若冲(じゃくちゅう)と江戸絵画展

東京 上野 の国立博物館で開催中の「若冲と江戸絵画展」に行きました。
伊藤若冲(じゃくちゅう)は 江戸時代後期の画家。
この画家の名前は、NHKTVの「日曜美術館」で初めて知りました。
「旭日雄鶏図」 


                           
   

色彩が鮮やかです。
「紫陽花双鶏図」は、「聞茶」のCMの背景に使われていました。(井上陽水の歌)
jyakutyu_ajisai.jpg

こちらはモザイク画の屏風です。極彩色で動物の楽園を表しています。

6曲1双の屏風ですから、かなりの大きさです。
モザイクは1~2cm四方。マス目の数は86000個とか。

江戸時代にこれだけの色合い! 若冲が先鋭的だったとわかります。
真ん中にいるのは白い象。この時代、写真がないので、見たこともない象や虎を
想像で描いていたのです。そのせいかどの動物もユーモラスでかわいい!

そして、この鶴の屏風のみごとなこと!

鶴の一連の動作を、一筆描きのように少ない線で表し、6曲1双の屏風にしています。



ここに展示されている作品は全部、アメリカ人ジョー・プライス氏のコレクションです。
プライス氏は、石油事業で成功した父親から 「大学の卒業記念にスポーツカーを買って
あげる」と言われたものの、京都旅行で、若冲作品に魅了され、そのお金で若冲を
買い集めます。コレクターになるのです。当時は1ドル360円ですから今の3倍の
ものが買え、さらに、若冲は有名でなかったので、簡単にコレクションができたようです。

最後の部屋は、プライス氏の意見で、屏風などの作品がガラスケースを使わず、
むき出しで、光による変化の照明で見せるしかけになっています。
照明によって、ふる雪がはっきり浮かび上がるなど、変化のおもしろさを見てとれます。

江戸絵画のいろいろな作品が展示されています。
私が興味を持ったのは、若冲の部屋と、最後の照明の変化の部屋の2つでした。

<8月27日まで開催>

この記事へのコメント

  • はじめまして。
    私も”若冲”が大好きで先日この展覧会行ってきました。
    ずっと本物が観たかったプライスさんのコレクションが観られて感動でした。
    モザイクの屏風は鳥肌が立ちました。
    長澤芦雪も好きなので好きなものが一気に観られてとても楽しめました♪
    (・・・鶴の屏風写真が転地逆のようですが。。。)
    2006年08月08日 15:20
  • berry

    ホントに色鮮やかですね。
    モザイク画の屏風は、<見たこともない象や虎を想像で描いていた>ということのようだけど、それにしても楽しい屏風に仕上がっているので、ホントに江戸時代後期? . . . と思いました。
    <光による変化の照明で見せるしかけになって .....>この部屋は見てみたいですね。27日まで開催は、メモメモ。
    アメリカ人(というより異文化の国の人)の目には、時としてそのモノを見る確かな目に驚かされることがあります。
    2006年08月08日 19:56
  • Taekoさん こんばんは。
    伊藤若仲のこの展覧会も全部海外に持ち出された物なんですね。
    寂しいな!
    もっとも、戦利品としてでなく、正当に購入されて持ち出されたのでは致し方ないですね。それだけ、その当時は文化絵画を見る余裕がなったんですね。
    「衣食足りて礼節を知る」にまだ遠い時代だったんですかね。?私も
    行ってみようと思います。
    2006年08月08日 21:03
  • coco030705

    こんばんは。
    「日曜美術館」の伊藤若仲(じゃくちゅう)特集を見ました。
    色使いがちょっと私の趣味に合わないかなと思ったんですが、
    Taekoさんの記事を読むと、やっぱり見ておかなきゃという気になりました。
    関西にも巡回するみたいなので、楽しみに待つことに致します。
    2006年08月08日 22:43
  • yk2

    あ~、チケット持ってるのに暑いからってグズグズしてたらtaekoさんに先越されちゃった(笑)。

    ところでオホン、taekoさん。「じゃくちゅう」の“ちゅう”の字が違ってますよ~・・・って得意になって書こうと思い、改めて確認したら僕もこないだから「若沖」って書いてて間違ってました(苦笑)。“にすい”の「冲」なんですね。
    2006年08月09日 00:18
  • TaekoLovesParis

