ペルジーノは15世紀、イタリアのペルージャ出身。
ペルジーノという名前は、ペルージャの人という意味で、ペルージャを代表する人であった。
当時は、ダ・ヴィンチと並び称される大画家で、弟子がラファエロである。
でも、なぜ後世に名を残さなかったのか? と思いながら、会場にはいる。
ブルーが清々しい!
明るく優美な宗教画。
天使が大きいですね~。
周りを囲む顔だけの天使は、プット。赤ちゃん天使。
手前の左は、アッシジの聖フランチェスコ。この写真では、小さくて見えないけれど、
衣服の紐の前の3つの結び目が、清貧、純潔、服従を表すフランチェスコのしるし。
右は聖ベルナディーノ。病人、怪我人の救済の聖人で、IHSの字が目印。
遠景の建物や人々の小ささが、主題をきわだたせていて、
ピンクにブルーという色づかいは、ラファエロに伝えられている。
(↓会場入り口の写真)
ペルジーノは、フィレンツェ最大の工房で修行。この工房主は実に多才で
絵画だけでなく、ブロンズから花火、噴水まで手がけていた。
ダヴィンチもこの工房にいて、多才さを受け継いだ。
↑の(会場入り口写真)のパネルの絵と、上の絵、天使がよく似ているのは、
当時の工房では、弟子が師のマネをして描くのが通常だったから。
また、大きな作品の制作では、弟子は天使だけを担当したりしていた。
ダ・ヴィンチもラファエロもいろいろな新しい取り組みをし、天才ぶりを発揮したが、
人気作家ペルジーノは、たくさんの依頼に応えどんどん作品を作りつづけた。
同じタイプの作品の制作、つまり職人であった。その結果、晩年には飽きられてしまう。
ペルジーノは、システィナ礼拝堂の21メートルの壁画の6画面を依頼されて描くのだが、
ほどなく、3画面はミケランジェロの「最後の審判」に変えられてしまう。
↑「ヒエロニムス」
ヒエロニムスは聖書をヘブライ語からラテン語に訳した人。
禁欲的であったので、ヒエロニムスの絵はいつも手に石を持っている。欲望に負けそうに
なると、この石で自分をたたいたのだそう。
この展覧会で宗教画でないものは、1点だけ。↓
★この展覧会は、新宿西口、損保ジャパン美術館にて、7月1日まで。
常設にゴッホの「ひまわり」、ゴーギャンの「アルルの並木道」、セザンヌの「りんごとナプキン」
があります。比較的すいていて、静かに見れる美術館です。
この記事へのコメント
julliez
ストーリー性が強くて実際に見てみたいです♪
いっぷく
『手紙を読む聖ヒエロニムス』という絵があって拡大鏡(虫眼鏡)を持っています。『聖書をヘブライ語からラテン語に訳した人』ということで言語にたけていたのですね、だから石のかわりに研究のため虫眼鏡を持ったのかもしれない手紙を読む行為を絵にされているのはそんなところからきたのかと、Taekoさんの記事を読んで想像しました。
Inatimy
pistacci
・・ぁ~高校生の時の写真に、こんな表情したのがあるのですぅ~悩み多き頃??
常設の「ひまわり」は、例の購入時話題になった絵ですか?
一度見たいと思っていました。よしっ、新宿ね☆
こんどの休みは銀座画廊&新宿、にします(^^)v
色使いがみごとです。
かよりん
1枚目の絵かなり好きです。
Taekoさんが清々しいと書かれてるブルー、私猛烈にこのブルーが好きなんです。
モネ展にもペルジーノ展にも行かなきゃ。
先週、新宿行ったのに惜しいことをしました。
匁
ペルジーノは頭の中にありませんでした。
ペルージャ → ペルジーノ と記憶します。
その時代の代表画家ですか?後の世の評価はまた変わるんですね。
宗教画はまだまだよくわからないけれど
モネ展みたいに
他人の頭越しに見るんではなくて空いていてゆっくり鑑賞できるところがいいですね
ムーミン
晩年に飽きられたので、後世に名を残さなかったという事に
なるんでしょうか。
評価が変わるのは、運もあるんでしょうか。
何か寂しいですね。
noriko
ラファエロは好きなんだけど。。。。
顔だけの天使は上級の天使なのですって。
神様と直接接触するので体は必要ないらしい。
セラフィムやケルビムは6つの翼が持ち、そのうちの2つで顔をおおい、2つで足をおおい、残りの2つで飛ぶのだとか。。。
大天使のガブリエル、ミカエル、ラファエルのクラスになると人間の姿に似せているそうです。
顔だけだとマリア様も怖がっちゃいますからね^^;
TaekoLovesParis
▲julliezさん、<ストーリー性が強くて>→そうなんですよ。あと人物の
持ち物(目印)を覚えると、この聖人は誰かがわかるので、おもしろいな、と
わかりはじめました。タロットもカードにそれぞれ意味があるんでしたっけ?
