「この夏はご苦労さまでしたね。ゆっくり休んでくださいよ」と言われ、休みがとれることになった。
どこに行こうと、考えた。パリの友達には今夏会ったし。
数日前、yk2さんがブログにメアリ・カサットの絵が好きだ、と書いていらしたのを読んで、
カサットはボストン美術館で以前、いくつも見たのを思い出し、調べたら、「パリのアメリカ人」という
企画展をやっているとのこと。おもしろそう。ボストン美術館に行こう。
これは、今回初めて見たカサット作品。「青い肘掛いすの少女」
代表作らしくて、絵葉書を売っていたので買いました。
肖像画を描かせたらピカ一の、ジョン・シンガー・サージェントの作品が
一番多く展示されていて、ポスターには、左の絵が使われていました。
右は、「リュクサンブール公園にて」 月が出始めた宵。散歩をするおしゃれな2人。
<本展覧会の説明文>
南北戦争後、アメリカの画家たちにとって、パリは抗えない魅力の街だった。
彼らは、パリに出かけ、ルーブル美術館で巨匠の絵を学び、毎年開かれるサロンの
品評会でモダンアートに接し、美術学校(ボーザール)や有名画家のスタジオで
研鑽をつんだ。当時のパリは街全体がアートスタジオだった。アメリカの画家たちは、
パリの活気にみちた芸術的な生活に浸った。
モネに師事したサージェントの作品。「森で絵を描くクロード・モネ」
横にいる白いドレスの人はモネ夫人らしい。
パリの街を描いた作品は、他にチャールズ・カランの「クリュニー公園の午後」
赤いパラソルと奥のカンナのような花の赤が印象的。
ここに展示されている絵から、1900年頃のパリのようすが伺えます。
貴族や王様のいないアメリカ人からすると、パリの歴史的公園、建物、ブルジョアの
洋服の優雅さ、身のこなしのエレガントさは憧れの対象だったことでしょう。
さらに、アメリカに帰国した後、画家たちのパリでの経験が、作品にどのように生かされた
かも展示しています。印象派風のアメリカの風景画です。 毎月第一金曜の夕方は、メインの展示室で音楽とカクテルのパーティがあり、美術館の
チケットを買った人は誰でもはいれます。ちょうど、私が行った時がそうでした。
この日のイベントは、音楽ではなく、サーカスのアクロバットでした。
アメリカ人はフランクなので、「あんなこと出来て、すごいわね!」と話かけてきます。
ドーム型の天井画が立派で、サージェントの作品。
↓の写真は、廊下の部分の天井。レリーフがサージェント作品です。
美術館の建物は、ギリシア神殿ふうの威風堂々です。
これは2002年に行ったとき impressionist STILL LIFE (印象派画家の静物画)という
企画展をしていました。マネやモネ、ルノーアルの花の絵がずらっと並んでいたので、面白い
企画だなと思いました。
この記事へのコメント
yk2
「リュクサンブール公園にて」の“おしゃれな2人”を見て、映画“五線譜のラブレター”のワン・シーン、ケビン・クライン扮するコール・ポーターとリンダ(アシュレイ・ジャッド)がパリの公園でデートをする場面を思い出しました。彼らも印象派の画家と時代は違えど“パリのアメリカ人”だったんだよなぁ、なんてね。
lie
ボストンミュージアムの外観、すっかり忘れていましたが、中の空間の心地よさは覚えています。
ほんとに、 taekoさんの行動力にはびっくらこ〜です。こういうの筋金入り・・って言うのかな?
匁
遠くまで連れて行っていただきありがとうございます。
ボストン美術館の話ですか?
今回のTaekoさんのblogはblogでなくbookですね。
題名は「世界の美術館紀行」ですね。
優雅なパリが描かれていますね。想像つきません?
美術館の展示室で音楽とカクテルのパーティが催されるのですか?
これまた想像つきませんね。
せいぜい学芸員のお堅い説明ぐらいですからね
そんな催しが好きな絵画の前であると美術も身近に感じることができるでしょうね。 ただ、大切に保管しているだけではね!
日本の美術館の学芸員に伝授してくださいよ
そうすると美術館がもっと面白くなると思いますよ!