    まころんさん、はじめまして。
    そしてコメントありがとうございます。
    私は若冲は初心者なのですが、まころんさんは以前からご存知で
    いらしたのですね。
    静かな江戸絵画を見てきて、モザイク屏風の部屋にはいったとたん、
    眼を奪われ、驚きました。
    プライス邸のお風呂場は、この楽園のモザイク模様のタイル壁。
    浴槽につかって、タイルを眺めている氏の写真を雑誌で見ました。
    鶴の屏風の天地逆のこと教えていただいてありがとうございます。
    まころんさんは、いっぷくさんの所でお名前お見かけしている方かしら。

    ▲yk2さん、字、まちがってたのを教えて下さってありがとう。
    言われなかったら、そそっかしく、「沖」にしてしまうところでした。
    yk2さんもいらしたら、「ブログに書きたいな」とお思いになりますよ。
    また、競作になるけど(笑) ところでcdmせんせ、お忙しそうですね。
    2006年08月09日 01:25
  • TaekoLovesParis

    ▲berryさん、nice&コメントありがとうございます。
    <アメリカ人(というより異文化の国の人)の目には、時としてそのモノを見る確かな目に驚かされることがあります。>
    →そうですね。共感! 
    でもね、逆もあって、小さいとき読んだ「はなさかじいさん」の挿絵みたいな
    大きな屏風もあって、これは外人だから買うんでしょう、と思ったのですが。。

    ▲kitaさんへ
    プライス氏も石油会社で富を築いた人ですが、アメリカの石油関係の
    会社経営の人の財産は桁ちがいですよね。それをこうやって文化に
    還元してくれるのはうれしいですね。西海岸のゲッティ美術館も石油
    で富を築いたゲッティ氏が作ったもので、山ひとつ切り開いて作った
    壮大な建だそうです。行ってみたいな、と思ってるんだけど。。

    ▲Cocoさんへ
    日曜美術館からは私もさほど興味をそそられなかったのですが、
    聞茶のCMの背景の絵、といわれてピーンと来たのです。
    江戸も後期、元禄時代でしょうか。若冲の絵からは爛漫という字
    が浮かんできました。歌舞伎好きのさんにはCocoさんにはおすすめ
    です。
    2006年08月09日 01:46
  • いっぷく

    伊藤若冲を知った時に国立博物館のサイトを見ていましたが、これだけのすばらしい作品を残していながら知名度はいまひとつだった気がします。

    最初の絵をじっと眺めていると、はるか遠い記憶がよみがえるような思いに
    陥りました。
    2006年08月09日 08:42
  • taekoさん
    こんにちは。日本人独特な画ですね、動物の楽園も迫力ありますが鶴の屏風がとても好きです。日本画はまったく無知ですが、いいなあと思う画やものを見ると嬉しくなります。
    また遊びにきます~。
    2006年08月09日 17:27
  • シェリー

    若冲さん・・・初めてお聞きしました。
    でも聞茶のCMの背景の絵!なるほどです。
    見たこともない象や虎を想像で描いただなんて!
    だからなのか動物の楽園・・・不思議な魅力を感じます。
    私も実物を観てみたいです。日本画もいいですね~
    2006年08月09日 19:54
  • TaekoLovesParis

    いっぷくさん、この展覧会には若冲以外のものもたくさんあったのですが、
    若冲は飛びぬけていました。色合い、構図はもちろんですが、近くで実物
    を見ると、ひとつひとつの線がとてもていねいに描かれていました。特に
    紫陽花がすばらしく印象的でした。いいものはいつまでも心に残りますね。
    2006年08月09日 23:48
  • TaekoLovesParis

    sakikopさん、鶴の屏風は対になっているので、もうひとつ、これとは
    違った鶴六態の屏風があるのです。黒白の静かな世界もいいですよね。
    こういうのを見ると日本文化の良さを感じます。とくに屏風は趣があって
    いいなと思います。
    2006年08月09日 23:53
  • TaekoLovesParis

    シェリーさん、若冲は古いのに新しい、時代を超えた日本の良さを感じ
    させる作品の人です。展覧会は小倉、福岡に巡回しないかも
    しれないけど、機会があったらご覧になってみてください。
    2006年08月10日 00:03
  • りゅう

    若冲、型破りな感じでいいですよね~(^o^)丿
    若冲というと、どうしてもニワトリのイメージが・・・

    三の丸尚蔵館でも若冲が一般公開されていますよね!
    両方とも観に行きたいのですが・・・ウーム (; _ _ )/
    2006年08月10日 00:47
  • シェリー

    Taekoさん再びお邪魔します!
    プライスコレクション『若冲と江戸絵画』展
    太宰府にある「九州国立博物館」で展示されるみたいなんです!!
    ただ・・・期間 2007年1月1日~2月25日(汗)
    気長に待って・・・私も是非実物を観にいきたいと思います。
    2006年08月11日 11:50
  • cuvee-juliez

    nice!
    from Rheinhessen
    2006年08月11日 16:43
  • TaekoLovesParis

    Hi cdm-sensei,
    Thank you for your message from Rheinhessen. Is it in Deutscheland?
    I miss you!