▲いっぷくさん、<『手紙を読む聖ヒエロニムス』>
→手元にラ・トゥールの「真作一覧」があったので見たら、赤い服を着て
読んでいますね。ヒエロニムスは枢機卿だったので赤い服なんですね。
上の絵の横で、傍らにある赤い帽子も枢機卿のしるしです。ラ・トゥール画集に「枢機卿帽のあるヒエロニムス」もありました。
▲Inatimyさん、ヒエロニムスは足に刺のささったライオンの刺を抜いてあげたので、ライオンは(感謝して)その後ずっとヒエロニムスのそばにいたという話です。
うしろの人たちは民衆ですが、白い頭巾の人たちは匿名で奉仕をする団体。匿名のしるしが頭巾で顔を隠すことだったんですって。KKK団みたいで
ちょっと引けますが。
顔だけの天使は、てんとうむしさんが↑で説明を書いてくださっています。
TaekoLovesParis
▲pistaさん、この絵の名前、わからないので、今後、pistaとよばせてもらいます(笑)。「ひまわり」→そう、日本がバブルの時代のお買い物。安田火災
だった時代ですね。
▲範子さん、空のブルーに吸い込まれそうですよね。下のヒエロニムスも
そうだし、ピンクとブルーというとりあわせが優雅な感じをだしていますね。
▲かよりん、私も知らなかったんですよ。電車の中の広告でいつも見ていたけど、行こうと思っていなかった。パルマ展に行って、「あ、あれも行こう」
という気になったんです。興味ってどんどん広がっていくから。
<私猛烈にこのブルーが好きなんです>→では、これは、かよりんブルー
と命名(笑)
▲kitaさん、私もペルージャ=中田英寿しか知らなくて。
多作で新しい試みに挑戦しなかったペルジーノはお金が好きだったという
説もあります。
ここは、いつもゆっくり見れるし、建物の管理がよく、きれいなので、結構気に入ってます。
▲ムーミンさん、<評価が変わるのは、運もあるんでしょうか>
→運もあるけれど、同時代、同じ工房だったダヴィンチとラファエロは、常に
新しいことに挑戦していたそうです。でもペルジーノは名声に胡坐をかいてしまったのでしょうね。人生の後半、安きに流れたから、でしょう。
▲てんとうむしさん、教えてくださってありがとう。
私も知らないことだったし、ちょうど,Inatimyさんへの答えになりました。
一番上の絵の天使は、セラフィムとケルビムと書いてありました。
yk2
これも観に行ったんだ~。
>多作で新しい試みに挑戦しなかったペルジーノはお金が
>好きだったという説もあります。
絵画=芸術とは単純に割り切れない時代だから仕方無いでしょう~。職人さん気質の方が強かったのでは?。当時のキリスト教ではお金儲けは罪扱いでしょうから、少しは割り引いてあげないと可哀相かも(笑)。
miku
私も、中田選手(ああ、もう選手じゃなかった)を
思い浮かべました。
私も最後の絵、好きです。
雛鳥
「誰だろう?」と思っていましたが、色々謎が解けました。
そもそも「ペルージャの人」という意味の名前からしておもしろいですが、
名前を残さなかったことの表れなんですね。
作品はどれも美しいです。
特に、ライオンと一緒の「ヒエロニムス」が好きです。
損保ジャパンの美術館は、景色がきれいなので私もたまに行きます。
時間があればこちらにも行きたくなりましたが、モネ展もまだですので、
少々難しいかもしれません…。
ベルト・モリゾ展開催の際には、是非行きたいと思っています。
シェリー
ペルジーノさん、ペルージャを代表する人なんですね。
ホントに色んな青色があって清々しい印象うけました。
赤ちゃんの天使?はちょっと恐いような気もしますが・・・(汗)
