉会報に書きますね。
りゅう
お花見帰りでただの通りすがりなのに。ヾ( ̄ー ̄)ゞ
TaekoLovesParis
協賛というところにNHKと書いてあったから、チケットもらったのかもしれませんね。