りんこうさん、katsuraさんから 「ここは、デューラーの絵が有名なのでは」と、正論コメントを
いただきました。
デューラーは中世ドイツを代表する画家です。
中世のドイツは、ルターの宗教改革があった時代。芸術家が少ない中、デューラーは一人、
光を放っています。
デューラーの絵はとても力強く男性的です。そのせいか私が知っている限りでは、
女の人で「デューラーが好き」という人は少数。
以下にデューラー作品を3点ご紹介します。
①これは、デューラー の「1500年の自画像」、28歳です。
キリストを意識して描いたのだそうです。説明がなければ、これを「キリスト?」と思う人も
いるかもしれないほど、神々しく深い沈黙と内面性にうたれます。
この写真では、小さくて見えませんが、左上の金文字は1500(年)と自分の頭文字AD。
右上に「アルベルト・デューラー・。。。不朽の色によりかく描けり」とラテン語で
書かれているそうです。
②「4人の使徒」↓
キリストの4人の弟子、左から、ヨハネ、ペテロ、パウロ、マルコ。
各々の持ち物は、ヨハネとマルコは聖書、ペテロは天国の鍵、パウロは剣。
「4人の弟子のそれぞれの性格の違いがはっきり表現できている絵」と説明がありましたが、
私は祭壇画として描かれた2枚の絵の対称性、左の赤と右の白の衣装に目がいってしまいました。
衣装が単色でこうだから、表情がはっきり読み取れるのかもしれません。
左の2人は聖書を深く調べている穏やかな研究者的まなざしなのに対し、右の2人の目つきの鋭さ。
白い衣装のマルコは「激情的で怒りっぽい」性格で、隣のパウロは「心配症」
戦いをいどもうとするマルコに「本当にやるんですか?」と心配そうなパウロです。
③三面鏡を広げたような形の3つに分かれた絵「Paumgartner-Alter Um1500」
中央がキリスト降誕の絵、マリアとヨセフが中央。
左右はその地域の旗を持つ騎士姿の聖人。
デューラーに次いでなじみがあるのは、クラナッハでしょうか。
「アダムとイブ」が有名ですが、これは「Goldene Zeitalter(黄金時代)」
← クラナッハの「ルクレティア」 思いつめた表情のルクレティアですね。
ルクレティアは、パルマ展のパルミジャーノ作品と比べてみるのもおもしろいかと思います。
<追加>
デューラーの26歳の自画像(プラド美術館)
☆ 文中に登場している、「りんこうさん」が、2010年、ついに、ここにいらっしゃった記事です。
この記事へのコメント
aranjues
って、馴染みのある画家はほぼ皆無ですが(苦笑)。
ここで俄勉強させていただきますでよろしく~(^_^)
いっぷく
この自画像は私の想像でのキリストと重なります。
画家の力量を感じる作品ですね。
黄金時代の寝そべっている女性の姿が?足の位置があんな風にできるんでしょうか。人間の裸像なんですが、妙に非現実感が漂い、人間離れをしている印象を受けました。
iruka
ルターの宗教改革
いつの時代も 良き社会を求めるだなって
高校生ながら感じとあことがありました。
最近 教会で説教を聞く機会があり、気持ちが
引き締まる 思いがしました。^^
雛鳥
どうぞご無理をなさらないように…。
デューラーの作品をまじまじと見たことがありませんでしたが、
ご紹介の作品だけでも、確かに力強さと存在感を感じます。
特に①は、画家の強い意志が感じられます。
こちらを見つめられているようで、何もしていないのに罪悪感を覚えるような…。
クラナッハは繊細で美しいですね。
パルマ展の招待券を貰ったので、近々行ってみようと思っています。
julliez
一瞬大きな木桶の中で収穫した葡萄を潰す為に桶の中に入ってダンスしながら踏んでいる昔の様子に似ているなぁと錯覚しそうになりました。
もしかして意識されているのかしら?
って思うほど雰囲気が似ています。
そういえば楽園の禁断の林檎の次は葡萄ですものね。^^
匁
お元気な様子安心しました。
デューラーはどんな画家か代表作は何か?よくわかりませんが
今より5007年も前にこの絵画を描いたのには感心します。
日本では戦国時代!!
カメラもないし、モデルを使って一人一人のポーズをデッサンで克明に仕上げんたんですかね?
お身体を大切に!