nicolas
最後の肖像画、憂いのある表情が、ナンか惹かれますねー
berry
その写真のような、天使を抱っこした絵、その時も今また見ても . . . なぜか好きです。
iruka
文字が読めない人に
その崇高さを理解させる
目的があったと聞いてます。
英語 フランス語では
日本人は、理解する人は少ないですね。
TaekoLovesParis
▲yk2さん、知ってることがふえてくると、見るのが楽しくなって。だから、Bunkamuraのプラハも行きました。
おっしゃってくださった通りですね。絵描きが職人で、ブリューゲルのように世襲も多かった時代ですものね。職人として頂点に立っているのに新しい試みをする必要はないし、弟子を育てることがだいじだったかもしれませんね。
▲mikuさんへ
サッカー大好きなmikuさんだから、パルマにペルージャじゃ、絵より中田
ですよね。ペルージャって私は中田が行くまで知らない場所でした。
▲雛鳥さん、いっぷくさんも↑でおっしゃっているように、ヒエロニムスは
いろいろな人が描いているので、くらべるとおもしろいです。
ベルト・モリゾ展があるんですね。入り口においてあったパンフで初めて知りました。
▲シェリーさんもやっぱりサッカーでしか知らなかったんですね。ホッ。
<赤ちゃんの天使?はちょっと恐いような気もしますが>
→赤ちゃんなのに大人びた顔つきですよね。しかもしっかりイタリア人の
顔してるし~(笑)
▲にこちゃん、<確かブルーのローブって特別な意味がありましたよね>
→知らなくて。。。衣服の色は枢機卿の赤しか知らないんです。
<最後の肖像画、憂いのある表情>
→きっと宗教的な憂いなんでしょうね。
▲berryさん、私もよくわからないけど、マリアさまがイエス・キリストを抱っこ
している絵は「聖母子」とよばれ、いろいろな人が描いているモチーフなんです。
pistacci
少年だったのね。しばらくお話してきました(笑)
絵葉書が無かったのが残念!
記事にしてくださってありがとう。とてもよい美術館でした☆
TaekoLovesParis
静かなpista対談の時をお過ごしになったそうで。。
<少年だったのね>→や~だ、、笑っちゃう。あ、ごめん、pistaさんの高校時代、、憂いを秘めているけれど、きりっとした表情から賢さが伺えるところがpistaさんとの共通項でしょう。
TaekoLovesParis
その崇高さを理解させる
目的があったと聞いてます。>→なるほど、、当時は文字の読めない人が
大勢いたから、聖書も絵で教えていたんですね。
りゅう
『~ラファエロが師と仰いだ神のごとき人~』、
このサブタイトルは反則(販促?)ですよね!(笑)
しかも巷で話題のレオナルド先生の兄弟弟子だなんて!!(笑)(笑)
なんでこの時期にこーゆーの持ってくるかな~
もうすぐ終わっちゃうんですよね。
ものすご~く魅力的ですが、ものすご~く日程的に厳しいです。。。(^_^;)
pistacci
いまの私は、クリムトの憂いを含んだまなざしのLadyよ・・・
って、言ってみたい~~キャーq(≧∇≦*)p
TaekoLovesParis
販促とは、うまい!キャッチコピーといえど大げさすぎですよね。
一番上の絵の遠景は、ダヴィンチの遠景の透明な空気が漂う感じをマネしたのだそうです。展示数はさほど多くないです。
TaekoLovesParis
<クリムトの憂いを含んだまなざしのLadyよ・>とは、、、うんうん、、て
感心していたら、次の行で、な~んちゃって、でしたね。
pistaさんはお茶目なLady。