すばらしいTaekoさんの行動力に
今後とも祈念して
乾杯します。(ワインで)
noriko
その行動力見習いたいです(^^
TaekoLovesParis
▲yk2さんへ
さすが~yk2さん、パリのアメリカ人にぴったりの映画を思い出してくださいましたね。アシュレイ・ジャッドのクラシカルな衣装がどれも豪華でため息の出るほどすてきでした。
ヘップバーンの「シャレード」もパリ観光映画。ジバンシーの衣装で評判に
なりましたが、ヘップバーンは雑誌記者?、働く女性なので、斬新なデザイン。1900年代のイメージとは違いましたね。
最近(?)では、ケイト・ハドソンとナオミ・ワッツの「ディボース」という映画、サブタイトルが「パリに恋して」、でした。ハリソン・フォードの10年位前の映画
「ファナティック」もパリで習慣の違いに右往左往するアメリカ人。ちょっと大げさすぎて、う~ん、、でしたけど。
▲Bonsoir lie,
<中の空間の心地よさは覚えています。>
→この言葉がぴったり!ほんと、心地よいのです。天井が高く広々としていて、移動する空間(廊下、売店)の大きな窓からは、日本庭園が見えてほっとします。細部までよくデザインされているな~と感心。ティールームもレストランもゆったりとしていて、時間までもがゆっくり流れていく気がします。
▲kitaさんへ
本に見立てていただいてありがとうございます。表紙の写真を何にしようかと
考え中(笑)
<美術館の展示室で音楽とカクテルのパーティ>
→日本ではありえませんよね。西洋美術館のオープニングパーティも
いつも別室。絵の前では「飲食禁止」ですから。
絵は見るのは心を癒すためであって、勉強じゃありませんものね。
kitaさんがおっしゃるように「楽しむための工夫」を考えた方がいいですね。
では~返杯(ワインで)
雛鳥
ボストンに行ってらしたんですね、お帰りなさい。
メアリ・カサットという画家の名前は初めて目にしましたが、
少女と犬の気だるくゆるい雰囲気に、心地良さを感じます。
色使いもとてもきれいですね。
海外の美術館は、外観や内装が既に芸術の域ですね。
ドーム型天井絵も、威厳があって素晴らしいです。
こんな素敵な空間で、充実の時を過ごされたTaekoさんが羨ましいです!
berry
ボストンへ行ってらしたのね。それも、「よし、京都へ行こう」的感覚でボストンへ . . . うらやましいですぅ〜♪
久しぶりに美術の勉強をしちゃいました。(笑)
いいですね、このようなお話。
じっくりお話を聞くこと、大事だと思いました。
coco030705
「おもしろそう。ボストン美術館に行こう。」ってひとっ飛びでボストンに
行っちゃうなんて、さすがTaekoさんですね!
ほんとに魅力的な美術館。アメリカ人もパリに憧れていたのですね。
いい絵がいっぱいありそうですね。私も行きたい!
カクテルパーティで、サーカスのアクロバットとは、おもしろいですねぇ。
グルメのほうはいかがでしたでしょうか。記事を楽しみにしております。
りんこう
美術館でサーカスのアクロバットとは、ちと日本では考えられませんね。
ボストン美術館は世界三大ミレー美術館のひとつであるはずですが、
ミレーの作品はたくさんありましたか?
バニラ
ソフトな色合いもとっても素敵です。
この絵に会いにひとっ飛びしちゃうTaekoさんもとっても素敵♪
TaekoLovesParis
私はてんとうむしさんの仕事力を見習いたいですよ~。
ワインも、ね。
TaekoLovesParis
きっとお好きでしょうと思っていました。ボストンの紅葉のきれいさはカナダに
匹敵と聞いています(その季節に行ったことがないからわからなくて。。)
ボストン美術館は、日本国内でも容易に見れない浮世絵がずらっと揃っていて、光琳、狩野派などもあります。日本庭園もね。
nice&コメントありがとうございました
▲Cocoさんへ
言われてみれば、カクテルパーティで、アクロバットとは、、ですよね。
皆、固唾を呑んで見守っていましたもの。その時間は飲み物どころではありませんでしたね。
<グルメのほうはいかがでしたでしょうか。>
→あは、Cocoさんらしい質問(笑)。では次回に。
▲りんこうさん、教えていただいて。。。
<ボストン美術館は世界三大ミレー美術館のひとつであるはず>
どうりで~、「種まく人」をはじめとして、大きい絵がいくつもカクテルパーティ
の部屋にかかっていました。
モネがたくさんあるのは知っていたけど、、ミレーも、だったんですね。
▲バニラさんへ
夏の間何回も、バニラさんにくわしくご紹介いただいたデュフィを見に大谷美術館へと思ったのですが、ぐずぐずしているうちに暑くなってきて、、結局、行かれませんでした。今、大丸デパートで「デュフィ展」が始まったので、今度こそ、です。
カサットやサージェントもやさしい絵だから、きっと、バニラさんの好みですよね。
りゅう
まさか、ボストンに行っていたとは・・・I(o_O)i オドロキ!