かよりん
くれぐれもご無理なさらないで下さいね。
さて、今回の記事「デューラー」初めてでまた勉強させて頂きました。
自画像は私も最初キリストかと思いました。かなり意識してますね。
あと、28歳にしては老けてる・・・。(すみません、レベル低いコメントで)
パルマ展は今週末に行く予定です。
aia
miku
クラナッハの「黄金時代」は、みんなの浮かれ具合がすごい。
Inatimy
pistacci
私の「好きな絵」の仲間入りしました。少数派です(^^)v
バニラ
今日は連休中仕事だったのでお休みなんです。
ゆっくりTaekoさんの記事を読みたかったので 紅茶を用意してPCを開きました♪
ルネサンス期の絵画は詳しくなく、今までも通り過ぎるだけで こうしてTaekoさんに紹介してもらって 少しずつ自分の中で消化する機会が得られたことに感謝です。
で、デューラー、この自画像の通りだとすると(得てして自分を過大評価する画家も多いので...)相当美形ですね♪ すいません、ミーハーで...
「4人の使徒」、この絵いいですね。 色彩と陰影が見事だと思います。
確かたてロールの巻き髪が特徴の・・・。
自分でせっせと巻いていたと、書簡で読んだような・・・?
4人の使徒の布の質感が好きです♪
nicolas
というか、アダムとイブが複数いるんですけど・・・なんか不思議な世界。
そういえば、ヂューラーって堅めのイメージあるんですよね。
教科書ではみたし知ってるのにあまり入り込めないのは、
どこか作品自体にも固さがあるからかなぁ。
イメージとしてはガテン系の人だったんですが、
意外と華奢な方なんですねー ちょっとビックリでした。
berry
「4人の使徒」の白い衣装のマルコ、確かに目つきが鋭いです。
キッと睨んだような目はただ者ではありませんね。野心家です。(笑)
デューラー、ワタシの印象では色が鮮やかです。
「Paumgartner-Alter Um1500」は特に色の力強さを感じました。
わたし、この絵を気に入りました。
中世が色濃く描かれているところが好きです。
TaekoLovesParis
▲aranjuesさん、私もデューラーを知ったのは、わりあいと最近のことです。
硬質であんまり好きになれなかったんですが。。
クラナッハの絵は、ドイツのビールのラベルに使われています。
▲いっぷくさん、実は私も最初、キリスト像かと思ったんですよ。自画像だとしたら、デューラーは修行僧のような人?と考えたり。。
「黄金時代」の左の人、足が長くて柔らかでないと苦しい姿勢ですよね。
楽園だから、非人間的なのでしょうか?
▲irukaさん、ドイツ語の音も男性的ですよね。
デューラーはルターの支持者だったそうです。ルターが宗教改革でおこした
プロテスタントは、偶像否定の精神ですから、教会にステンドグラスも絵画もありません。それはカソリックの人からすると殺風景だそう。
▲雛鳥さん、温かいお言葉ありがとう存じます。
実はデューラーの自画像は私が見ただけでも、もっと若い時のが2つあります。もっと穏やかな顔つきなんですよ。自画像の中でもこれが有名なのは、やはり、キリストの持つ畏怖感に通じるものがあるからでしょうね。
個人的にはルノアールよりクラナッハの体型になりたいです。
パルマ展、私はとってもよかったので、雛鳥さんのレポート楽しみにしています。
▲julliezさん、「そうね!」すごいご明察。塀の丸いカーブが木桶のように見えてきました。
yk2
TaekoLovesParis
▲kitaさん、お気遣いいただきありがとう存じます。仕事から解放され、
早く帰れた日、まず最初に、TVでナイター中継を見ました。でも大負け
した日でした。
今でも画家の人はポーズをとってもらってデッサンしていますね。
筋肉の動きやようすは写真ではわからないからでしょう。
▲かよりん、はい、もうムリしない(できない)年です。。。
よ~くわかりました。
キリストを意識したから28歳でもこんなふうなんですよ、きっと。
26歳の(プラド美術館)と23歳(ルーブル美術館)のはもっと溌剌と
しています(っていうかフツー)
TaekoLovesParis
▲aiaさん、明暗を使いわけてクローズアップするように、背景との対比で
際立たせて見せたり、など手法もいろいろですね。デューラーのような
ストイックなタイプの画家は中世フランスにいるのでしょうか?
