夏休み、ボストンに行った。
ホテルの部屋においてあった観光案内本に、「レッドソックスのニューヒーロー」
と松坂の紹介が4ページ。 足をあげたピッチングモーションの大きな写真、スパイク
には「大輔」と名前が縫いこんであった。
部屋の30インチTVは、デジタルのビデオ・オン・デマンド。ビデオ優先で、TVモードに
するのに待ち時間があり、もどかしい。メニューに 「E-mai l」とあったので、
メールを1つ出して、料金は?と調べてみたら、ビデオ1本と同じで、9,98$。 うっ、高い!
ボストン美術館で、「drama and desire 江戸の誘惑」という企画展を見た。
↑
喜多川歌麿と鳥居清長のコーナー。右側は屏風。
私が関心を持ったのは、北斎コーナー。
鮮やかな色使いで大胆。
北斎は師が亡くなった後、従来の美人画や掛け軸だけでなく、自由に灯篭、旗、布
などいろいろな素材に絵を描き始めた、とのこと。
灯篭 旗
灯篭は8枚はぎ。8枚の和紙に描いた竜の絵を剥ぎ合わせている。
旗(banner)は、赤いしょうき様。しょうき様は、中国の神様で、子供を病魔から守るので、
5月5日の端午の節句には、しょうき様の人形が飾られる。普通もっと恐い顔だけど、
これはユーモラス。
↑
「不死鳥」phenix これも70歳過ぎの作品だったと思う。
↓北斎は89歳で亡くなるが、これは亡くなる年の作品。
中国の詩人 Li Bai (李白)の「飛流直下三千尺 、、、」という滝を崇める詩の情景を
描いた作品。滝の大きさに比して人間の何と小さいこと。人生を達観したような構図。
今まで私の知っている北斎は、「富嶽百景」のように富士山か波。
↓ 今回の企画展に、こういうのは無かった。
ボストン美術館は、700枚以上と世界中で一番たくさん浮世絵を持っているそうだ。
だから今回の企画展も、所蔵品から構成されている。
大仏も7つか8つあり、寺院ふうの部屋を3つ作って、展示されていた。
この記事へのコメント
julliez
写楽の艶っぽい色気とはまた違った魅力が好きです。
ボストンに行っていたのですね。
いいなぁ、夏休み・・・。(。´-ω・)
aranjues
評価されているか解ります。
ボストン美術館の浮世絵、日本にあったら美術館へ行こうという
意欲も多少は増すんですけど。西
洋美術にはほとんどアンタッチャブルですが、日本の文化、
美術には興味あります。
Inatimy
なぜか、オランダの雑貨屋さんには、仏像を売ってます。 素材も軽いもので出来ていて、たまに、ビロードみたいな手触りで、水色だったり、ピンクだったり・・・。 時には、頭だけ、というのもあって、日本人として複雑な気持・・・。
aia
noriko
ボストンボストン美術館は日本画のコレクションが充実しているのですよね♪
newyork
子供の頃、切手の浮世絵シリーズを集めていたので
北斎といえば、富嶽百景?(三十六景?)の
ビッグウェーヴや赤富士をやっぱり思い浮かべてしまいます☆
シェリー
こうして写真だけ拝見してると
海外の美術館とは思えないよな日本空間ですね~
それだけ日本の芸術が好まれてるってことなんでしょうか?
PS.東京は台風がすごいようですが、大丈夫でしたでしょうか??
Zunko
私は、今回、行かれなかったので、こうして写真で見られて感激です。有難うございます。
アメリカで一番好きな美術館です。英語の名前も、Museum of Fine Artsと地名を使わず名乗ってる所が主張があって好きですし。印象派の部屋が充実してるのが好きです。
天心園には行かれましたか?