    わ~お、cdmせんせ!
    そちらのPCだと日本語は書けないけど読めるんですよね。
    アルザスからラインヘッセンに移動なさったんですね。
    私は仕事も一段落したので、毎晩、ワインの生活です。
    昨日は、cdmせんせはアルザスだから、と、アルザスワインを買いに
    行きました。でも、リプフラウミルッヒにするべきだったんですね(笑)
    お帰りになったら、また、いろいろ教えてくださいね。謎だらけで飲む
    より、いろんなことわかって飲む方がすごく楽しくて満たされた気分に
    なります。
    お体お大事に。
    2006年08月11日 21:00
  • TaekoLovesParis

    りゅうさん、nice&コメントありがとう。
    <若冲、型破りな感じでいいですよね~>
    →型破り、この表現がぴったりですね。

    三の丸尚蔵館という名前も知らなかったのですが、今、サイトを見てきました。
    皇居東御苑内なんですね。昭和天皇が所蔵していらした美術品を公開。
    そして入館無料。いつもりゅうさんには、いいこと教えてもらっています。
    ありがとう。
    2006年08月11日 21:14
  • TaekoLovesParis

    シェリーさん、よかったですね。
    写真とホンモノでは、やはり雲泥の差ですものね。
    2006年08月11日 21:16
  • plot

    遅いコメントでごめんなさい。
    若冲の一番好きなところは、自分のそれまでに築き上げたスタイルに拘泥しないで、大胆かつ気負わずに、まったく新しい試みを、さらっとしてしまうこと。
    こういう潔い作家、今の日本にはなかなかいません。
    2006年08月12日 06:33
  • バニラ

    伊藤若中って知らなかったのですが、「聞茶」のCMの背景といわれると
    ああ、あの絵がと浮かんできます。
    でも日本画ってちょっと不得手。 普段目にする機会が少なすぎるのかも。
    田舎の家の掛け軸程度だったりするもので...
    この動物の楽園は実際に眼にしたいですね。
    2006年08月12日 10:54
  • TaekoLovesParis

    nice&コメントありがとうございます
    ▲plotさんへ
    <自分のそれまでに築き上げたスタイルに拘泥しないで、大胆かつ気負わずに、まったく新しい試みを、さらっとしてしまうこと>
    →さすが!plotさんのおっしゃることは違います。新しい試みへの気持ちは
    あっても技術が伴わないと難しいですものね。
    潔い…いい言葉ですね。

    ▲バニラさんへ
    私も昔は、日本画にさほど興味がなかったけど、大きな襖絵とか屏風の
    派手なものや尾形光琳の「かきつばた」を見て好きになりました。
    バニラさんもきっとそのうち。。

    ▲Taddyさんへ
    Taddyさんは、ご自分の作品に毛筆を上手にとりいれていらっしゃるから、
    きっと、若冲は刺激になると思います。
    宇多田ヒカルのSAKURAドロップスのCDのジャケットのデザイン、ご主人の
    紀里谷さんの作だけど、ここにも若冲作品が使われています。
    ☆Taddyさんがワイン飲むようになった! うれしいなぁ。仲間がふえて(笑)
    2006年08月13日 08:45
  • 雛鳥

    鶴の屏風は私も好きです。
    それぞれの鶴の動きがおもしろく、また表情も愛嬌がありますよね。
    私も元々若冲に興味があったわけではなかったのですが、
    今回の展覧会は、私的に得るものがたくさんあって、良かったと思います。
    最後の部屋は、ホント考えたな、と感心してしまうほどでした。
    2006年08月16日 00:02

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「若冲と江戸絵画展」に行ってきました。
Excerpt: チョットだけ自慢。^_^; 実は閉館後のご招待というのがあって、今日の夕方から
Weblog: メカパンダマニュアル
Tracked: 2006-08-22 19:27

トリトリわんだーらんど
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