▲mikuさん、眼光鋭くタダ者ではないぞ、ですよね。
楽園ですることも水浴、ダンス、寝そべっての語らい、分け合って食べる、
現世と変わらない、、、働く場面がないだけ。
▲Inatimyさん、さすが鋭い!クラナッハの女性は胸が小さいのが特徴
だそう。
TaekoLovesParis
の絵を思い出していました。全部を茶系でまとめてあるからでしょうか。
あのね、私の知っているデューラーファンは、実はkatsuraさんだけ。
これで約2名になりました(笑)
TaekoLovesParis
だんだんバニラさんの好みがわかってきた。しっかりした顔が
お好きでしょ?前にモーリス・ドニもイケメンっておっしゃってたし。
私は<追加>しておいたけど、こっちのほうがいいです。
TaekoLovesParis
いますね。
<追加>で写真加えました。これでしょ?髪、自分で巻いてたんですか?
おもしろい!帽子と服に大きなストライプがはいっていて、かなりおしゃれ
ですよね。
TaekoLovesParis
→つまり~、これはアダムとイブじゃないのでは?2人が楽園を
追われた後のことかな、と。。
クラナッハの「アダムとイブ」はベルギー王立美術館にあり、すっきりと
洗練されたきれいな絵。大丈夫、いちょうの葉持っています。
TaekoLovesParis
数名がじっと見ていました。すいていたので、複数で見入っていたのは、
この絵だけでした。「色鮮やか」っておっしゃって下さったとおり、騎士の
赤い甲冑がとてもインパクトがあるんですよ。
説明がもっとわかったらおもしろいと思うけど、ガイドブックはドイツ語。
だからさっきドイツ語辞書買ってきました。
TaekoLovesParis
パルミジャニーノのでは、「死にます!」の決意でドラマティックだけど、
クラナッハの場合は「死にましょうか」くらいの感じで、刺しても致命傷に
ならないですね~。ポーズだけって感じ。
クラナッハの「ヴィーナス」も小品で同じように背景が黒。美しいけど、少女
っぽくて、「何でこれがヴィーナス?」。胸を小さく描くから少女っぽく見えて
しまうんでしょうね。
coco030705
このデューラー の「1500年の自画像」がとっても素敵です。
ほんとにイエス・キリストのような感じがします。
キリストの自画像といえば、私は前にレンブラント展で見た
イエス・キリスト像が好きです。絵葉書があったんですが、クリスチャンの
友だちに送ってしまって、後悔してます。(^^)
以前スペインのプラド美術館に行ったときも、宗教画、古典絵画の美しさを
堪能しました。宗教画は特にエル・グレコが圧倒的に素晴らしかったのですが、ムリーリョの美しいマリア様も大好きです。
絵画も色々な種類のもがあって、楽しいですね。
(コメントが遅くなりました。この記事の前の3件にもコメントしましたので、
よろしかったらご覧くださいね。)
TaekoLovesParis
TaekoLovesParis
レンブラントのキリスト、どんなのだろう?気にしてるとめぐり合えるので、
そのときは「Cocoさんの」って思い出すでしょう。
プラド美術館は圧巻ですね。ここはプラドほど天井が高くないんですよ。
プラドのムリーリョの縦長のマリア様、「無原罪の祈り」も印象に残る絵ですね。エル・グレゴの絵の前に立ったときは、恐れを感じました。
りんこう
今度はドイツ絵画ですね。
「四使徒」はパウロの表情が印象的ですね。
「本当にやるんですか?」ってホントそんな感じですよね。
クラナハはやはり描かれている人物の体型が特徴的ですね。
すぐにクラナハだと判ります。ちょっと小悪魔的な印象が漂いますね。
バニラ
普段使用のmyカップはピーターラビットだし...
わたしは追加じゃない方が好みだわぁ♪
見てるだけならしっかり美形がいいなぁ。つきあうのはホッとする顔の方がいいけど?
TaekoLovesParis
TaekoLovesParis
つけようと思っていたのに、すっかり忘れてました。
パウロのこの表情、こんな映画俳優がいたような気が。。
クラナハの描く人が小悪魔的なのは、ちょい人間ばなれしているから?
ひょい、ひょいと身軽な感じですよね。
TaekoLovesParis
私とバニラさんは、恋敵にならないですみますね。好みが違うから(笑)
声もわりと重要な要素。バス、バリトンに憧れるけど、現実、私の周りには
テナーばかりで。
バニラ
すごーく好きな音域があります。 やっぱり重厚な低音にしびれてしまいます。 とっても惹かれるその音源?を振り返って見てがっかり~ということの方が多いけれど....
katsura