TaekoLovesParis
なんです。MFAってそういえば、どこにも地名がないですね。
印象派の部屋は、一部屋に最高のレベルの作品が集合していて、すごい
ですよね。次回その紹介をしたいと思います。2日間にわたって行ったので(チケットは2日有効)、日本庭園の天心園も行きました。静かな空間ですね。
TaekoLovesParis
夜中が一番すごかったので、一部川のあふれた所もあったようですが、
大きな被害はないようです。通勤途上、木の倒れている家があったので、
すごい風だったのだな、と思いました。
あらためて日本文化のすばらしさを実感しました。
海外で日本のものを見るって何だか誇らしく思えませんか。
私はナショナルギャラリーで伊万里を見たときに、ちょっと嬉しくなってしまいました。フェニックスのダイナミックさに感激です☆
coco030705
ボストンで素敵な休暇をすごされたことと思います。
美術館の北斎の絵、すばらしい。
「灯篭」の竜は迫力がありますね。すばらしいです。
「旗」のほうもいいですね。それから「不死鳥」も
色鮮やかです。これが70歳の作品とは到底思えません。
芸術家って、どうしてその情熱を年を重ねても持ち続けられるんでしょうね。
danke
(歌麿とはなかなか渋いチョイスですね。)
miku
それだけ見所が多いんですねー。
不死鳥、すごいです。70歳すぎの作品とは。
ボストンといえば、セルティックス。
ケビン・ガーネットとレイ・アレンが移籍してきて盛り上がってそうですが..(すみません、強引なバスケットネタ)
日本人の私達が見ても、うっとりする作品ですね。
灯篭が良いですね~^^。
pistacci
こういう一面を知ると、とても身近に感じますね。
『不死鳥』は、いつか見て見たいなー。大きな作品なのかしら?
yk2
でもこんなにも貴重な文化財がたくさん国外へ流出してしまったのは、やっぱり戦争の結果なんですよねぇ。
北斎が鍾馗を旗に描いていたなんて、ちょっとイメージ違う感じ。
TaekoLovesParis
▲julliezさん、おっしゃるとおり北斎は男性的な絵ですよね。
夏休みもなく働いているんですね。おからだに気をつけて。
julliezさんに少し余裕ができたら、葡萄組集会をしましょうね。
▲aranjuesさん、日本の古い時代の絵に、外人がガラスケースに鼻が
くっつきそうなくらい近づいて、じっと見ていたり、友達どうし熱く語って
いるのを聞くと、誇らしげな気持になります。日本美術には伝統のもつ
よさがありますね。
▲Inatimyさん、<灯篭の絵、刺青みたい・・・>→言い得て妙です!
竜の図柄ですものね。オランダで売っている仏像は、人形の範疇なん
ですね。所変われば、、。
▲aiaさん、2年位前に東京で、「HOKUSAI」という展覧会があって、
それは、北斎の波の絵がデザインとして優れている、という新しい
観点のものでした。デザイン性にすぐれている波や富士山の他に
こんないろいろ作品があって、madness of painting という説明が
ぴったりです。
▲てんとうむしさん、700点以上あるそうなので、これはほんの一部
ですよね。さらに日本コーナーを充実させる工事をしていました。
nicolas
海外には日本の江戸時代あたりの珠玉な作品、流れ出ちゃったのが多いですから、
こういうのに、ちょっとピンとアンテナが引っかかります。
実は結構江戸時代のいろいろに興味があって、特に自分は北斎よりも
広重がお気に入りです。彼の大胆な構図とお茶目な仕掛けに首ったけ。
広重はなかったですか?