カサットの作品はいつみても優しいですね~~~、ココはルノワール《ブージヴァルのダンス》やモネ《ラ・ジャポネーズ》がある所ですよね。
いいなぁ~、行きたいっ!!!!!
シェリー
1週間の夏休み!どこに行こうかって選択・・・ボストンで美術館三昧。
Taekoさん素敵です。憧れちゃうな~
どの絵もとっても素敵ですが、美術館でカクテルパーティにサーカス!
なんて楽しそうですね☆パリって響き~私もとっても憧れちゃうけど
アメリカの方もやっぱり憧れるんですね。「パリのアメリカ人」ってタイトルとても面白いな。とおもって!
私も次回の(!?)美味しいもの記事!楽しみにしてます~
興味が湧いてくる事あります〜
パリのアメリカ人っていう企画面白いですね!
行ける場所でやったら行って見たいです。
夏休みとれて良かったですね♪
いっぷく
気軽に行ってしまいましたか。
自分が訪ねたら日本の美術コレクションも見たいので一日では見切れませんね。
展示室での音楽とカクテルのパーティはおしゃれですね。
昨日V&Aミュージアムに行って来たのですが、閉館時ちかくになって、ラファエロルーム(ラファエロデザインの大型タペストリー展示室ラファエロの下絵もあります)で大規模なディナーパーティーの準備がされてました。(もしかして撮影?不明です)
でもそんな場所で食事をすることにもちょっと驚きました。
バーガンディーのテーブルクロスがされて花も運ばれ豪華なテーブルセッティングがされていました。
普段は暗く照明を落とされて、ここだけはカメラ禁止だと思うのですが、大量のワイン用の氷だと思いますが運ばれていくのをしりめにミュージアムを後にしました。
TaekoLovesParis
デザインもコンセプトをきいて、「そうだったの」と思う時がありますよね。
絵も背景を説明してもらうと、親しみがわく気がします。
<夏休みとれて良かったですね♪>
→ありがとう。ボストンで十分寝てきたので(苦笑)、休養十分。
お休みはやっぱり必要ですね。
TaekoLovesParis
いっぷくさんはもう世界中まわっていらっしゃる感じがしていたけど、まだ、の所もあるんですね。
チケットは企画展をいれて23$と高めですが、10日間有効。私は2日間しっかり通ってモトとれました。エジプト美術もあるし。。
数年前、まだ日本で有名でなかった村上隆の展覧会をやっていて、「日本人なのに、Murakamiを知らない?」と言われました。その後、村上隆はルイ・ビュトンのバッグに桜の絵を描いて評判になりましたが。ボストン美術館は外国の新人に目をつけて企画展をひらく先見性もあるようです。
いっぷくさんが目撃されたラファエロルームでのディナーパーティ準備、映画の一場面を見るようですね。絵画を有効活用している気がします。
いっぷく
TaekoLovesParis
赤レンガの建物が多く英国への憧れが強い街です。あまり活気があるとは
いえないので治安がいいと思えたのですが、日本とは違いますね。
ロンドンは無料の展覧会が多くて、うらやましいなぁ。
そしてそれらをぷらっと見にいらっしゃれるいっぷくさんの環境も。
TaekoLovesParis
ジャズの大元って言われている曲。
映画も名画として名を残していますよね。私は見てないんだけど。
異国、憧れの地、パリでアメリカ人がどう感じるかっていうのが主題ですよね。
そういえば、このブログ、書いてたときに、Taddyさんはメアリ・カサットや
サージェントを美術史で習ったんだろうな、と思っていたんですよ。