↑見たら、700点以上!!!なんかにおいますねーー
TaekoLovesParis
▲newyorkさん、madness of paintingと、解説に書いてありましたが、
そのとおりですね。描くことへの狂ったような情熱、それでこそ、後世に
残るような作品ができるんでしょうね。
▲Taddyさん、<北斎は"great printmaker"として崇拝されてます>
そういう紹介のされかた、うれしいですね。浮世絵は版画の一種
なんですね。ボストンは今はハーヴァードとMITの大学都市だから、
静かで落ちついた所です。カンザスのお友達と旅行中のブログ記事
だけど、Taddyさんも古巣カンザスにいらしてたんですね。
▲コールドターキーさん、そういえば切手に、北斎の大波や赤富士が
ありましたね。写楽や見返り美人もね。そういえば「切手の博物館」が
目白にあると、↓のpistacciさんが書いていらしたので、行ってみたい
と思っています。
▲範子さん、床の間に掛け軸は、身近にあるので、良さに気がつか
ないけど、こうして外国で見ると、しっとりとしていいなと思います。
▲好くん、<海外で日本のものを見るって何だか誇らしく思えませんか>
→ほんと、そう。「すごいでしょ」って言いたくなります。
好くんのロンドン記事、まだノッティングヒルの本屋さんしか読んでない
んですが、ナショナルギャラリーもいらしたんですね。読みに行きます。
かよりん
外国で日本文化に触れると、ちょっと違った新鮮さがありますよね~。
ボストン美術館いつか行ってみたいです。(いつになることやら・・・。)
katsura
ラ、ラーメンのどんぶりの模様に見えちゃうよ~。
いっぷく
北斎はどこの国でも熱烈なファンがいますね。
僕は北斎漫画が好きです。
TaekoLovesParis
▲Cocoさん、浮世絵は女性的で繊細だけど、この北斎作品は男性的で
線が力強いんですよ。年齢を重ねると、無駄な線がなくなって、一筆で
しゅっと描けると聞いたことがありますが、ほんと、その通りですね。
情熱を持ち続けられる秘訣は、使命感でしょうか?これを描かねばという
ような。
▲dankeさん、一昨年いらしたんですか!今回は期間限定の企画展だった
ので、普段、出ていないものも見せているんでしょうね。5年位前、ここで
「村上隆展」を見て、村上ワールドを知ったんですよ。今ほど有名では
なかったのに、もうボストン美では大々的な展覧会をしていたのですから、
すごいです。
▲mikuさん、ボストンはレッドソックスだけでなく、NBAもですよね。新聞はいつもAllen話題でした。レイ・アレンの他にトニー・アレンもいるんですね。
新しいコーチにニックスや76ersのコーチをしたベテランの人が決まった
って読みました。
ムーミン
そちらで、日本画を見るのって、面白いですよね。
そんなに貯蔵しているなんて、びっくりです!
りんこう
ボストン美術館の浮世絵コレクションは有名なんですよね。
Taeko さんは以前もボストンに行かれていましたよね?
まだアメリカ大陸に行ったことのないりんこうですが、
どこかまた美術館に行きたくなってきました。
TaekoLovesParis
▲りんりんさん、そう、絵やかけ軸など平面的なものの中で、立体的な灯篭は目立っていました。柄違いのと2つ展示してあったし。
ボストン美術館は日本のものを多く所蔵していて、日本庭園もあるんですよ。
▲pistaさん、私も「師が亡くなってから、、」を読んで、厳しい徒弟制だったのね、と思いました。自由奔放には描けない時代だったんでしょうね。
絵描きが職業だから。不死鳥は横が120センチくらい。半間よりちょっと
大きい感じでした。
▲yk2さん、<やっぱり戦争の結果なんですよねぇ。>
→そうですよね。為替相場が今とはぜんぜん違うから、ものすごく安く
美術品を買えたでしょうね。何でも売って食べ物が手に入れたかった
のが戦後すぐの時代、ってきいています。
ショウキ様のこの長靴の足元が軽くて、剣をさしているのに庶民っぽい
足取り。
▲にこちゃん、広重は1枚だけありました。ちょっと地味なのでした。
「他に広重は?」と探しましたが、1枚だけでした。今度、別の企画の時は
広重がたくさん並べられたりするのかも。
▲かよりん、外国だと、説明文がすごく大雑把に書いてあるので、
わかりやすい、って言っちゃ、わかりやすいけど。。外人が感心して
見てくれていると、うれしいです。
▲katsuraさん、<ラ、ラーメンのどんぶりの模様>→その通りでしたね。
さすが師匠、見所が(笑)
▲いっぷくさん、ミッキーのお好きないっぷくさんだから、北斎漫画が
お好きなの、なんとなくわかります。漫画はここにある作品とは、
ぜんぜん筆のタッチが違うから、多才ぶりがわかりますね。
▲ムーミンさん、外国で日本の絵を見るのは、新鮮です。日本は伝統が
あってすばらしい、と実感します。だってその時代のアメリカの絵画は、
今見てすばらしいと思えるものが少ないじゃないですか。
▲りんこうさん、アメリカはヨーロッパより気楽です。言葉も英語だし。
ボストンの他は、ニューヨーク、デトロイト、フィラデルフィアが私が行った
美術館だけど、、、マドリッドやパリ、ウィーンの方がいいです。
ちなみに、私は龍の絵を何も見ないでかけます。。。